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決済手段にコンビニ支払いを追加した裏話

2023/05/10に公開

コンビニ支払い追加の裏話

こんにちは、READYFORでプロダクトマネージャーをやっているまっきー(@Pod0_carp_us)です😁

先日2023年5月9日にREADYFORはコンビニ支払い機能をリリースしました!🏪

https://corp.readyfor.jp/news/20230509

そこで、今回はそのプロジェクトの裏側の話をご紹介しようと思います!
(言える範囲で!🤫)

想定している読者

  • 決済手段の追加を検討しているプロダクトマネージャー
  • クラウドファンディング業界の方、業界に興味のある方
  • 決済手段が増えるときにどんなことを考慮すればいいか知りたい好奇心旺盛な方
  • まきがどんな仕事をしているか知りたい物好きな方

そもそもなぜコンビニ支払いを追加したのか

READYFORのプロダクト開発チームのミッションのうち、私が担当しているのは、支援者さんの支援体験を向上させて、サイト内の総流通額を最大化させることです。

支援者さんが支援にいたるまでにどこで詰まるかをさまざまな観点から研究・改善しているのですが、その中でもよく話題に上がるのが決済手段の追加でした。

支払い方法
READYFORにはこれまで決済手段が2つしかなかった

よくご要望をいただくこともありますし、
以下の表の通り、競合サービスと比較しても、だいぶ劣っている背景もあります。

サービス クレジットカード 銀行振込 コンビニ キャリア決済 FamiPay Paypal 楽天Pay PayPay au Pay
READYFOR 🆕
競合A
競合B

クレジットカードと銀行振込という2つの決済手段では、これまで以下のような課題がありました。

そういった若年層の方々や、ITリテラシーがあまり高くない方たちへの第3の決済方法としてコンビニ支払いは有用でした。🏪

PayPayも検討したが...

ただし、今回オンライン上で完結するPayPayのような決済手段も検討しました。
実際に、PayPayを導入してほしいという実行者さんの声が届くこともあります。

しかし、PayPayには2つのハードルがありました。

①寄付型のプロジェクトに対して使えない

PayPayは残高の種類によって寄付には利用できないルールになっています。
https://paypay.ne.jp/notice/20200424/02/

こちらの背景には、法律上の根深い要因があるようです。
(難しい話ですので詳しくは弊社CLO草原まで😇)

弊社はソーシャル領域のクラウドファンディングを得意にしているため、寄付型に対応している必要性は他社に比べて高まります。

②仮決済期間が30日と短く制限されている

https://integration.paypay.ne.jp/hc/ja/articles/4414061835535

クラウドファンディングには主に「All or Nothing」と「All in」という2つの資金調達方式があります。

All or NothingとAll in
All or Nothing と All in の違い

All or Nothingのクラウドファンディングでは実際に決済が走るのはプロジェクトが目標金額を達成したときです。

そのときまでは仮決済という決済額を予約した状態になります。
プロジェクトの募集期間中は、目標金額に達成するかわからないので、この状態を保持する必要があります。
また、募集期間は原則として最大60日になります。

しかし、PayPayではこの仮決済期間が原則、最大30日という制約があり、募集終了間際の30日間しかPayPayを使えないことになってしまうため、優先度を下げることとしました。

仮決済期間
クラウドファンディングでは仮決済期間が長めに必要なことが多い

色々と要因はありますが、何といっても、ECサイトでの決済手段としてコンビニ決済はクレジットカード、銀行振込に次いでポピュラーだったことが決定打となり、導入を決定しました。

入金期限へのこだわり

今回の仕様の中で最もこだわりがあるポイントは何かと言われたら、入金期限だと思います。(迷いますが)

こちらのツイートで書いていたことをわかりやすく書きたいと思います。

https://twitter.com/pod0_carp_us/status/1656063553802244096?s=46&t=w3NynWvyklqI-LhwWXC3dA&conversation=none

銀行振込では入金期限が原則募集終了から7日後までとなっています。

支援の募集期間は最大60日なので、募集開始日に支援申し込みした場合、67日間入金期間があることになります。

しかし、この長さゆえに、在庫制限のあるリターンで、支援申し込みがあったにも関わらず最終的に入金がなく、人気のリターンにも関わらず支援がキャンセルとなり、支援がなくなるということが稀にあります。

これはリターンを準備する実行者さんにとっても、
それを楽しみにしている他の支援者さんにとっても、
プラットフォームの我々にとっても悲しいことです😭

これを防ぐため、コンビニ支払いでは原則、支援申し込みから7日後までを入金期限としました。

入金期限
銀行振込の入金期限は長すぎて問題が起きることがある

これならば、期限が切れることで在庫が解放されるので、空の支援になることを防げます。

今後、銀行振込の入金期限を同様に短くすることも検討していますが、企業からの支援の場合、社内手続きに時間がかかるなどの事情があるため、銀行振込の入金期限変更は慎重に行う必要があると考えています。

