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世界各国のサイバー能力を比較してみよう

2021/09/13に公開約2,600字

はじめに、各国のサイバー能力をスコア化した2つの信頼性の高い最新データを使い、世界と日本のサイバー能力を比較してみましょう。

2つのデータとは、ハーバードケネディスクールのベルファーセンターが発表した「国家サイバーパワー・インデックス(National Cyber Power Index, NCPI)」と、国際連合の専門機関である国際電気通信連合(ITU)が発表した「グローバル・サイバーセキュリティ・インデックス(Global Cybersecurity Index, GCI)」のことです。

世界のサイバー能力ランキング
ベルファーセンターの「国家サイバーパワー・インデックス(NCPI)」で日本は9位にランキング、ITUの「グローバル・サイバーセキュリティ・インデックス(GCI)」では7位にランキングしています。

サイバー能力インデックスといっても、2つの指標の測定項目は大きく異なっています。「国家サイバーパワー・インデックス(NCPI)」では、サイバー攻撃力や監視力、情報統率力、諜報力などの国家的サイバーパワーに焦点を当てているのに対し、「グローバル・サイバーセキュリティ・インデックス(GCI)」ではサイバーセキュリティ分野のみに特化してスコアリングを行っており、攻撃力や監視力は対象外となっています。

日本のサイバー能力の強みと弱みはなに?
それでは、日本のサイバー能力のランキング位置がわかったところで、インフォグラフィックを使って、日本のサイバー能力の強みと弱みについて明らかにしていきたいと思います。

「国家サイバーパワー・インデックス(NCPI)」は、7つの国家目標に照らし合わせて30カ国のサイバー能力を測定するもので、32の意図指標と27の能力指標を用いています。NCPIでは、政府の戦略、防御と攻撃の能力、資源配分、民間部門、労働力、イノベーションを測定します。

NCPIは、「サイバー手段を用いて複数の国家目標を追求する意図」と「それらの目標を達成する能力を持つ国」を包括的なサイバーパワーとしてランキングしています。各国がサイバー手段を用いて追求する7つの国家目標とは、以下の項目からなります。

監視力:国内グループの監視とモニタリング
防御力:国家のサイバー防衛力の強化と充実
情報統率力:情報環境の制御と操作
諜報力:国家安全保障のための外国諜報収集
商業性:商業的利益または国内産業の成長の促進
攻撃力:敵国のインフラと能力の破壊もしくは無効化
模範性:国際的なサイバー規範と技術基準の策定
ランキングトップの米国は、すべての指標が全方位的に高く、2位の中国は防御力を強みとして、その他の項目でもバランスの良い高スコアを記録しています。3位のイギリスは、諜報力の高スコアが特徴となっており、オランダ、フランス、ドイツのヨーロッパ諸国では、防御力と攻撃力が均衡の取れたスコアとなっています。4位のロシアは、攻撃力が突出しているのが特徴的です。

9位にランキングした日本においては、防御力が最も高く、監視力、模範性が続き、商業性、情報統率力、諜報力、攻撃力は低いスコアとなっています。

日本は、憲法の制約により、攻撃的なサイバー能力を持つことは難しく、諜報力に関しても、国民やメディアの反発に配慮して、装備するのが困難な状況です。一方、eコマースの浸透などの商業性については、ヨーロッパや東南アジア諸国と横並びとなっています。

これらのことから、日本のサイバー能力はサイバーセキュリティの面では評価を受けながらも、国家的なサイバー戦略については、超えられない壁があることが伺えます。

NCPIの、国家目標を追求する「意図」と目標達成「能力」の関係性について見ていきましょう。

日本は「能力」的には高い監視力を持ちながらも、同項目の「意図」のインデックスを見るとかなり数値が低くなっています。また、攻撃力に関しても、「能力」が「意図」を上回る結果となっています。

中国とロシアが、監視力と情報統率力に高い能力と高い意図があり、米国は情報統率力に最も高い能力と高い意図を持っています。

防御力では、中国、イギリス、オランダ、フランス、米国、カナダ、日本が高い能力と高い意図を持っています。

諜報力では、米国とイギリスが高い能力と高い意図を持っており、イスラエルは高い能力がありますが、意図はそれほど高くはありません。

攻撃力に関しては、イギリスと米国が高い能力と高い意図を持っており、中国の意図はそれほど高くないという結果となっています。

一方の「グローバル・サイバーセキュリティ・インデックス(GCI)」では、サイバーセキュリティ分野の以下の項目を測定しスコアリングしています。

法的拘束力:サイバー犯罪とサイバーセキュリティに関する法律と規制の測定
技術性:国やセクターごとの機関による技術的能力の測定
組織性:サイバーセキュリティを実施している国家戦略と組織の測定
開発性:サイバーセキュリティ能力開発のための意識向上キャンペーン、トレーニング、教育、インセンティブの測定
協力性:政府機関、企業、国家間のパートナーシップの測定
GCIでは、日本は97.82のスコアで7位にランキングしています。アジアでは、韓国とシンガポールが98.52のスコアで同率4位、マレーシアが98.06のスコアで5位と、日本よりも上位に位置しています。これらの国は、法的拘束力、開発性、協力性のスコアが満点の20.00と変わらず、日本は主に技術性のスコアで韓国とシンガポールに水をあけられています。

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