テストに関する標準 JSTQB Advanced Levelテストマネージャ資格のキーワード解説!
JSTQB AL テストマネージャに記載している標準
標準 | 概要 |
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ISO 9126(現行ISO 25000) | ソフトウェア品質基準/品質特性 |
ISO 12207 | ソフトウェアライフサイクル規格 |
ISO 15504(SPICE) | プロセス能力評価基準 |
IEEE 829 | テストドキュメント標準 |
IEEE 1028 | レビューと監査の標準 |
BS 7925-2 | ソフトウェアテスト仕様 |
DO178B ED12B | 航空ソフトウェア安全性 |
FDA Title21 CFR Part 820 | 医療機器品質システム |
JSTQB AL テストマネージャに記載している標準の動画解説!
ISO 9126
ISO 9126は、ソフトウェア品質の評価のための国際標準で、1998年から2004年にかけて発行されました。この標準は、ソフトウェア品質を以下の6つの主要な特性に分けて定義しています。
- 機能性 (Functionality): ソフトウェアが定義された要件を満たしているか。
- 信頼性 (Reliability): ソフトウェアが特定の期間にわたって正確に動作する能力。
- 使用性 (Usability): ソフトウェアがユーザーにとって使いやすいか。
- 効率性 (Efficiency): ソフトウェアがリソースを効果的に使用しているか。
- 保守性 (Maintainability): ソフトウェアが変更や修正を容易に受け入れられるか。
- 移植性 (Portability): ソフトウェアが異なる環境に適応する能力。
プロセスについては記載されていません。
ISO 9126の60秒動画解説!
ISO 25000
TBA
ISO/IEC 12207 (1995-2004)
ISO/IEC 12207は、ソフトウェアのライフサイクルプロセスに関する国際規格です。この規格は、ソフトウェアの開発、運用、保守、廃止の全体的なアプローチを提供します。
主な特徴として:
- ソフトウェアライフサイクルの全フェーズをカバー。
- ソフトウェアの品質とプロセスの改善を強調。
- ソフトウェアの開発や運用に関与するすべてのステークホルダーの役割と責任を明確に。
- 繰り返し可能なプロセスを通じて、ソフトウェアの品質と信頼性を高めることを目的としています。
この規格は、ソフトウェアエンジニアリングのプロジェクトの管理や実施をする際のガイドラインとして広く使用されています。また、2004年以降、この規格はいくつかのアップデートを受けており、現在のバージョンには多くの追加や変更が反映されています。
ISO/IEC 12207の60秒動画解説!
SPICEの概要
ISO 15504、通称「SPICE(Software Process Improvement and Capability dEtermination)」は、ソフトウェアプロセスの評価と改善を支援するための国際標準です。
SPICEの60秒動画解説!
特徴と利用目的
- SPICEは、ソフトウェアのプロセスを評価・改善するためのモデルとして設計されています。
- CMMやCMMIと同様の目的で利用されます。
- ソフトウェアのプロセスを管理、制御、誘導、監視するために使用されます。
主な内容
- プロセス評価: ソフトウェア開発と関連するプロセスの性能と能力を評価するための方法論を提供。
- プロセス改善: 評価結果を基にしたプロセスの改善手法を定義。
評価モデル
- ISO 15504は、プロセスの能力レベルに基づいて評価を行う。この能力レベルは0から5までの6段階に分けられ、各レベルでの達成基準が定義されています。
SPICEにおける活動の概要
- 評価: ソフトウェアのプロセスや活動を評価します。
- 弱点の検出: 評価を基づいてプロセスの弱点や欠点を特定します。
- 弱点の改善: 弱点を特定した後、それを改善するための措置を講じます。
- 強みの継続: 強みを特定し、それを組織やチーム全体で継続的に適用します。
IEEE 829-1998
IEEE 829-1998は、ソフトウェアテスト文書の標準規格として、IEEE (Institute of Electrical and Electronics Engineers) によって1998年に発表されました。この標準は、ソフトウェアテストのさまざまな段階における文書の形式や内容を定義しています。
IEEE 829-1998の60秒動画解説!
主な特徴
- テスト計画:テストの目的、範囲、戦略、リソースの詳細を定義します。
- テスト設計:テストケースやテスト条件の選択基準を特定します。
- テストケース:具体的なテスト手順と期待結果を記述します。
- テスト手順:テスト実行の手順を定義します。
この標準は、テスト文書の一貫性と品質を確保するための指針として使用されます。
IEEE 1028-1997
定義
- IEEE 1028-1997は、"IEEE Standard for Software Reviews and Audits"として知られています。
- この標準は、ソフトウェアのレビューおよび監査のプロセスに関するガイダンスと要件を定義しています。
IEEE 1028の60秒動画解説!
