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エンジニアリング組織論への招待を読む
1章: 思考のリファクタリング
個人的な要約
- エンジニアリング(というより事業)は、不確実性を下げることを目的としている。
- 人間にとって不確実なものは2つで、「未来」と「他人」。未来は仮説検証、他人(特にチーム)はコミュニケーションで不確実性を下げる。
- 他人とのずれは、「情報の非対称性」と「限定合理性(全体的な視野や視座を持たず局所最適すること)」で発生する。
- また、個人単位でも人間の認知の歪みから、完璧に論理的に施行することは人間にとって難しい(全員が論理的に仕事をすることはチームとして仕事がしやすいという前提)
- 特に「怒り」という感情のハンドリング。怒りは「自分が大事にしているものが侵されている悲しみ」が先行している。
- マネジメント的観点では、マイクロマネジメントだとマネージャーの個人的能力・リソースが組織の限界となる。あいまいな目的を共有し、個人が動ける自律的な組織を目指す
自分の変化ポイント
- 情報の非対称性をなくしたい。
- 情報のみならず自分の考えていること(プロダクトをどうしたいと考えているか、なんの技術に興味を持っているか、どんな組織を作りたいか)を咀嚼可能な分量で発信する仕組みを作る(timesチャンネルなど)。
- そのチャンネルで経営目線やプロダクトオーナー目線での思考を発信することで、みなが広い視野・高い視座への理解を自然と持てるようにしたい。
- 「怒り」をメタ認知し、悲しみを探りたい
- 自分にとって大切な何が失われているのか。できたら言語化し、それを悲しみとして認知する。(伝えるかはその時考える)
その他書かれていたこと
- 人間は「不安」が嫌い。不安からは「逃避」または「攻撃」したくなる。
- 不確実性の高い問題に先に対処する。小学校夏休みの宿題であれば自由研究に先に着手する。不確実なものほど見積が難しく、全体の質に影響を与えやすい。まずはそこに着手し感覚をつかむ。
- 他人の結果(その人の思考回路や価値観)は変更・観測不可能。手元の自分の行動(会話内容など)などコントロールできるものを変化させる。
2章: メンタリングの技術
個人的な要約
- メンタリングの究極のゴールは「自分で考えられる人を育てる」こと。
- [自己説得] メンティー自身が問題や答えを発見する自己説得が大切。高い納得感や応用力を持てる。それは、メンターが直接答えを教える他者説得に勝る。メンターはメンティーが自分で気づけるように、対話を通して促していく。
- [心理的安全性] その前提として、メンターとメンティーの関係性は重要。心理的安全性があることが重要。「どんなにダメなところを見せても、関係性が破綻することはない」とメンティーが感じられること。
自己説得を促すために
- とにかく相手が主語。相手への共感、相手の問題の可視化、リフレーミング。
- 感情が絡む問題は、まずは傾聴して感情への共感(≠同感)から。その後で問題の処理。
- 問題を解くときは、問題を書き出し、「問題 vs 私たち」の構図にする。
心理的安全性を高めるために
- 心理的安全性が高いと、「対人リスク」を伴う行動がとりやすくなる。問題点の指摘、自分の弱みの開示、失敗の報告等。
- お互いに弱みを見せられ、お互いに敬意を払い、お互いにメンティーへの成長期待を持っている。
- 相手を承認する。存在自体を認め、行動を事実として認知し言語化し、結果を評価する(褒める)。
- メンターも自己開示する(ストーリーテーリング)。そのストーリーの中での感情も共有する。自慢話ではない。
自分の変化ポイント
- 自分が答えを言うことが多かったので、問題があればその分析の思考過程から入る。解決策へとつながる思考に進む道筋を伝える
- 「信じる」これはふわっとしていることだけど、テクニックではなく心の底にあること。採用したからには同じ仲間としてその人へ期待し、その人にできる、輝くところがあると信じる。
3章: アジャイルなチームの原理
- この章は、抽象的なアジャイルの思想・その思想が生まれた背景について解説されている。
- 読み物としては面白いが、要約としてまとめやすいコンテンツではないので、本に多くを譲る。
個人的な要約
- プロジェクトマネジメント
- 平たく言うと「ちゃんと作れるか」。スケジュール・予算通り進めることに対しての不確実性(方法不確実性)を減らす。プロジェクトを「終わらせる」ことが目的
- プロダクトマネジメント
- 平たく言うと「ニーズあるものを作れるか」。ユーザーから本当に求められているかということに対しての不確実性(目的不確実性)を減らす。プロダクトを「終わらせない」ことが目的。
- 変化が速いマーケットだからこそ、後者のニーズの部分を速い速度で検証しながら、プロダクト・プロジェクトともにマネジメントするのがアジャイル開発
後半
- 4章、5章は自分の今の状況よりも大きな会社の話も多かったため、要約は省略する。またしかるべきタイミングで読み込みまとめたい。
このスクラップは2022/11/11にクローズされました