本書で学べること
本書では以下のようなことに触れたいと思います.
- Raspberry Piのセットアップ
- WiFiアクセスポイントの構築手順
- 手順の背景にあるLinuxの知識
- 手順の背景にあるネットワークの知識
Raspberry Piを使って自分でWiFiのアクセスポイントを作るだけでは実際にインターネットには接続できないので,それを実際にインターネットと繋がっているアクセスポイントへフォワーディングするところまでを実装していきます.
なお,後述するようにセキュリティに関心があって始めたことなので,稼働させるOSはKali Linuxと呼ばれるDebian派生のOSを用いています.
Motivation
なぜこれを作ろうかと思ったかというと,セキュリティの勉強をするなかで自分で実際に作ってみたくなったというのが背景です.
WiFiのパスワードはどの程度安全なのだろうか,攻撃されるとしたらどのように攻撃されるのだろうか,ということを調べているうちに,「まずは自作でWiFiを作ってみて,実際にそれに攻撃を試してみよう」と思いました.
ただ,WiFiのアクセスポイントを構築するだけでも結構学ばないといけないことが多く,今回これを本という形で書き残すことにしました.
対象読者
まず明確にお伝えしておきたいのは,以下のような目的で作っていないということです.
- ハッキング方法を勉強したい人
- 実際に店舗などでWiFiアクセスポイントを構築したい人
特に後者に関して,なぜこの本が適切でないのかというと,この本で構築したやりかたは「ハッキングからの防御をあまりしていない」からです.
モチベーションはセキュリティの勉強から来ていますので,この本では学習として自分でWiFiのアクセスポイントを用意してみたいという方に向けています.また,Linuxやネットワークに関心がある人も楽しんでもらえる内容になっていると思います.
Linuxやネットワークに関する知識がほとんどないという方でも読みやすいように心がけました.
- ネットワークに興味があるかた
- Linuxをあまり知らないというかた
- セキュリティに興味があるかた
- Raspberry Piで何か作ってみたいかた
- Webエンジニアだけどちょっと他の分野も覗いてみたいというかた
などに当てはまれば読み進めていただけるのではと思っております.
また,Raspberry Piを実際に購入しなくても,背景知識に関する章だけでも読み物にしているつもりですので,ぜひ気になる部分を開いていただけたらと思います.