主な内容
- ソフトウェアプロダクトのライフサイクル全体にわたる、各種のレビューと監査活動の定義と要件を提供。
- マネジメントレビュー、技術レビュー、インスペクション、監査などの活動をカバー。
目的
- ソフトウェアの品質とプロセスの確実性を向上させるための標準的なアプローチを提供すること。
- プロジェクトの目的を達成するためのソフトウェアの完全性と適切性を確認する。
この標準は、ソフトウェア開発と保守の過程でのレビューと監査の実施に関するベストプラクティスとガイダンスを提供することを目的としています。
BS 7925-2の概要
BS 7925-2は、ソフトウェアテストのための技術用語を定義するイギリスの標準です。この標準は、ソフトウェアテストの実践と理論の間の誤解を避けるため、一貫した用語の使用を促進することを目的としています。
BS 7925-2の60秒動画解説!
主要な特徴
- 技術用語の定義: ソフトウェアテストのプロセス、手法、技術に関連する一連の技術用語を提供。
- 共通の理解: テスターや開発者、プロジェクトマネージャーなど、関連するすべてのステークホルダー間での共通の理解を促進。
- 一貫性: ソフトウェアテストの文脈での用語の使用に関する一貫性を確保。
DO-178B/ED-12B (1992)の概要
DO-178B, 正式には "Software Considerations in Airborne Systems and Equipment Certification" として知られ、航空機のオンボードソフトウェアの開発プロセスとその認証に関連するガイドラインを提供するものです。これは、欧州での呼称であるED-12Bとも同等です。
FAAは、航空機に搭載されるソフトウェアの安全性を評価・認証する際にDO-178Bを標準として参照します。これは、ソフトウェアの品質と安全性の確保を目的としており、ソフトウェアが飛行の安全に与える潜在的な影響を適切に評価し、リスクを最小化するための手法を提供しています。
この標準に従って開発されたソフトウェアは、その安全性や信頼性が一定の基準を満たしていると認識されます。そのため、航空機メーカーや部品供給者は、FAAの認証を取得するために、DO-178Bに従ったソフトウェア開発プロセスを採用することが一般的です。
DO-178B/ED-12B (1992)の60秒動画解説!
主要な特徴
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安全性: ガイドラインは、航空機の安全性を確保することを目的としています。ソフトウェアが安全に機能することを確認するための基準と手順が提供されています。
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証明の提供: ソフトウェアの安全性を証明するための詳細な文書が要求されます。
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ソフトウェアレベル: ソフトウェアは、機器の故障がどれほどの影響を持つかに応じて5つの異なるクリティカルレベルに分類されます。レベルAは最も厳格で、レベルEは最も緩和された基準です。
米国食品医薬品局 (FDA) と医療システムのソフトウェアテスト
米国食品医薬品局(FDA)は、医療システムのソフトウェアに関して、確実な品質と安全性を保証するためのテスト技法を示唆する標準とガイダンスを提供しています。
米国食品医薬品局 (FDA) の60秒動画解説!
FDAのソフトウェア検証の原則
FDAの「General Principles of Software Validation」ガイダンスによれば、ソフトウェア検証は、製品が指定された要求を満たすことを確認するプロセスとして定義されます。この検証プロセスには、機能テストと構造テストが含まれます。
1. 機能テスト
機能テストは、ソフトウェアの特定の機能が正しく動作するかを確認するためのテストです。これは、通常、ブラックボックステストとして行われます。
- 目的: 要求された機能が正しく実行されるかを確認する。
- 例: 入力値に対して期待される出力を確認する。
2. 構造テスト
構造テストは、ソフトウェアの内部構造や動作を確認するテストで、ホワイトボックステストとしても知られています。
- 目的: ソフトウェアのコードが正しく、完全にテストされていることを確認する。
- 例: 分岐カバレッジ、命令カバレッジ、パスカバレッジなどのテスト技法を使用して、コードの特定の部分が正しくテストされているかを確認する。
注意点
医療システムのソフトウェアは、患者の健康や命に影響を及ぼす可能性があるため、その安全性と機能性は極めて重要です。FDAは、医療機器製造業者が適切なテスト技法を用いて、ソフトウェアの全てのアスペクトを徹底的に検証・確認することを強く推奨しています。
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