Chapter 02

学習のロードマップ

lacolaco
lacolaco
2021.03.17に更新

Angularのチュートリアルを終えたことで、あなたは何を学び、何をまだ学んでいないのでしょうか。ここまでに何を積み上げ、この先に何が待っているのかについて、大まかな全体像を掴んでおくことにしましょう。

チュートリアルで学んだこと

Angularのクイックスタートツアー・オブ・ヒーローズ チュートリアル を通して、開発者は次のことを学べるようになっています。

  • クイックスタート
    • テンプレートHTMLとバインディングによるデータの表示
    • コンポーネント間のコミュニケーション
    • RouterModuleを使った基本的なナビゲーション
    • サービスの作成とコンポーネントへの注入
    • HttpClientModule を使った通信
    • ReactiveFormsModule を使った基本的なリアクティブフォームの作成
    • Angular CLIを使ったアプリケーションのビルドとデプロイ
  • ツアー・オブ・ヒーローズ チュートリアル
    • Angular CLIを使ったアプリケーションの作成とローカル開発
    • TypeScriptのインターフェースを使った型定義
    • FormsModuleを使った基本的なテンプレート駆動フォームの作成
    • 再利用可能なコンポーネントへのリファクタリング
    • Angular Routerの基礎的な使い方
    • RxJSとObservableの基礎的な使い方

もしこれらのことを学べたという実感がなければ、何度でもチュートリアルを繰り返してみましょう。サンプルコードの中に意味を理解していないコードはありませんか?サンプルコードをコピー・ペーストしなくても文章だけで同じコードを書けますか?テキストを読まなくてもツアー・オブ・ヒーローズの要件を満たすアプリケーションは自分ひとりでも作れるでしょうか?

もうチュートリアルから学ぶことは無くなったと言えるなら、ロードマップの先へ進む準備ができています。

チュートリアルで学んでいないこと

はじめにで書いたように、本書が目指すのはより多くのAngular開発者がユーザー体験と開発者体験を両立する持続可能なアプリケーション開発を実現できるような学習をサポートすることです。それでは、「ユーザー体験と開発者体験を両立する持続可能なアプリケーション開発」を目指す上で、チュートリアルを終えても学べていないことは何でしょうか。

チュートリアルで作成したアプリケーションは学習のためだけに作られた短命なものです。開発者も自分ひとりしかいません。しかし現実にあるビジネスのためのアプリケーション開発はそれよりもずっと期間も長く、備える機能も関わる開発者も多いはずです。
前提が違うのですから、ツアー・オブ・ヒーローズの設計をそのまま真似して現実のアプリケーションを作ろうとしてもうまくいきません。チュートリアルはあくまでもAngularの基礎を学ぶことにフォーカスした教材です。

つまり、Angularのチュートリアルを終えた開発者が学ばなければならない最優先のことは、ビジネスのためのWebアプリケーション開発の課題をどのようにAngularで解決していくかということです。

具体的には、次のようなことを優先的に学んでいく必要があります。

  • 持続的な開発を可能にするためのアプリケーション設計
    • メンテナンス性
    • テスタビリティ
    • スケーラビリティ
    • パフォーマンス
    • セキュリティ
  • 多様なユーザー体験を実現するための実装テクニック
    • UIスタイリング
    • ユーザーインタラクション
    • Webプラットフォーム機能の活用

本書での学び方

これらを習得するためには、応用的なAngularの知識・経験だけでなく、一般的なアプリケーション設計への知識・経験も必要になります。前者はAngularの公式ドキュメントを深く読むことで多くを知ることができますが、それを後者と組み合わせながら現実に適応させてうまく活用するには経験が必要です。

本書では小さいながらも現実的なユースケースを例示しながら、それを解決するために役立つパターンやテクニックを解説します。どのような目的で、どのような問題を解決するためのプラクティスなのかを理解していくことで、複雑な課題に直面したときにもそれを分解して解決していくときに役立つはずです。

ただし、本書の内容はまだまだ不足しています。少しずつ拡充できるよう努めていますが、本書以外にも参考になるドキュメントや記事はたくさんありますのでぜひ自分でも探してみてください。

それでは次の章から、Angular After Tutorialを開始しましょう!