「ホテル・ルワンダ」という映画は1994年のルワンダ虐殺を描いた映画だ。およそ100日間で100万人が虐殺された重い現実に人間の恐ろしさを感じた。そんな悲劇の国だが、今やアフリカを代表するICT国家と呼ばれている。
地図を見ると内陸にあり、海底ケーブルの陸揚げのような優位性はない。おまけに内戦のため優秀な人材が海外に流出している。それでもカガメ大統領の「アフリカのシンガポールになる」というリーダーシップと、一度はルワンダを離れたものの海外で財と実力を蓄えルワンダの復興のために帰還したディアスポラ(離散者)によりアフリカの奇蹟と呼ばれるような復興を実現した。光ケーブルは隣国タンザニアから接続され、携帯電話網を構築したのは韓国の通信事業者だ。
最近では米国のカーネギー・メロン大学を国内に誘致した。また中国のアリババグループもルワンダに拠点を置く。そして初のアフリカ産スマートフォン工場がルワンダに作られている。日本でも、オフショア開発のパートナーとしてルワンダを選んでいる事例も増えているようだ。
ルワンダからのアクセスがサイバー攻撃と関係あるかは今のところわからない。それより、あなたのサーバにルワンダからのログが残っていたら、それはアフリカの奇蹟を成し遂げたウガンダ人が日本のITにも関わったという足跡なのかもしれない。