NEWTのアジャイル開発における品質保証 〜「プロダクトゴール」をチームで目指すための歩み〜 | 令和トラベル
NEWTのアジャイル開発における品質保証
こんにちは!令和トラベル QA Enginner 兼 Engineering Managerの miisanです。
この記事では、2024年3月26日にオンライン・オフラインにてハイブリッドで開催された第6回NEWT Tech TalkのLTの中で発表した登壇内容について紹介します。
Tech LT会とは
今回のLT会は、”品質保証とアジャイル開発 ~エンジニアリングの最前線~”と題し、2024年4月でリリースから2周年を迎えた海外旅行アプリ『NEWT(ニュート)』の事例をふまえ発表しました。
今回の発表内容について
NEWTのアジャイル開発における品質保証 〜「プロダクトゴール」をチームで目指すための歩み〜
Outline
- アジャイルクオリティについて
- アジャイルテスティングとは
- プロダクトゴールに向けて
- Quality Culture
- 「プロダクトゴール」をチームで目指すための具体的な取り組み
- NEWTの成果
- アジャイルテスティングにおいて大切なこと
- 令和トラベルで大切にしていること
- 品質とスピードはトレード・オンできる
- 次に目指すこと
要点まとめ
アジャイルクオリティについて
- 私たちがサービスを提供する上で大切なことは、お客さまにより早く、より確実に、より良いサービスを継続的に届けること
- 迅速なデリバリーと品質保証を両立させるものこそ、アジャイルクオリティ
アジャイルテスティングとは
- アジャイルクオリティを実現するためには、アジャイルテスティングという考え方も重要
- アジャイルテスティングでは、テストすることを最後のフェーズで行うゴールキーパー的な役割でなく、ずっとテストし続けることが可能な状態を目指す活動
- 開発プロセスの各段階でテストを組み込み、品質を保証することが目的となる
- 「ずっとテストし続ける」状態を実現するためには、開発チーム全員で品質を高める活動をする必要がある
プロダクトゴールに向けて
Quality Culture
- 「品質」が「スピード」をつくるという考え方
- 品質とスピードは天秤にかけられる対象になりがちだが、この二つは相反するものではないと信じ、NEWT開発では向き合ってきた
「プロダクトゴール」をチームで目指すための具体的な取り組み
【チームや役割の垣根を超え、あらゆるフェーズで品質を高めるためにやってきた取り組み例】
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品質についての理解を全員で揃える : 入社者へのQAオンボーディングの実施、品質の言語化
- "品質"という抽象度の高いものだからこそ、みんなの共通概念に変えるために、品質について言語化できる状態を目指している
- 品質は曖昧だからこそ、「私たちのサービスは、なにを良いもの」として、「なにを目指そうとしているか」わかっている状態を作ることが重要
- その上で、新しいメンバー全員に品質との向き合い方やQAチームの役割について、オンボーディングカリキュラムの一部として実施している
- 参考:“品質”をみんなのものにするために行なっている入社者オンボーディング
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仕様検討から漏れを減らす : Product MTGを毎週開催し、プロダクトメンバーですり合わせ
- 仕様検討段階で仕様考慮漏れを減らすために、毎週すり合わせる場を設けたり、読み合わせ会をすることで認識を揃える
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カスタマー体験の認識合わせ : デザインコンセプト・ガイドラインの型化
- デザインやプロダクトのガイドラインなど雛形となるものを作り、一定のアウトプットを誰でも作れる状態を目指す
- 参考:一貫したUXをつくるためのプロセス
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実装時の要件漏れを減らす : Figmaの更新プロセスやドキュメントの更新
- SpecやFigmaの更新方法なども工夫しながら運用中
- 参考:「Figma」の運用方法
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開発者自身で問題に気づく : Sanity testの導入、開発者QAプロセスとチェックリスト
- はやい段階でアウトプットの質を上げるために、健全性テストやQAチェックリストなどを取り入れ、初期品質を高めるフローを導入
