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英文法(8):限定詞「the」
限定詞「the」の使い方とルール
1. 「the」の基本的な役割
「the」 は名詞に最大の限定を与え、「特定する」 働きを持つ限定詞です。
(1) 聞き手と話し手が理解している名詞につく
- 例: Could you pass me the salt?(どの塩か特定できている場合)
- 例: The dog is barking.(どの犬が吠えているか文脈から明らか)
(2) 文脈で一度登場した名詞を再び指す
- 例: I saw a dog. The dog was big.(最初に「a dog」として紹介された犬を、次に「the dog」として特定)
(3) 唯一のものを指す名詞につく
- 例: the earth(地球)
- 例: the sun(太陽)
- 例: the moon(月)
- 例: Which way is the restroom?(通常、トイレは1つと考えられる)
2. 「the」と複数形
- 「the」 + 複数名詞 は「特定のグループ全体」を指します。
- 例: The Smiths are coming for dinner.(スミス一家)
- 例: The Japanese like rice.(日本人全体)
3. 一般的なイメージを表す「the」
- 共有のイメージがある場合、ネイティブは気楽に「the」を使用。
- 例: Do you prefer the town or the country?(「街」一般、「田舎」一般)
- 例: You'd better take him to the hospital.(一般的な病院)
4. 数に「1つ」の意味を含む語句との併用
- first, second などの序数 や only, last などの語句と共に使われる。
- 例: Chiaki Mukai was the first Japanese woman to travel into space.
- 例: That's the only way.
5. 所有格との違い
- 所有格(my, your など)がついている名詞には通常「the」はつかない。
- 例: my dog(私の犬) → the my dog とは言わない。
6. 名詞の種類と「the」
(1) 物質名詞・抽象名詞
- 原則: 不定冠詞 (a/an) なしで使われる。
- 例: Water is essential for life.(水一般)
- 特定のものを指す場合「the」 がつく。
- 例: The water in this bottle is cold.(このボトルの水)
(2) 固有名詞
-
通常は「the」をつけない
- 例: SONY(ソニー)、Shinjuku Station(新宿駅)
-
名称の一部として「the」が含まれるもの
- 例: the Red Sea(紅海)、the Sahara Desert(サハラ砂漠)
-
「地名・人名 + 普通の単語(名詞)」の組み合わせでは the をつけない
- 例: London Bridge(ロンドン橋)、Oxford University(オックスフォード大学)
7. 固有名詞に「the」がつく理由
(1) 一般的な単語を含む名称
- 例: the White House(ホワイトハウス)
(2) 「the + 普通の単語 + of + 地名」の形
- 例: the Tower of London(ロンドン塔)
(3) 「権威」「有名」「壮大」なものを示す場合
- 例: the Savoy(サボイホテル)、the Bank of Japan(日本銀行)
(4) 河川・大洋・海・砂漠・半島には「the」が必須
- 例: the Amazon(アマゾン川)、the Atlantic Ocean(大西洋)
(5) 山と山脈の違い
- 単体の山 → the なし → Mt. Fuji(富士山)
- 山脈 → the あり → the Himalayas(ヒマラヤ山脈)
8. まとめ
✅ 「the」は名詞を特定するために使われる。
✅ 聞き手と話し手が理解できるもの、文脈上特定できるものに付く。
✅ 唯一のものや、共通イメージを持つものに使用される。
✅ 固有名詞には原則つかないが、名称の一部として「the」が含まれることもある。
✅ 河川・海・山脈などの自然地形や、「有名なもの」には「the」がつく。
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