Chapter 10

Envaderのマーケティング戦略

株式会社var(ヴァー)
株式会社var(ヴァー)
2021.10.28に更新

こちらのチャプターでは、Envader(エンベーダー)をリリースする上でのマーケティング戦略を説明します。

ここまでで、Envader(エンベーダー)のシステムの実装について説明しましたが、サービスをリリースする上では、1人でも多くのユーザーに対してシステムを届ける必要があります。

当初、Envaderは、セキュリティ系のシステム演習を行うために開発をスタートしました。
例えば、以下のようなシナリオを想定していました。

  • 踏み台コンテナから脆弱性のあるコンテナに対して、パスワードクラック
  • SSHの設定ファイルを書き換えることにより、パスワード認証を禁止する

こんなことをSaaSとして体験できる研修システムがあったらどんな企業もユーザーも利用してくれるのではないか?と正直、慢心していました。

しかし、良いサービスが必ず売れるとは限らないことを我々は知っていました。

マーケティングや広告をかじっていた経験があったため、製品がいいということが、ヒット製品になるための十分条件ではないことを知っていました。我々のようなエンジニア出身のサービス開発者には、良いサービスを作る力はあっても、それを広める力が足りていないと実感しています。

学生起業などでは、特にその傾向が顕著に見られています。

「こんな便利なサービス作ったから売れるでしょ?」
と、良いサービスを作ったら勝手に自動的にユーザーが増えると信じているのです。そうして、アプリを作ったものの、ほとんど日の目を浴びなかったサービスが五万とあることでしょう。だからこそ、サービスを作る時には、どうやってそれを広めるかまで考える必要があると実感しています。

そこで、Enavderは今回のtoC向けのリリースに際して、改めてターゲット戦略を試みました。
ユーザーは、どんな悩みをもち、どんなサービスを求めているのだろうか?
ユーザーのシーズは一体どこにあるのか?
を深く考えました。

シーズとは、ユーザーがまだ言語化できてないニーズ。例えば、iPhoneを欲しいとはiPhoneが出る間には誰も思っていなかったが、実際にユーザーが求めていたのは、ガラケーではなく、iPhoneであった。

我々が見つけた課題は、多くの初心者エンジニアが環境構築で躓いているということでした。

プログラミングを学習するサイトや解説をするサイトは多くあり、オンライン上でプログラミング言語を学習する機会も多々ありますが、環境構築はそうでもないということです。AWSでEC2サーバーを立てて、Amazon LinuxUbuntu を構築すれば可能ではありますが、初心者はそこにすら行きつきません。

仮にそれができたとしても環境構築は、これまでの作業やversion等に対する依存度が高いため、再現性が必ずしもありません。

Progateという素晴らしいサービスのおかげで、プログラミングに対する障壁は非常に低いものとなりました。しかし、多少なりともプログラミングをかけるようになった人が、そこから上に行くための学習ツールが足りていないという結論に至りました。

何かをインストールするとき、たいていの初心者は、QiitaやZennなどの記事を見て手順通りに行います。
よくわからずコマンドを打ち込んでいく経験は誰しもにあると思っています。

しかし、往々にして、コマンドがエラーを吐いたり、
環境依存のためにコマンドが動かないといった事態がよく起きます。

初心者は、そういう手順通りにできないことに対して嫌悪感を抱き、挫折してしまうのかもしれないという仮説を立て、Linuxコマンド型のシナリオをメインで作成することに決めました。

そして、企業の課題としては、多くの新人研修等ではPCのセットアップに大幅なコストを割かれます。Linuxの学習をするためには、OSのインストールから始める必要があります。そして、50名中3名くらいの新人のPCの調子が悪く、時間を取られてしまう。なんてことがよくあるのではないでしょうか?Envaderを利用すれば、Webブラウザさえあれば動作は可能です。全ての環境はDockerコンテナで動いているため、再現性という意味では完璧に動作します。(冪等性とでもいうべきでしょうか?)

そして、何かおかしなことがあったら、一度削除して再度立ち上げればいいのです。環境構築という学習が難しい領域に対して、光を当てられるものとしてEnvaderを売り出すことにしました。

その結果、新しく作成したシナリオの例は以下の通りです。

  • Linuxコマンドの練習(ls, cd, cat, etc.
  • PATHの理解
  • apt の使い方

もちろん、最初にあげたようなシナリオも実装していますが、このような基本的な環境構築に必要な知識を学習するために必要なシナリオを詰め込みました。

そして、Envaderを広めるマーケティング戦略としては、Twitterを最大限に活用しました。

Twitterの最大の強みは拡散力だと考えています。
インスタグラムやYoutubeと異なり、Twitterには拡散力があります。

そのため、招待機能を実装したり、コースを終了するごとにTwitterに呟ける機能等も作成しました。
また、初心者エンジニアだけでなく、こちらの記事を読み進めることができるほどのベテランエンジニアの方にもぜひ知って欲しいと思い、このようなBookをZennに書きました。

まだまだEnvaderもリリースしたばかりであり、今後どのようにユーザー数が増加していくかはわかりませんが、地道なマーケティング活動を続けていく予定です。