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インスペクション JSTQB Foundation Level新シラバスのキーワード解説!
インスペクションとは
インスペクションは、ソフトウェア開発のプロセスにおけるフォーマルなレビュープロセスの一つです。この手法は、1970年代にMichael FaganによってIBMで開発されました。インスペクションは、ソフトウェアの要件、設計、コード、その他のドキュメントを精査し、欠陥や問題点を早期に特定することを目的としています。
※インスペクションを説明すると分厚い本一冊分になります
インスペクションは、最も形式的なレビューの一種であり、以下の特徴を持ちます。
- プロセスの従順 汎用プロセスに完全に従って行われます。
- 目的 主な目的は不正を最大数発見することですが、品質評価や作業成果物に対する信頼の積み上げ、作成者のモチベーションの向上と改善も目指します。
- メトリクスの収集 メトリクスを収集してインスペクションプロセスを含むSDLCを改善するために使用します。
- 作成者の役割制限 インスペクションでは作成者はレビューリーダーや書記として活動することはできません。
インスペクションは、品質の高いソフトウェアや製品を確保するための重要なプロセスであり、厳格なチェックと詳細な分析を通じて欠陥や問題を特定することに焦点を当てています。
インスペクションのプロセス
インスペクションは、以下の基本的なステップからなるプロセスを経て行われます:
- 計画 参加者の選定、役割の割り当て、タイムラインの設定など、インスペクションの全体的な計画を行います。
- 概要セッション ドキュメントの作成者が参加者に対して、検討対象の内容について概要を提供します。
- 個別のレビュー 各参加者は、事前に提供されたドキュメントやコードを個別に精査します。
- インスペクションミーティング 参加者全員で集まり、発見された欠陥や問題点について議論を行います。
- 修正 作成者は、インスペクションミーティングで議論された欠陥を修正します。
- フォローアップ 指摘された欠陥が適切に修正されたかを確認するための追跡活動を行います。
インスペクションの利点
- 早期の欠陥検出 インスペクションは、開発ライフサイクルの早い段階で欠陥を発見するのに非常に効果的です。これにより、後の段階での修正コストを削減することができます。
- 品質の向上 インスペクションを定期的に行うことで、全体的なソフトウェアの品質を向上させることができます。
- 知識の共有 インスペクションプロセスは、チームメンバー間での知識や情報の共有の機会としても機能します。
インスペクションを成功させるために
- インスペクションのプロセスを事前に組織やプロジェクトで定義し、チェックリストのテンプレート作成する
- 公式性の高いインスペクションのレビューミーティングでは、各レビューアは気がついたことを指摘する
- インスペクションの工数は実績として記録しておき、レビューのコスト削減を目的として、インスペクションのプロセスの評価と継続的な改善に利用する。
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