個人開発webサービスの限界とこれから
とても大仰なタイトルになってしまいましたが、あくまで私が体験した事・個人的に思う事をまとめてみました。
一発ネタや受けるアイデアを形にしていただけの頃
windows95が発売されて少し後、インターネットが普及し始めた頃。私も社会人となり、自分のPCを買い、誰もが情報発信できる時代になった喜びを謳歌していました。
その頃はPG・SEという職業になるとは思っていませんでしたが、掲示板の改造やCGを発表する場としてHPを立ち上げ色々知識を蓄えていました。
それから10年近く時が経ち、2000年代後半(2008年か2009年?)あたりにphpという言語が簡単で習得しやすいと聞き、サンプルプログラムをレンタルサーバで試してみれば動く。開発環境もXAMMPで簡単に構築できると知って一気にのめり込みました。画像合成の技術が面白くてwebサービスとして公開し、そこそこの人気を得たのを覚えています。
PCとプログラムの知識と自信をつけた私はPGとして転職しました。
野放図に展開しメンテもアプデもしなかった反省
作成したwebサービスは特に優れたプログラムとは言えないけれど時勢やその場のノリなどでウケる事もあり、メディアに紹介されてサーバが落ちたりサービスの負荷で共用サーバを落としたりして迷惑をかけたと思っています。
サーバが落ちるほど大人気なのだ、と傲慢に思う事もありましたが全く誇るべきではない迷惑行為です。今なら負荷分散やクラウドでの補強を考えますが当時は全く知識が足りませんでした。
でも、人気は瞬間最大風速的なもので、そんな対策をする前にサービス自体が飽きられ風化していきました。
プログラマは飽きやすい生き物と言われますが私もそうでした。メンテもアプデもしないソフトウェアはOSの変化についていけず使えなくなったり、最悪攻撃を受けスパム踏み台にされたり情報流出など諸悪の根源になってしまうのを肝に命じなければなりません。個人情報は収集しておらず、メールの設定などもしていなかったため最悪の事態は避けられましたが、メンテもアプデも出来ないサービスなら閉じるべきだと今は思っています。(当時のものはほぼ終えました)
Skebやプライベッターのようにはなれなかった
先日買収が話題になったSkebは個人開発のwebサービスが発端であり、自分も絵を描くので開始当初から知っていました。やり取りされるお金の額を聞いて驚いたものです。買収されるまではほぼ一人でこのプレッシャーに耐えていたのかと思うとすごい胆力で全く真似が出来ないなと。しかし個人の力で世の中が少し変わる(日本にコミッション文化が根付いた)瞬間を垣間見れたのは夢がありました。
また、ツイッターに公開範囲を設定できるサービス、プライベッターも個人開発者の成果物と聞いて驚きました。競合として似たサービスを展開する企業もある中、いまだに使われ続けている。メンテやアプデをちゃんとしていないとこうはならないでしょう。敬服いたします。
でも開発したり発表したりするのはやめられない
前述の方達のような、みんなに喜ばれるwebサービスを安定して届けるという事は出来なかったしこれからもできる気がしないです。昔のような情熱やフットワークもなくなりました。
でも、アイデアを形にする開発自体は楽しくて、出来たら発表もしたい。生業としてプログラムを書くけどそれとは別の衝動は今もあります。
Zennで技術記事を書くのも多分それ寄りの発露だと思っています。
じゃあ今なにやってるの?
- OSSとしてソースコードを公開
- 自分のwebサイトはプライベートレポジトリで開発
- twitterBotを製作者明記で継続
主に今やっているのはこの3つです。1番、ソースコードを公開しているものはダウンロードして使うことが前提のもののためサーバが落ちたりする心配はありません。自分も使用するためアップデートを地味に続けられています。
2番、自サイトをLaravelで作り直しました。趣味と実益を兼ねられて、アップデートやメンテナンスも自分の事なので向き合えます。
最後のは昔の勢いで作ったものなのですがいまだに利用者が多いため簡単にメンテナンスやアップデートが簡単にできる環境に引っ越ししました。
続けることが苦にならない、常に自分の手元で動いているのが見える(異常がすぐ察知できる)などが大事だと思います。
webサービスを個人でやる意義
自分の作ったシステムがインターネットを通じて動いて他人に使ってもらえる、webサービスというのはとても楽しいものだと思います。一方でセキュリティや脆弱性などにも気を配らなければなりません。
また、絵や物語のように一度発表すれば変わらない・変えなくていいものと違ってアップデートが重要であると思った方がいいですよね。
これからwebサービスを作りたい人の参考になればと思います。個人の能力やできることには限界があるけど知らない人の役に立てたり楽しんでもらえるってやっぱり楽しいですよ
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