Chapter 05

Rclone mountの設定

Milly
Milly
2020.09.25に更新

前章までで作成したリモート設定を使用して、エクスプローラーからアクセスできるファイルシステムを実現します。

WinFspをインストールする

WinFsp - Windows File System ProxyはLinuxにおけるFUSEのようなユーザースペースファイルシステムをWindowsで実現するためのソフトウェアです。

  • Chocolateyを使用する場合:
    管理者コンソールで cinst -y winfsp を実行します。

  • インストーラーを使用する場合:
    http://www.secfs.net/winfsp/rel/ から「Download WinFsp Installer」を選択し、(執筆時点での最新バージョン) winfsp-1.7.20172.msi をダウンロードして実行します。

NSSMをインストールする

NSSMはコマンドラインツールなどをWindowsのサービスとして登録・実行するためのソフトウェアです。

  • Chocolateyを使用する場合:
    管理者コンソールで cinst -y nssm を実行します。

  • Zipファイルでインストールする場合:

    1. https://nssm.cc/download から(執筆時点での最新のpre-releaseバージョン) nssm-2.24-101-g897c7ad.zip をダウンロードします。
    2. 任意のフォルダ(例: C:\nssm)にZipファイルの中身を展開します。

Rclone mountをサービスとして登録する

  1. キーボードショートカット [Winキー]+[R] を押下します。
    「ファイル名を指定して実行」ダイアログに nssm install を入力してOKボタンをクリックします。
    (もしくは、PATHが通っていなければ c:\nssm\win64\nssm.exe install)

  2. ユーザーアカウント制御(UAC)の確認ダイアログで「はい」を選択すると、NSSM service installerのGUIウィンドウが開きます。

  3. 「Application」タブの入力項目に以下を設定します。

    • Path: c:\rclone\rclone.exe (rclone.exe のフルパス)
    • Startup directory: c:\rclone (rclone.exe の存在するディレクトリのフルパス)
    • Arguments: mount --log-level INFO --drive-chunk-size 64M --vfs-read-chunk-size 32M --vfs-read-chunk-size-limit off --vfs-cache-mode writes --volname "Crypt Google Drive" gdrive_crypt: X: (※)
    • Service name: RcloneMount (任意の名前)
  4. 「Log on」タブの入力項目に以下を設定します。

    • This account: を選択。
    • This account: (ログオンユーザー名)
    • Passwordの左側: (ログオンユーザーのパスワード)
    • Passwordの右側: (ログオンユーザーのパスワード)
  5. 「Exit actions」タブの入力項目に以下を設定します。

    • Delay restart by: 10000 ms
  6. 「Install service」ボタンをクリックして設定を完了します。

  7. キーボードショートカット [Winキー]+[R] を押下します。
    「ファイル名を指定して実行」ダイアログに services.msc を入力してOKボタンをクリックします。

  8. 「サービス」が起動します。
    「RcloneMount」を選択し、「サービスの開始」をクリックします。

  9. エクスプローラーで「X:」ドライブを開くと、暗号化ドライブにアクセスできます。

(※)Argumentsに指定したオプションの詳細

  • --log-level INFO
    ログレベルを設定します。
  • --drive-chunk-size 64M
    --vfs-read-chunk-size 32M
    --vfs-read-chunk-size-limit off
    リモートからの読み取りチャンクサイズを最適化します。
  • --vfs-cache-mode writes
    通常のファイルシステム操作をサポートするため、キャッシュモードを write に設定します。
  • --volname "Crypt Google Drive"
    ドライブのボリューム名を設定します。
  • gdrive_crypt:
    前章で設定した暗号化リモート名を指定します。
  • X:
    マウントポイントを指定します。ドライブまたはディレクトリパスを指定できます。
    既に存在するドライブまたはディレクトリは指定できません。