Chapter 01

第1章 はじめに

Hiromichi NOMATA
Hiromichi NOMATA
2025.03.20に更新

1.1 PyTorch とは何か

ゆっくり霊夢:
「みんな、こんにちは~。今日はPyTorchについてのお話をするよ。PyTorchはディープラーニングを簡単に実装できるライブラリで、直感的なコードが書けるのが魅力なの。」

ゆっくり魔理沙:
「そうだな。TensorFlowやJAXと比較すると、PyTorchは動的計算グラフを採用しているから、実験やデバッグが楽なんだぜ。まずは簡単な違いを見てみよう!」

1.1.1 主要なフレームワークとの比較

  • TensorFlow:

    • 静的計算グラフを基本とし、グラフ最適化が可能。
    • 大規模プロダクション向けのツール(TensorFlow Servingなど)も充実。
  • JAX:

    • NumPyライクな操作に自動微分が組み合わさったシンプルな設計。
    • 先進的な最適化や並列処理に強みがある。
  • PyTorch:

    • 動的計算グラフにより柔軟な実装が可能。
    • Pythonとの親和性が高く、デバッグや実験に最適。

1.1.2 PyTorch の特徴と強み

ゆっくり霊夢:
「PyTorchは、その直感的なコードと強力な自動微分機能で、研究から実装まで幅広く使われているの。例えば、こんなコードでテンソルを扱えるよ。」

import torch

# テンソルの生成
x = torch.tensor([1.0, 2.0, 3.0])
print("テンソル x:", x)

# 要素ごとの演算
y = x * 2
print("x * 2:", y)

ゆっくり魔理沙:
「さらに、GPU対応も簡単だぜ。次のコードで、CUDAが使えるかどうかチェックできるんだ。」

import torch

if torch.cuda.is_available():
    device = torch.device("cuda")
    print("CUDAが利用可能だぜ!")
else:
    device = torch.device("cpu")
    print("CPUで実行するぜ。")

1.2 本書の目標と学習の進め方

ゆっくり魔理沙:
「本書は、ハンズオン形式でPyTorchの基本から応用までを実際にコードを書きながら学ぶのが目的だぜ。」

ゆっくり霊夢:
「各章ごとにサンプルコードや実践例を豊富に掲載するから、読者の皆さんは自分で実際に動かしながら理解を深めていくスタイルになるわね。」

  • 学習の進め方のポイント:
    • サンプルコードを実際にコピペして動かしてみる
    • エラーが出たら、自分で考えながらデバッグしてみる
    • 理解を深めるために、コードの各部分を丁寧に読み解く

1.3 必要環境とインストール

ゆっくり霊夢:
「次に、PyTorchを始めるための環境構築について説明するよ。必要なのは、Python、Anaconda、そして(必要なら)CUDAなんだ。」

1.3.1 Python と Anaconda のインストール

ゆっくり魔理沙:
「まずは、Pythonがインストールされているか確認してみよう。ターミナルで以下のコマンドを実行だ!」

python --version

ゆっくり霊夢:
「もしPythonがインストールされていなければ、Python公式サイトからダウンロードするか、Anacondaを使って環境を整えるといいわ。」

ゆっくり魔理沙:
「Anacondaを使う場合、以下のコマンドで新しい環境を作ってみよう!」

# 新しい環境の作成
conda create -n pytorch_env python=3.8

# 環境のアクティベート
conda activate pytorch_env

1.3.2 PyTorch のインストール

ゆっくり霊夢:
「次に、PyTorchをインストールするわ。公式サイトのインストールガイドに沿って、環境に合わせたコマンドを使ってね。」

ゆっくり魔理沙:
「例えば、CPU環境の場合はこんな感じだ!」

pip install torch torchvision torchaudio

ゆっくり霊夢:
「GPU(CUDA)が利用できる環境なら、CUDAバージョンに合わせたインストールも必要だわ。PyTorchの公式サイトで推奨コマンドを確認してね。」

1.3.3 CUDA の確認

ゆっくり魔理沙:
「インストールが終わったら、以下のコードでCUDAが正しく認識されているかチェックするぜ!」

import torch

if torch.cuda.is_available():
    print("CUDAが正しくセットアップされているぜ!")
else:
    print("CUDAは利用できないようだな。CPUで実行するぜ。")

1.4 開発環境セットアップ

1.4.1 Google Colab の利用

ゆっくり霊夢:
「初めての方は、Google Colabを使うと簡単に始められるの。ブラウザ上でPythonコードが実行できるから、環境構築の手間が省けるわね。」

ゆっくり魔理沙:
「Google Colabでは、以下のセルを実行してPyTorchをインストールできるぜ!」

!pip install torch torchvision torchaudio

ゆっくり霊夢:
「また、ColabはGPUも無料で使えるから、GPUが必要な実験も手軽にできるの。ノートブックのメニューから「ランタイム」→「ランタイムのタイプを変更」でGPUを選んでね。」

1.4.2 ローカルGPU環境の構築

ゆっくり魔理沙:
「自分のPCでGPUを使う場合は、CUDAドライバやNVIDIAのツールキットのインストールが必要だ。これも公式サイトの手順に従おう!」

ゆっくり霊夢:
「基本的な流れは以下の通りよ。」

  1. NVIDIAの公式サイトからCUDA Toolkitをダウンロード・インストール
  2. cuDNNのダウンロード(NVIDIAの開発者登録が必要)
  3. インストール後、環境変数を正しく設定

ゆっくり魔理沙:
「インストールが完了したら、再度以下のコードでCUDAが使えるか確認しよう!」

import torch

print("PyTorchバージョン:", torch.__version__)
print("CUDA利用可能:", torch.cuda.is_available())

まとめ

ゆっくり霊夢:
「今回は、PyTorchの基本的な概念と、環境構築の手順について、ゆっくり霊夢と魔理沙が解説したわね。」

ゆっくり魔理沙:
「次回は、テンソルの操作や自動微分など、もっと具体的なコード例を交えて進めるぜ。みんな、しっかり環境を整えておいてくれよな!」