コンビニのチェーンごとの違いがややこしい

こちらで書いたことを説明します。

https://twitter.com/pod0_carp_us/status/1656064608111824896?s=46&t=w3NynWvyklqI-LhwWXC3dA&conversation=none

今回使えるようになったコンビニチェーンは以下の3つです。

  • ファミリーマート
  • ローソン
  • ミニストップ

コンビニチェーン選択画面
コンビニチェーンの選択画面

ミニストップにはLoppiが導入されているのでローソンと仕様がほぼ同じなのですが、ファミリーマートとローソン・ミニストップでは大違いです。

ファミリーマートでは第1番号(5桁)と第2番号(12桁)が必要ですが、
ローソン・ミニストップではお客様番号(11桁)と確認番号(4桁)が必要です。

また、以下に記載があるとおり、ファミリーマートのマルチコピー機と、ローソン・ミニストップのLoppiの操作方法は異なります。

チェーン 必要な情報 操作端末
ファミリーマート 第1番号(5桁)と第2番号(12桁) マルチコピー機
ローソン お客様番号(14桁)と確認番号(4桁) Loppi
ミニストップ お客様番号(14桁)と確認番号(4桁) Loppi

私もよくライブの料金支払いをコンビニでやるのですが、その度に「どうやるんだっけ?」となってしまいます

コンビニ支払いも慣れないと難しいですよね…😇

できなかったこと・今後の展望は夢いっぱい

こちらで書いたことを説明します。

https://twitter.com/pod0_carp_us/status/1656065693257977856?s=46&t=w3NynWvyklqI-LhwWXC3dA&conversation=none

今回、とにかくなるべく早くコンビニ支払いを追加することを目指して開発を行いました。

その中で目をつむった部分はたくさんあります。

①返金先口座を入力する必要がある

クラウドファンディングのAll or Nothingという概念は馴染みのない方には非常にわかりづらいものです。

仮決済期間のところで説明しましたが、
目標金額に達しなければ、実行者さんは資金を得ることができません。

All or NothingとAll in
All or Nothing と All in の違い

その場合、READYFORから支援者さんにいただいた支援金を返金することになるのですが、
そのときに使うのが返金先口座です。

返金先口座入力画面
返金先口座の入力画面

しかし、上記の仕組みが頭に入ってないと、
「自分がお金を払うのになんで返金先口座を入力するんだろう?🤔」
「いつ使うんだろう?🤔」
という疑問がわいてしまいます。

もちろんページ上に説明の記載はあるのですが、
説明文を読んで理解するというのは他人が思う以上に手間がかかることで、
これが面倒で支援をやめてしまうことも多くあります。

また、All inという仕組みでは、上記とは違ってすべての支援金を実行者さんは得ることができるので、イレギュラーケースでプロジェクトが中止になったりしなければ、返金先口座はそもそも必要ないのです。

この「必要性の理解」というドロップポイントに加えて、
「自分の銀行口座を覚えていない」ということも起き得ます。

このような不要なドロップを防ぐため、返金先口座は支援申し込みとは異なるタイミングで入力してもらうことが望ましいのですが、
今回はクイックにリリースするため、既存の銀行振込の仕様に合わせて支援申し込み時の入力を必須としました。

②ご本人様情報を支援申し込みの度、入力する必要がある

ご本人様情報というのは、氏名とカナ、電話番号で、これはコンビニ側に提供する情報として必須です。

ご本人様情報入力画面
ご本人様情報の入力画面

過去に入力したことがあれば自動入力して、次回以降入力をスキップできるようにしたいのですが、今回はクイックなリリースをするためにドロップしました。

③セブン-イレブン、セイコーマートが使えない

コンビニチェーン最大手のセブン-イレブンが使えないことは初期リリースにおいて気になる大きな負い目の1つです。

コンビニ支払いはチェーンごとに審査を通すのですが、今回はタイミングの関係で間に合いませんでした。

日本では基本的にセブン-イレブンが近くになくてもファミリーマートやローソンがあることが多いと思うのですが、
特に北海道ではシェアNo.1がセイコーマートであり、2番目に多いセブン-イレブンもないというのは道民の皆様に申し訳ないです🙇

弊社では以下の北海道コンサドーレ札幌さんのような北海道の実行者の方も多いため、気になっています。

https://readyfor.jp/projects/consadole2022-2023

今後の追加をお待ちください🙏

他には、もちろん第4、第5の決済手段を何か追加することも考えています!
次の決済手段は何になるのか、私自身ワクワクしています😆

やりたいことは本当にたくさんあるのですが、コンビニ決済にまつわるものを一部ご紹介しました。

以上、コンビニ支払い追加プロジェクトを行った裏話でした!

コンビニ支払い追加の裏話

今後もREADYFORはご利用の皆様の体験を向上させる改善を行い、想いの乗ったお金の流れを増やしていきます✊

お楽しみに!

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