このページでは Rust で頻出する変換処理を理解するために Into<T> と From<T> についてまとめる。
Into<T>
Into<T> というトレイトを実装した型は into で T に変換できる。
convert/mod.rs
trait Into<T>: Sized {
fn into(self) -> T;
}
たとえば &str も String も Into<String> を実装しているので、どちらの型も into を実行すると String になる。
let string: String = string.into();
let string: String = str.into();
この Into<String> を引数にすると、引数が String でも &str でも動く処理を作れる。
fn main() {
let string: String = "foo".to_string();
let str: &str = "foo";
something(string);
something(str);
}
fn something<S: Into<String>>(s: S) {
let string: String = s.into();
println!("do something");
}
汎用的な処理 や、実行時は String しか渡せないけどテストコードでは &str を渡せると楽だ、みたいな場合に便利だ。
From<T>
From<T> というトレイトを実装した型は from で T から生成できる。
convert/mod.rs
trait From<T>: Sized {
fn from(other: T) -> Self;
}
たとえば Ipv4Addr という標準ライブラリの型は From<[u8; 4]> と From<u32> を実装しているので、[u8; 4] と u32 のどちらからでも from で生成することができる。
let addr1 = Ipv4Addr::from([127, 0, 0, 1]);
let addr2 = Ipv4Addr::from(0x7f000001);
println!("{:?}", addr1); // 127.0.0.1
println!("{:?}", addr2); // 127.0.0.1
From<T> トレイトは Into<T> トレイトと対照的になっており、Into<T> は From<T> があれば自動でコンパイラに実装してもらえる。
実際に Ipv4Addr は into でも生成できる。
let addr1: Ipv4Addr = 0x7f000001.into();
let addr2: Ipv4Addr = [127, 0, 0, 1].into();
println!("{:?}", addr1); // 127.0.0.1
println!("{:?}", addr2); // 127.0.0.1
整理
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Into<T>というトレイトを実装した型はintoでTに変換できる -
From<T>というトレイトを実装した型はfromでTから生成できる
参考