「空振りをし続ける」技術広報活動の環境整備

2024/04/29に公開

「ビットキー知ってます!〇〇カンファレンスにスポンサーされてましたよね!」
「この前ビットキーの方が登壇してるのみました!」
「あー、あのスマートロックのとこ!」

初めまして!株式会社ビットキーで技術広報活動を担当しているパウリです!
一昨年あたりからビットキーは技術広報活動に力を入れており、私が参画した2023年5月からさらにその活動量は増加しました。
その結果として、ありがたいことにスカウト返信や面談の際に、冒頭のような反応をいただけるようになってきました😊
本記事では事業会社において、技術広報活動の中で重要だと思った 「空振りをし続けること」 についてまとめてみました。

はじめに

いかに自社の技術力が優れていても、適切な広報が伴わなければその価値を知ってもらうことは難しいでしょう。
ここで重要な役割を果たすのが 技術広報活動 です。
技術広報は、ただ製品を宣伝するだけではなく、エンジニアリングの情報で自社と世の中のエンジニアを橋渡しをする重要な役割です🤝
この例としてテックブログの投稿、イベントのスポンサー活動、勉強会の開催やコミュニティ活動などが含まれます。
つまり世の中のエンジニアに自社を認知してもらう活動です。

しかし、この活動は短期間での成果が目に見えにくく、
「毎週ブログを更新してるのに、効果を感じられない!」
「あのカンファレンスへスポンサーをしたけど、果たして効果はあったのか...?」
「このまま続けててもいいのかな...😭」
と、日々の努力が 「空振り」と感じられる ことも少なくありません。
この記事では、採用を目的とした技術広報活動と、見えない成果の中で見出した「空振りしても続けること」に焦点を当てます。

「空振りをし続ける」ための環境整備

ここでいう「空振りをし続ける」とは、上記のような技術広報活動を短期的に効果が見えなくても持続することを意味します。
また、どの「効果」への比重を高めるかは企業によって様々ではありますが、概ね認知獲得の先にある「採用」の「数#️⃣」や「コスト💰」が重要視されております。
以下ではこの効果を出すための環境整備について記します。

1. 企業として投資する予算を獲得する💰

まずは動くための費用を確保します。
技術広報を推進するためには、継続的な人的資源の投資をしたり、自社が用いている言語、技術領域などのコミュニティイベントへスポンサー(支援)をすることが必要です。
そのために自社が利用している言語やフレームワーク、ツールや、力を入れている技術領域などのキーワードからコミュニティイベントやカンファレンスをへのスポンサー計画を立て、年間でどれくらい投資すると良いかを算出します。

その予算を獲得する際に、 何をKGI/KPIに置くか を聞かれることもあるかと思います。
結論から言うと、この活動への投資対効果は変数が多いことから出しづらいため「KPIを設定しない」方が仮説検証のサイクルを回す上で何かと良いです。
しかし、それでは納得していただけないと思うので、もし設定するとしたら転職エージェントへの成功報酬との投資対効果の比較スカウト返信〜採用決定数などを設定するのが落とし所でしょう。
本来、技術広報活動として定数的に管理(コントロール)できるのはカンファレンスへのスポンサー数や自社・共催イベント実施数くらいです。
ここから「世の中のエンジニアへの認知獲得数」を計測・最大化するために施策を練るわけですが、上記ではその先の「興味」の引きつけから「採用」(下図参照)と言う変数に変数を欠けたような数値の設定となるため、コントロールのできない数を設定することになります。

採用ファネルを活用して採用活動を成功させよう! プロセス別のアプローチ方法やポイントを解説より

イベント実施数から得られる認知獲得数やから面談数、採用決定数とそれっぽい係数をかけてそれっぽい目標値を設定することも可能ではありますが、この数値を管理することに目が入ってしまい、重要な行動(仮説検証)数が減ってしまっては元も子もありません。
予算獲得の落とし所として、先述の内容が参考になれば幸甚です🔍

2. 技術広報の種となるプロダクト開発環境を改善する⏫

技術広報活動をするためには、その技術を振るう土台が必要です。
この土台として(個人開発の情報を発信することもありますが)企業として技術広報活動をするのであれば事業・プロダクト開発での経験が発信する情報の主となるため、プロダクト開発における開発者体験をいかに継続的に良い状態に改善するかが、直接技術広報の量と質に影響します。
技術的負債が塩漬けにされ、技術的な挑戦をする余裕もなく、キャリア形成もままならない環境で良いアウトプットにつながらないことは容易に想像がつくかと思います。
そのため、まず自社プロダクト開発の現状を俯瞰し、持続的な技術広報活動のために何を改善すれば良いのか提言(時には推進)してみましょう。
またもし問題点がわからない際は、エンジニア組織のマネージャーに相談するなどして現状の理解に努めると良いでしょう。


良いスイングは良いバッターボックスから

3. 社内で支援者を探す🤝

技術広報活動を支えるためには、多くの場合社内の技術者が協力することが前提となります。
10名程度までの開発組織であれば、1人で全ての技術領域を把握しつつ自身のみで技術広報活動ができるかもしれませんが、先述したような活動を1人で続けることは体力的に厳しいです。
また扱う技術や領域が多様化したり、より技術広報活動の結果を最大化したくなった際には1人で続けることが難しくなってきます。
そのため、いかに自分だけでなく自社の技術者と協力関係を結ぶかは、この活動を継続していくために重要な要素となります。

組織内で技術広報活動を実施する際に、技術広報活動をする意義を説明することも重要なのですが、その活動に協力する個人として何のメリットがあるのかを提示することも重要です。
これは「単純に楽しいから」「自分の市場価値が上がるから」など利己的な目的であっても良いです。
むしろ私個人としては、「利己的な目的への手段」として「技術広報」という活動が選択肢にあることに気づいてもらうことが重要であると考えています。
まずはどのような活動があるのかを提示し、その活動をしやすくする環境を整え、できる時に可能な範囲で協力していただけるような状態にしておきましょう。


開発現場のことを一番知っているのは開発者

まとめ

技術広報活動は、短期的な成果よりも長期的な視野で価値を見出していくことが重要であり、一朝一夕で効果が出るものではありません。
そのため予算獲得や目標設定、社内の理解浸透など多くの課題がありますが、常に上記のように どこが技術広報活動のボトルネックになるか? を考え、この環境整備をすることで効果を高めていきましょう。
これからも、空振りを恐れずに、持続可能な技術広報活動を推進していきたいと思います。

さいごに

記事内では言及しませんでしたが、技術広報は短期的な成果が目に見えにくい活動ゆえに人によっては、理解を得られなかったり、孤独だったり、焦燥感に駆られたりと精神的な負荷もかかります。
運の良いことに(?)「DevRel Guild」という技術広報活動をしている方が集まるSlackでは、日々この活動の情報交換や悩みの相談、議論が活発に行われています。
もし、今1人で悩んでいる方がいたらお気軽にパウリのXまでご連絡ください。

参考

Bitkey Developers

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