本チャプターの内容
最初の一歩として、LEDを使ったシンプルな出力から始めましょう。
このチャプターではパーキングブレーキの状態をLEDで表示することを題材に、シンプルな二値(ON/OFF)の出力を学びます。
完成イメージ
パーキングブレーキがONの時にLEDは点灯し、OFFの時は消灯するような動作です。
準備するもの
回路図
Arduinoと準備した電子部品を以下のように接続します。
回路図で表すと、このようになります。
MobiFlightの設定
最初のチャプターなのでMobiFlightの使い方も含めてスクリーンショット多めで解説します。
MobiFlightでは大きく分けて2つの設定をします。
- デバイスの設定
MobiFlightではLEDやスイッチなどの電子部品を「デバイス」と呼びます。
MobiFlightの設定では最初にArduinoにどのデバイスがどのように(どのピンに)接続されているか」を設定します。 - フライトシミュレーターとデバイスのマッピング
デバイスの設定が完了したら、そのデバイスにフライトシミュレーター内のどの項目(今回はパーキングブレーキの状態)を表示するかをマッピングします。
この2つによって、どのようなデバイスがArduinoに接続されており、そのデバイスにフライトシミュレーター内のどのような情報を出入力するかを設定します。それでは具体的に設定をしていきましょう。
デバイスの設定
- MobiFlight Connectorを起動してメニューバーから
Extras
→Settings
をクリックします。
-
Settings
画面が表示されます。MobiFlight Modules
タブを開くと現在接続されているMobiFlightボードがリスト表示されます。
- デバイスを追加したいMobiFlightボードを選択して
Add device
→LED/Output
をクリックします。
- ボードに選択したデバイスが追加されます。今回は8番ピンにLEDを接続するので
Pin settings
を8
にセットします。
-
デバイスの変更をしたら必ずボードに変更した内容を書き込む必要があります。ボードリスト下のアップロードアイコンをクリックしてデバイス設定をアップロードします。
- アップロード完了画面が出るまで待ちます。アップロードが完了したら
OK
をクリックしてSettings画面を閉じ、ホーム画面に戻ります。
フライトシミュレーターとデバイスのマッピング
- ホーム画面で「Double-click row to ~」と記載がある部分をダブルクリックして
Parking brake
と入力します。
-
Parking brake
マッピングが作成されたので、edit列の...
をクリックします。
- ConfigWizardが表示されます。
Sim Variable
タブでSelect Preset
をBRAKE PARKING INDICATOR
を選択します。
通常Select Presetの選択肢は膨大にあるのでFilter Preset List
の検索条件を使用して機種で絞り込んだり、フリーワード検索をします。
- ConfigWizardの
Display
タブに移動して以下の設定をします。
Test
をクリックすると接続したLEDが点灯します。正常に点灯したらOK
をクリックしてConfigWizardを閉じます。
- ホーム画面でマッピングを作成した
Parking brake
のActive
にチェックを入れてしてTest
ボタンをクリックします。
LEDが画面の表示に合わせて点滅します。これでMobiFlightの設定は完了です。
実行
- MSFS2020を起動します。
- MSFS2020が起動していればMobiFlight Connectorの
Run
ボタンがクリックできるようになるので、Run
ボタンをクリックします。
- MSFS2020で適当なフリーフライトを開始します。
- 航空機のパーキングブレーキを画面上でON/OFFし、LEDの点灯/消灯が連動することを確認します。
まとめ
これでON/OFFの二値をLEDで表示できました。
最もシンプルな出力でしたが、今回のパーキングブレーキだけではなくギアの状態やストロボ灯インジケーターなど様々な部分に応用可能です!
コラム
出力を反転させたいときは?
今回はパーキングブレーキがONのとき、LEDもONになるような動作をしました。
ではパーキングブレーキがONのときにLEDをOFFに、パーキングブレーキがOFFのときにLEDをONにするにはどうすればよいでしょう。
この設定を追加するにはマッピングを設定したConfigWizard
画面のCompare
タブでComparation Settings
を設定します。
具体的には以下の画像の通り、パーキングブレーキの状態(current value)が1(ON)ならLEDへの出力を0(OFF)、それ以外のときはLEDの出力を1(ON)になるようにします。