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論文理解(生物を規範として使い物になるソフトロボットを作る)

2023/02/11に公開

生物を規範として使い物になるソフトロボットを作る

  • 日本ロボット学会誌誌 vol.37 No.1 pp12~15,2019
  • 梅館拓也(敬称略)
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内容を簡単に説明

ソフトロボットのための設計・製造、制御方法をゼロベースで模索する. ユーザと設計者のマインドセットを変える必要がある. 人と状態的に触れ合うロボットを設計する際に追求すべきは、効率やスピードよりも安全性や適度な良い加減である.
3Dプリンタで"部品"を作るという方法が18世紀から続く硬い機械システムの構築に適した方法であるため、限りなく一括で硬い部分と柔らかい部分をグラデーションを持たせて印刷する設計を模索する必要があり、これをベースとして考えたのがイモムシ型のソフトロボットである.
自然環境を動き回るロボットを設計するためには車輪に代わる接地摩擦機構をうまく使う必要がある、硬いロボットの場合は車輪が用いられる。ソフトロボットの場合はボディ自体が大きく変形するため環境との接地面積が増えるので接地摩擦をボディの曲げに応じて切り替える機構を開発した
ソフトロボットの設計の際に最も難しいのは制御器の設計である。実質的に無限大の自由度を有する系であり、大変形によって非線形力学応答を示す。ゆえに制御対象を状態方程式で表して、それによって制御器を構築するという手段が取れない。太古から柔軟素材で身体を作り、駆動させ生き残ってきた生物の制御メカニズムを紐解いて制御方策を構築しようとするアプローチがある。生物由来の感覚フィードバックを伴った振動子系を用いた制御がソフトロボットの制御に適していると考えられ、センサを備えたローカルな制御器を用いた自律分散的制御を採用し、自律的にロボット全体の振る舞いが変化することを示してきた。この手法の問題点はアクチュエータとセンサ数を増減させた際に制御器を設計し直さなくてはいけないこと。そこで汎用的なロボットのための制御器の設計方策の確率を目指して振動子系の力覚フィードバックを強化学習で獲得する制御方策を提案した。強化学習で学習するのは力の項であり、報酬関数として与えるのは移動距離のみPEPGと呼ばれる最適化手法を用いて学習する

提案されている手法

解説論文のためなし

解決した課題

解説論文のためなし

今後の展望

必要なのは分野を超えて学問領域を再構築することである.社会にも存在価値を問うていく必要性がある

知らなかったこと,わからなかったこと

  • PEPG
    部分的に観測可能なマルコフ決定問題に対するモデルフリー強化学習法(Sehnke, Frank, et al. "Parameter-exploring policy gradients." Neural Networks 23.4 (2010): 551-559.)

Discussion