- 参考:初期品質向上のためのQA目線での取り組み
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コーディングの品質を担保する : PRレビュー、E2Eテスト
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チームで体験に責任を持つ : Dog Fooding・プロダクトおさわり会を開催
参考:スケーラブルで生産性高いチームをつくるための取り組み -
リリース後体験の満足度を確認する : 品質に関する健康状態を可視化し、モニタリングする
- 様々な取り組みによる改善によって、効果があったのか計測可能な状態へ
- 品質状態を可視化し、日々モニタリングすることで、定量的なフィードバックをチームに還元する
- さらにプロダクトゴール達成に向け、新しい改善策をチームで取り組み続ける
- 参考:QA組織を立ち上げ、QA文化を築いてきた1年間を振り返る
NEWTの成果
- チーム目標に定めている障害発生率を達成
- 障害発生率は目標数値を達成しながら、プロダクトの累積リリース案件数は順調に伸び続け、高い生産性を維持
- 結果として、サービス全体の売上の急成長にも寄与することができた
アジャイルテスティングにおいて大切なこと
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スピードだけを優先させることで失われる損失を考える
- サービスが競合する昨今、一度失った信頼は取り戻すことが難しい
- 一度離れてしまったカスタマーと再度信頼関係を結ぶことは難しい
- 問題が見つかってから対応するやり方では、信頼を毀損する恐れがある
- 本番で問題が起きると、当然優先度は高くなり、多くの関係者が本番障害の対応に追われることになる。結果的に、新たな価値作りの時間が奪われてしまう
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”良いもの”を届け続けること = カスタマーとの信頼関係
- 良い品質、価値のあるサービスを提供することが、プロダクトや会社の強みとなる🔥
- 価値提供を継続的に届けるためには、カスタマーニーズや時流の変化にも柔軟に対応するアジャイルな対応が必要となる
- はやいスピードでニーズに応えるために、継続的なテストや早期に問題を検知できる仕組みなどを作る必要がある
令和トラベルで大切にしていること
- 品質とスピードはトレード・オンできる
- じっくり時間をかけていいものを作るのではなく、迅速にカスタマーニーズを捉え、良いものをアウトプットし続けることにトライし続けることがチームのミッション
- 実際、ここまでのNEWTは生産性を高めながら、高品質を維持しながらサービスを提供することができた
- 次に目指すこと
- これまでは、ゼロイチフェーズで、まずは足りない機能・体験を作り出すフェーズだったため、アウトプットを量産することで価値につながっていた
- これからは、これまで以上に多様なニーズに応えられるように、より緻密な分析からカスタマーのニーズをとらえ、より重要度が高く、非連続な成長曲線を描くようなサービス提供が求められるフェーズへ変化する
- アウトプットの数ではなく、カスタマーに届いた価値によって、プロダクトの価値を評価していく
- アウトカム向上のために、チーム全員が良質な仮説を持ち、より優先度の高い課題を解消し、検証していく
参考資料
当日の様子や発表内容を見たいという方は、こちらから視聴可能です!
ぜひ詳細が気になった方は、Youtubeにて動画をご確認ください👀
おわりに
LT会のおしらせ
5/28(火)に、NEWT Tech Talk vol.8が開催されます。
今回はNEWT Tech Talk初テーマとなる、「エンジニアリングマネジメント」を取り上げます!
プロダクト開発を進化させるための、EMケーススタディをご紹介します✍️
令和トラベルでは一緒に働く仲間を募集しています
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それでは次回のブログもお楽しみに!Have a nice trip!!
令和トラベルのTech Blogです。 「あたらしい旅行を、デザインする。」をミッションに、海外旅行におけるあたらしい体験や、あたらしい社会価値の提供を目指すデジタルトラベルエージェンシーです。海外ツアー・ホテル予約アプリ「NEWT(ニュート)」を提供しています。(NEWT:newt.net/)
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