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自分の工程を正しく把握するための、上位工程との向き合い方

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①はじめに

この記事は車載ソフトウェア開発、特にBSW開発に配属され、実務を開始したばかりの方に向けて書いています。

前回の記事ではコミュニケーションコストを下げることの重要性を書きました。今回はその実践編です。

実務を始めると最初にぶつかる壁があります。それは自分の工程が何で構成されているのかがわからないという状態です。

②自分の工程は上位工程で99%構成されている

実務を始めたとき、自分の担当工程が何で構成されているかを理解しようとすると、ほぼすべての答えは上位工程の成果物の中にあります。

要求仕様、基本設計書、インターフェース定義、過去のレビュー議事録。これらが自分の工程の99%を構成しています。

残りの1%は何かというと、現在進行形で降り注いでくる人の感情や思惑です。

具体的には以下のようなケースです。

  • 顧客から「これを今すぐ対応してほしい」という要求が来る
  • 上長から「こうするべきだ」という指摘が来る

これらは一見正当な要求に見えます。しかし現在のフェーズが下位工程であっても、その要求が上位工程からやり直すべき内容であれば、安易に受け入れてはいけません。

顧客要求であっても要求分析から、上長の指摘であってもルールやロジックが上位工程に起因するものであれば、上位工程に立ち返って判断することが正しい対応です。

この1%に振り回されず、99%の事実から判断する軸を持つことが実務の第一歩です。

③上位工程の何が自分に関係するのか

上位工程の中で自分に関係するものはシンプルです。上位者の決済が完了しているすべてが対象です。

言い換えると、承認・合意・確定済みの成果物がすべて自分の工程の入力になります。

逆に言うと、**未決済のものは自分の工程の入力になりません。**未決済のまま降りてきた要求や指示を受け入れて作業を進めると、後から覆されるリスクがあります。

実務を始めたばかりのときは「とりあえずやってみよう」と動きがちです。しかしその前に**「これは決済済みか」を確認する習慣**を持つことが、手戻りを防ぐ最も効果的な方法です。

④③の情報を引き出す方法

上位工程の担当者は知見が深い分、チーム内での業務負荷が高く時間が取りにくい状態です。そのため「時間をください」と1対1でアポを取ろうとしても後回しにされがちです。

有効な方法はすでに存在する場を活用することです。

プロジェクト全体の会議やチャットなど、聞きたい相手とその上長・同僚が集まっている場で発信します。

この方法には3つの利点があります。

  • 相手が時間を別途確保する必要がない
  • 上長・同僚がいることで回答の質と信頼性が上がる
  • やり取りが記録として残る

第2回で紹介したコミュニケーションコストを下げる意識がここで活きます。聞く場所を選ぶことも、相手のコストを下げる工夫のひとつです。

⑤担当者が不在の場合、成果物とレビュー議事録から読み解く

転職などで担当者が不在の場合、頼れるのは残された成果物とレビュー議事録だけです。

手順はこの順番で進めます。

  1. 一番古い議事録と一番新しい議事録を読む 設計の出発点と最終的な着地点を把握することで、成果物がどのような経緯で作られたかを推測できます。

  2. 事象の素因数分解で指摘の粒度を確認する ここで第2回の事象の素因数分解が活きます。議事録内の指摘を分解して粒度を確認します。

    • 指摘の粒度が小さい:設計の細部まで議論されている=成果物は信頼できる
    • 指摘の粒度が大きい:根本的な問題が繰り返されている=成果物は信頼できない
  3. 信頼できると判断した場合 成果物を正式な入力として作業を進めます。

  4. 信頼できないと判断した場合 そのまま進めず、計画にリスクコストが増えることを計画管理者に一報を入れます。

事象の素因数分解は人の成長を測る指標として第2回で紹介しましたが、成果物の品質を測る指標としても同様に機能します。

⑥まとめ・次回予告

この記事で伝えたかったことを整理します。

  • 自分の工程は上位工程で99%構成されており、残り1%の感情・思惑に振り回されないこと
  • 上位工程で決済が完了しているものがすべて自分の工程の入力になる
  • 情報を引き出すにはすでに存在する会議やチャットの場を活用する
  • 担当者が不在の場合は議事録の指摘の粒度で成果物の信頼性を判断する
  • 事象の素因数分解は人だけでなく成果物の品質を測る指標としても機能する

次回は「計画の立て方」について書きます。

この記事が実務を始めたばかりの誰かの助けになれば幸いです。

※この記事は自身の経歴をAIを活用して整理しながら記載しています。

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