30代になったらスキルよりヘルスに投資せよ。学習曲線で見る成長戦略
人間は線形に成長をしない
人間の能力は学習に比例をして、直線状に成長するわけではない。
これは読者の皆様も経験則的に知っていることだろう。
技術でも、資格勉強でも、スポーツでもそうだが、努力をしているのに伸びない期間というものが存在する。
その停滞期間をプラトーという。
しかし、そこで投げ出さずに継続をしていると、急激に理解できる瞬間や、一瞬で伸びる瞬間がくる。
「あれ、今までなんで理解できなかったんだろう?」
「なんでこんな簡単なことができなかったんだろう?」
と思うアレである。
これを「ブレイクスルー」といったりする。
私も人生で複数の分野で何度もブレイクスルーを経験してきたが、あの瞬間はめちゃ気持ちいいものだ。
何度も経験しているので、何か伸び悩んだとしても、ブレイクスルーの思い出を取り出して、自分はコツコツ継続をする。
難しいゲームなどをやっているときも、「あの気持ち良い瞬間がくるはずだ」とワクワク(本当はイライラ)しながら継続をする。
中堅以上になると長いプラトーを経験することになる
初心者エンジニア時代、何もかもが新しく、何もかもが難しい。
「こんなものを理解できる日は来るのだろうか?」
それでも悪戦苦闘をしながら続けていると、急激にブレイクスルーがやってくる。
「おお、全部理解できるぞ!」
スポンジのように色々と吸収できるようになる。
しかし、しばらく経つと新鮮味も薄れ、新しく学ぶことも減り、直面する課題も大きく複雑になってくる。学べば学ぶほど伸びていく感覚は失われる。
基本的には経験を積むにつれて、プラトーの期間は伸びていき、急激なブレイクスルーというものを経験する機会もなくなる。
長い平地の期間と、少しだけの登りになる。
能力の向上の幅は小さくなる。
特に中堅エンジニアともなると、成長は緩やかになる。
しかし、求められる責任や期待だけは増えていき、ライフステージも変わり、仕事への投資時間も減ったりするだろう。
加齢による能力低下や病気のリスクが上がってくる
学習と能力向上の線だけを見ているわけにはいかない。
能力は残念ながら右肩上がりではないのだ。
月日が経つにつれて、加齢の恐怖がやってくる。
改めて言うまでもないが、加齢によって各種能力は衰え、病気のリスクも上がる。
睡眠不足や二日酔いのダメージは目に見えて大きくなり、健康診断でも笑えない通知書を受け取る。
つまり、能力が下がる圧力も出てくるわけである。
能力向上と能力低下の均衡点
つまり以下の2つの法則が働く。
①学習や経験によって能力は上がる
②加齢によって能力が下がる
「上がる」と「下がる」があるため、どちらかのレバーを動かすことでしかパフォーマンスは上がらない
・加齢に負けないくらい頑張ったり、能力を向上させるように努める
・加齢による能力低下の速度を落とす
どっちが筋が良い戦略なのかは人それぞれなのかもしれない。
しかし、まあ基本的に後者の健康を優先させる戦略が強いであろう。
加齢を意識し始める年齢になると、長いプラトーに突入しており、能力はあまり向上しない。
一方で、しかし、体を壊した時の能力低下は急激であり、そこからのリカバリも厳しくなる。
新しいスキルを身に着けるより、健康に投資をする。
若いころ、がむしゃらにハードワークをしたり、寝るのも惜しんで勉強をしたりしたころのように、
がむしゃらに健康に投資をした方が良い。
※そんな時代が本当にあったかは置いておこう
それがもっともパフォーマンスの向上につながるからである。
1時間残業をして得られるものと、1時間睡眠時間を減らして失うもの。どちらが多いだろうか?
メンタルモデルの問題ではあるが、能力を向上させるのではなく、能力を落とさないことに全力を費やすのがいいだろう。
では、健康に投資をするとはどういうことか?
正直、この具体的な話に関しては健康に良いことは語る資格が特にない。
非常に大きいテーマであるので、一般的な話しか自分はできない。
睡眠、運動、朝散歩、余白をもうける、デジタルデトックス、等々、ここらへんを組み合わせていくことになるだろう。ガチで技術を勉強するように、ガチで健康について学びたいものだ。
個人的にはランニングがけっこう良い具合である。既に半年以上継続をしているのだが、調子よく走れた日は脳みそがスッキリして、頭のモヤが消える。
悲観的過ぎると眉を潜めたあなたへ
ここまでの話では
「人間の能力には限界があって、どこかで頭打ちになる。それどころか加齢で能力は低下するばかりである」
みたいな悲観的なメッセージが強く出てしまっていたかもしれない。
しかし、そう嘆かわしいことばかりでもない。
私個人の感覚や観測範囲ではあるが、30台を過ぎても成長をしたり、新しいことに挑戦をしたり、劇的な成長を遂げるケースは全然存在する。
1つの証拠だが、人間の知能には大きく分けて2種類あることが分かっている。
若いころに強く、加齢で衰えやすい「流動性知能」と、経験とともに育つ「結晶性知能」だ。
流動性知能: 新しいものを学習したり覚えたりするような、経験の影響を受けるこ
とが少ない、むしろ生まれながらもっている能力に左右される知能を
いいます。この能力は30歳代にピークに達したあと60歳ごろまでは
維持されます。そしてそれ以降は急速に低下していきます。このよう
に流動性知能が老年期以降低下することは、加齢に伴う脳機能変
化と関連したもので、いわば正常な老化性変化と思われます。
結晶性知能:一般的知識や判断力、理解力などで過去に習得した知識や経験をも
とにして日常生活の状況に対処する能力です。この能力は、60歳ご
ろまで徐々に上昇し、 その後は緩やかに低下していきます。しかし、
結晶性知能は、70歳、80歳になればなだらかに低下するもののそ
のレベルは20歳代に近い能力が維待されています。 このことは高
齢になっても何かを学び習得することが十分可能であることを示して
います。
https://www.health-net.or.jp/tairyoku_up/chishiki/ninchisyou/t03_08_02_05.html
そのため、能力向上をあきらめろと言っているわけではない。
別の戦略を用意しようということである。
それが、できるだけ健康に投資をしてパフォーマンスを維持しつつ、それを土台にして、新しいことを学ぶというアプローチなのである。
また結晶性知能を活かすのであれば、ワーキングメモリを活かすような頭の回転に依存する働き方よりも、知識や経験に裏打ちされた戦略を持ってじっくり挑むような戦いがいいであろう。
AIの登場で加齢による能力低下に抵抗しやすくなった
本当にAIはありがたい。
ワーキングメモリとか思考の体力とかそういうものを補ってくれる感覚がある。
AI活用において、反射神経だったり、素早い脳みその回転が必要なわけでも当然ない。
むしろ、じっくりとナレッジを蓄えさせることで、結晶性知能のように、AIを賢くさせることもできる。
僕たちは衰えない第二の脳みそを手に入れたのかもしれない。
コーディングなどはAIが代替してくれるが、健康は代わってくれない。
まとめ
健康には気をつけましょう。
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