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音響学-騒音:騒音に係る環境基準について

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騒音に係る環境基準について

環境基準は、生活環境を保全し、人の健康を保護することを目的 として定められています。本記事では、騒音に関する環境基準 について詳しく解説します。


🚦 1. 環境基準の概要

環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項の規定に基づき、騒音の環境基準が設定されています。これは、生活環境を守るための目標値 であり、地域の種類や時間帯ごと に基準値が定められています。

🔹 環境基準のポイント

地域ごとに異なる基準が設定される
昼間・夜間で基準が異なる
道路に面する地域では特例基準が適用される


📍 2. 環境基準の分類

環境基準は、地域の類型時間の区分 ごとに設定されています。地域の類型は、都道府県知事が指定します。

🏠 地域の種類と騒音基準値

地域の類型 基準値(昼間) 基準値(夜間)
A 50 dB 以下 40 dB 以下
A および B 55 dB 以下 45 dB 以下
C 60 dB 以下 50 dB 以下

💡 補足

1️⃣ 時間の区分

  • 昼間:午前6時~午後10時
  • 夜間:午後10時~翌朝6時

2️⃣ 地域の分類

  • A地域:病院・療養施設・社会福祉施設など、特に静寂を要する地域
  • B地域:住宅が多い地域
  • C地域:住宅・商業・工業が混在する地域

🚗 3. 道路に面する地域の特例

幹線道路沿いの地域では、騒音の影響が大きいため、特別な基準が設けられています。

地域の区分 基準値(昼間) 基準値(夜間)
A地域のうち単線以上の道路に面する地域 60 dB 以下 55 dB 以下
B地域のうち2車線以上の道路に面する地域、およびC地域のうち道路に面する地域 65 dB 以下 60 dB 以下

さらに、幹線道路沿いの地域 では以下の基準が適用されます。

地域 基準値(昼間) 基準値(夜間)
幹線道路沿いの地域 70 dB 以下 65 dB 以下

🎵 騒音の影響を受けやすい住宅の特例

個別の住居等で 防音対策が施された場合 には、以下の低い基準値が適用されることがあります。

  • 昼間:45 dB 以下
  • 夜間:40 dB 以下

📊 4. 環境基準の評価方法

騒音の評価は、以下の方法で行われます。

1️⃣ 個別評価

  • 住居や建物が騒音の影響を受けるかを評価。
  • 建築物の防音性能を考慮して騒音レベルを評価。

2️⃣ 騒音の評価手法

  • 等価騒音レベル(Leq) を用いて、昼間・夜間の平均的な騒音レベルを評価。

3️⃣ 評価の時期

  • 1年間の平均的な騒音環境 を基準に評価。

4️⃣ 騒音の測定方法

  • 計量法(平成4年法律第51号)第7条 に基づいた測定方法を使用。
  • 周波数補正回路 A 特性 を適用。

5️⃣ 測定の代替方法

  • 騒音測定が困難な場合、道路交通量などから推定する方法も採用される。

🎯 5. まとめ

騒音環境基準は地域ごとに異なる基準値が設定されている。
特に住宅地・商業地・工業地、道路沿いの地域で基準が異なる。
等価騒音レベル(Leq)による評価が一般的。
道路交通量や建築構造の影響も評価対象となる。

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