この章について
この章では、ローカル環境にGrafanaというDashboardツールを導入します。
Grafanaとは
GrafanaとはGrafana Labsが提供するダッシュボードツールです。
前章で解説したようにPrometheusだけでもグラフを表示できますが、Prometheusはメトリクスを収集するためのツールなので、お世辞にも綺麗なグラフとは言えません。
Grafanaは人間が見やすいグラフを表示することに特化したツールのため、The かっこよくて見やすい!
ダッシュボードをPrometheusが収集したメトリクスから構築することができます。
Grafana環境構築
それでは、先ほどPrometheusを構築したローカル環境にGrafanaをinstallしていきます。
docker-compose.yml
ファイルにGrafanaに関する記述を追加します。
docker-compose.yml
version: "3.9"
services:
prometheus:
image: prom/prometheus
container_name: prometheus
ports:
- '9090:9090'
volumes:
- './prometheus.yml:/etc/prometheus/prometheus.yml'
- 'prometheus-data:/prometheus'
grafana:
image: grafana/grafana-enterprise
container_name: grafana
ports:
- '3000:3000'
volumes:
prometheus-data: {}
ファイルを保存したら、docker compose up
コマンドでローカルDocker環境を起動しましょう。
$ docker compose up
http://localhost:3000 にアクセスするとこのようなGrafanaのログイン画面が表示されます。
Grafanaにログインする
Grafanaの初期パスワードは、
id: admin
password: admin
です。
このID,Passwordを使ってログインを実行してください。
すると、Grafanaのホーム画面が確認できます。
DatasourceにPrometheusを登録する
Grafanaにログインができたら、前章で作成したPrometheusをGrafanaで表示します。
Connections - Data sources
画面に移動して、prometheus
をDatasourceに追加してください。
その際に、Connectionの項目にhttp://prometheus:9090
と入力します。
Datasourceとは
Prometheusを登録したDatasourceというのは、Grafanaがデータを可視化するために参照するデータ置き場です。
Prometheusがデータを収集し、その収集したデータ置き場をDatasourceとしてGrafanaに登録し、Grafanaがそのデータを元に可視化します。
これがPrometheusとGrafanaを使ったモニタリングの基本的な運用です。
Dashboardを作成する
DatasourceとしてPrometheusを登録できたので、Grafana上でPrometheusのメトリクスデータを使ってダッシュボードを作成してみます。
Connections
-> Data sources
-> prometheus
画面に移動して、Dashboards
タブを開いてください。
その中から、Prometheus 2.0 Stats
のImport
を選択して、Grafanaがデフォルトで用意しているPrometheusのダッシュボードを開きます。
このように、Prometheusのメトリクスをモニタリングできるダッシュボードが表示されます。
まとめ
Prometheusのみのダッシュボードだと見づらかったグラフがGrafanaのダッシュボード機能のおかげで見やすいグラフになりました。
GrafanaはPrometheusだけではなく様々なDatasourceをinstallすることができます。
様々なデータをDatasourceに登録し、自分専用のDashboardを作成してみてください!
サンプルソース
今回作成したソースは以下のrepositoryのlocal-basic-grafana
ブランチに配置してあります。