ZAICO社でのこれまでのAI駆動開発とこれから
この記事は2025 ZAICO アドベントカレンダーの19日目の記事です。
自己紹介
株式会社ZAICOでCTOを務めているfukataです。2013年頃に広告の配信エンジンをGoで作っていました。その後タイで起業し、2020年からZAICOにJoin、2024年にCTOに就任しました。
タイのコンドミニアムにあるプール。年間1/3くらいはタイのチェンマイからリモートで仕事してます。(住民票は日本です)

キーボードはHHKB(デュアルキーボード)、トラックボールはKensington Expert Mouse派です。

はじめに
2025年12月時点での株式会社ZAICOの会社規模的には全体で69名、開発部は22名ほどの組織です。
この記事では、2024年後半から本格的に取り組んでいるAI駆動開発について、これまでの取り組みを振り返りながら整理し、今後の展望をお伝えしたいと思います。
これまでのAI駆動開発
使用しているツール
現在メインで使用
- Claude Code: メインの開発ツール。社内メンバーにはClaude Code MAXを提供
- Claude Code GitHub Actions: PRレビューの自動化
- Devin: 特定領域の対応を自動化
補助的に使用
- ChatGPT / Claude: 調べものや情報整理
過去に使用
- GitHub Copilot: コード補完・提案
- Cursor: AI統合エディタでのコーディング
GitHub CopilotやCursorも当時試しましたが、コード補完だけでは物足りなくなってきたのと、Claude Codeの方がより自律的にタスクを進めてくれる点が決め手でした。
検証中
- Codex: 活用できるシーンがないか検証中
活用シーン
AIツールは以下の場面で活用しています。
- チケットの切り出し: 依存関係を考慮して、並行作業しやすい粒度にタスクを分解
- コード生成: 新規機能の実装や既存機能の改修で、AIに初期実装を任せることで開発速度を向上
- コードレビュー: 人間のレビュー前にAIがチェックすることで、レビュー効率を改善
- テストコードの作成: ユニットテストやE2Eテストのテストケース生成で、カバレッジ向上に貢献
- ドキュメント作成: 技術仕様書やAPI仕様書の下書き作成で、ドキュメント整備を加速
AI駆動開発のワークフロー
現在私が主に見ているWeb側で使用するAI駆動開発のワークフローを構築しました。カスタムスラッシュコマンドで体系化することで、誰でも同じフローで開発を進められるようにしています。
-
/create-issue: JIRAに記載された要求仕様書から既存コードを確認し、不明点があればAIが追加で質問 -
/create-plan: 要件が明確になったら実装計画書を作成し、不明点があればAIが追加で質問 -
/start-implementation: レビュー済みの実装計画書をもとに実装を進める -
/review: PR作成前にチームのレビュールールに沿ってAIがレビュー。指摘があれば内容を確認し、必要に応じて修正
/create-issue でJIRAに記載された項目は単価という項目だけでしたが、AIが他にも同じような項目があるけどどうする?というのを聞いてくれているところ。AskUserQuestionツールのおかげで回答がしやすくなったのを覚えています。

成果
このワークフローをまとまった規模の新規機能開発プロジェクトに適用したところ、当初2ヶ月程度かかると想定していた開発が3週間で完了しました。
正直、最初は「本当にここまで短縮できるのか?」と半信半疑でした。ただ、ワークフローを回してみると、AIが出してくる実装計画の精度が思った以上に高く、人間はレビューと意思決定に集中できるようになったのが大きかったです。また、あらかじめ要件を明確にし、AIの処理しやすい粒度でタスクの切り出しを行っていたことも効果につながった要因かなと感じています。
導入のポイント
チームへの浸透
CTOとしてトップダウンで推進しました。ワークフローを整備し、チーム全体で統一した手法を取ることで、属人化を防いでいます。
品質管理
AI生成コードの品質を担保するために、以下の点を工夫しています。
- AIによるレビューの活用(
/reviewコマンド)- 自作のカスタムコマンドとして作成していましたがのちに標準コマンドとして出てきたので名前を変えようか迷い中
- チームのレビュールールを明文化
- 定期的にメンバーがPRに対して指摘した内容を収集し、ルールに追加すべきものを選定(どれを追加するかは人間が判断)をするためのカスタムコマンドを用意
- テストコードの強化
これから
取り組みたいこと
今後は以下の領域でAI駆動開発をさらに発展させていきたいと考えています。
- 適用範囲の拡大: より多くのプロジェクトへワークフローを展開
- ワークフローの改善: 実践で得た知見をもとにフローを継続的に改善
- チーム育成: メンバー間のAI活用スキルの底上げ
- ツールの拡充: 新しいAIツールの積極的な検証・導入
- 開発以外への適用: 2026年は特に開発以外の業務領域へのAI適用を進める予定
開発以外での活用構想
特に注力したいのが、開発以外でのAIベースのワークフローの構築です。
お客様からのお問い合わせや商談議事録、会社の方針、PdMの考えといった情報をAIに学習させ、機能提案からプロトタイプ作成まで一気通貫で行える状態を目指しています。「何を作るべきか」の意思決定をAIがサポートし、プロトタイプまで素早く形にできれば、お客様への価値提供のスピードを大幅に上げられると考えています。
課題
現在感じている課題として、メンバー間のAI活用スキルの差があります。ワークフローの整備とともに、チーム全体のスキル向上にも取り組んでいく予定です。
まとめ
AI駆動開発で最も重要なのは、体系的なワークフローを構築することだと考えています。
ツールを導入するだけでなく、チームで統一したフローを作り、それを継続的に改善していくことで、AI活用の効果を最大化できます。2ヶ月想定のプロジェクトが3週間で完了した事例は、その効果を示す一例です。
AI技術は急速に進化しています。引き続きワークフローの改善とチーム育成に取り組みながら、より効率的な開発体制を目指していきます。
最後に、AI化を進める最大の理由について。それは、自分たちが「何を作るか」に時間を最大限使えるようにするためです。コードを書く作業はある程度AIに任せられる時代になりました。だからこそ、「お客様にとって本当に価値のある機能は何か」を考えることにもっと時間を使うべきだと思っています。AI駆動開発は、そのための手段です。
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