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Ubieアクセシビリティ振り返り2023

2023/12/14に公開

こんにちは。Ubie株式会社でデザインエンジニアをしているtakanoripです。

今回は2023年のUbieでのアクセシビリティ活動を振り返っていきたいと思います。今年はあまり活動できてないなあと思ったんですが、意外と色々やってました。

障害を持つ方へのユーザビリティテストの実施

これは去年の年末から進めていたものですが、課題探索のためのユーザビリティテストを実施しました。視覚障害の方だけでなく、身体に何らかの障害をお持ちの方にインタビューさせていただき、ユビーをより使いやすくするためのヒントを得ることができました。(プライバシーの観点から具体的な内容を書くことは控えます。)

アクセシビリティというと視覚障害やスクリーンリーダー関連の話題になることが多いですが、それ以外にも改善できる部分は多くあるなという気付きが得られてとても良かったです。インクルーシブデザインっぽい取り組みだったのかな?来年はもう少し多くの人を巻き込んで、この取り組みを広げていけたらと思います。

アクセシビリティチェックの実施

freeeさんが公開されているアクセシビリティチェックリストをもとにプロダクトのアクセシビリティチェックを実施しました。昨年もアクセシビリティチェックを実施し改善をしたのですが、1年経つと変化している部分も多いので改めてアクセシビリティチェックを実施しました。

結果は、いくつか中程度の問題が発見されてしまいました。
機械的なチェックは行っているのですが、やはりそれだけではカバーしきれない問題があるなと痛感しました。Ubieでは開発フローにアクセシビリティチェックの仕組みを導入できていないため、定期的にこういったチェックを行い後追いで改善してくことが必要だなと感じています。

markuplintの導入

これまで eslint-plugin-jsx-a11y を活用して機械チェックを行っていましたが、マークアップ部分のチェックを強化するために markuplint を追加で導入しました。
https://markuplint.dev/ja/

社内浸透方針の変更とデザインシステムの再構築

Ubieではもともとアクセシビリティチェックを開発フローに組み込もうとしていました。アクセシビリティチームだけが頑張るのではなく、自律的にアクセシビリティチェックが運用されアクセシブルなプロダクトが作られる仕組みを構築したいと考えていました。

しかしアクセシビリティチェックを開発フローに組み込むことを諦めました。諦めた理由は大きく3つあります。

  1. 事業拡大にともなって様々なレビューやチェックが運用されており、これ以上チェック項目を増やすことは開発生産性を下げると判断したため。(開発生産性を下げてまで対応するべき理由を見つけられなかった。)
  2. 社内にアクセシビリティ関連Issueを正しく優先順位付けできる人材が不足しており、チェックで出たIssueをどこまで対応すべきか判断するのに時間がかかってしまうため。
  3. デザイナーやエンジニアのアクセシビリティに対する理解が低く、適切にレビューが実施されないことが多くあったため。

このままではすべてが中途半端になってしまう恐れがあったため、「デザインシステムを再構築、浸透させることでプロダクトをアクセシブルにする」という方針に切り替え、アクセシビリティ改善はデザインシステム開発の中に組み込んでやっていくことになりました。

ということで現状はアクセシブルなコンポーネントの開発とその普及、アクセシビリティテスト環境の構築などに取り組んでいます。デザインシステムについては別の記事で詳細を書く予定です。

アクセシビリティカンファレンス福岡のブロンズスポンサー

アクセシビリティカンファレンス福岡にブロンズスポンサーとして協賛しました。
いろいろな人の熱量が感じられる良いイベントだったなと思います。
アクセシビリティカンファレンス名古屋も楽しみにしています。
https://fukuoka.a11yconf.net/
https://x.com/FukuokaA11yconf/status/1723247594116415623?s=20

アクセシビリティイベント開催

12月4日にUbie主催のイベント「アクセシビリティ改善 社内浸透の壁、どうやって乗り越える?」を開催しました。
https://ubie.connpass.com/event/301022/

Ubieでは社内での浸透活動がうまくいかないという課題を抱えており、解決の糸口を探すためにこのイベントの開催を決めました。また世の中にある事例の多くがSaaS企業のもであり、toCサービスを提供している会社のアクセシビリティ活動の事例がなかなか世の中にないことに不満があったため、今回は同じ悩みを抱えていそうなnoteさん、YAMAPさんに参加していただきました。

アクセシビリティあんまり取り組んでない人との座談会という風変わりなイベントでしたが、参加してくれた人たちからはとても良いイベントだったと言ってもらえて嬉しかったです。あとエンジニアやデザイナー以外の人たちもけっこう参加してくれていて、それも嬉しかった。おそらくfreeeさんがプレスを出してくれたからだと思うので、大変感謝しています。

来年同じ切り口で参加者を少し変えてイベント開催できたらと思っているので、よろしくお願いします。

2024年の展望

2024年も少しずつ継続して活動していけたらなと思ってます。いきなり成果を求めると難しいので、サイドプロジェクトって感じでゆるく進めていくつもりです。
2024年中には答えは出ないと思うけど、「アクセシブルであることが価値になるプロダクトデザイン」を考えていきたいなと思っています。

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