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音響学-騒音: 騒音の評価指標と予測モデル

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騒音の評価指標と予測モデル

1. 用語の意味

(1) ユニット

作業単位を考慮した建設機械の組み合わせ。

(2) 時間変動特性に応じた騒音の区分

  • 定常騒音
  • 変動騒音
  • 間欠騒音
  • 衝撃騒音

これらの特性を定義する。

(3) 測定(予測点)における騒音の諸量

a. 騒音レベル / A 特性騒音レベル(L_A

JIS Z 8731: 1999 による。JIS C 1509-1: 2005 では「A 特性時間重み付きサウンドレベル」とも呼ぶ。

b. 等価騒音レベル(L_{Aeq,T}

JIS Z 8731: 1999 による。時間 T の表記を省略することもある。次式で定義される。

L_{Aeq,T} = 10 \log_{10} \left[ \frac{1}{T} \int_{t_1}^{t_2} \frac{p_A^2(t)}{p_0^2} dt \right]

ここで、

  • T = t_2 - t_1 は対象時間 [s]
  • p_A(t) は時刻 t の瞬時 A 特性音圧 [Pa]
  • p_0 = 20 \mu Pa は基準音圧

c. 騒音暴露量(E_{A,T}

A 特性音圧の瞬時値の 2 乗を時間 T にわたって積分した量。

E_{A,T} = \int_{t_1}^{t_2} p_A^2 (t) dt

単位は \text{Pa}^2s

d. 騒音暴露レベル(L_{AE,T}

騒音暴露量をレベル表示した値。

L_{AE,T} = 10 \log_{10} \frac{E_{A,T}}{E_0}

ここで、E_0 = 400 \times 10^{-12} \text{Pa}^2s(基準音圧暴露量)。


2. 建設工事騒音の予測モデル "ASJ CN-MODEL 2007"

(1) 騒音レベルの最大値(L_{A,Fmax}

間欠騒音や衝撃騒音の発生ごとに測定された騒音計の時間重み付け特性 F による最大値。

(2) 騒音レベルの最大値の 5% 値(L_{A,Fmax,5}

間欠騒音や衝撃騒音について、発生ごとに測定した騒音レベルの最大値の 90%レンジの上端値。

(3) 騒音源特性を表す諸量

a. A 特性音響パワーレベル(L_{WA}

定常的な騒音源が発生する音響パワー P_A をレベル表示した値。

L_{WA} = 10 \log_{10} \frac{P_A}{P_0}

ここで、P_0 = 1 pW(基準音響パワー)。

地面上の点音源から距離 r 離れた点で測定された騒音レベル L_A からは、以下の式で計算できる。

L_{WA} = L_A + 20 \log_{10} r + 8

b. A 特性実効音響パワーレベル(L_{WAeff}

間欠騒音や衝撃騒音について、統計的に安定した結果を得るのに十分な時間にわたって測定した等価騒音レベルから算出。

L_{WAeff} = L_{Aeff} + 20 \log_{10} r + 8

c. 音響エネルギーレベル(L_J

間欠騒音や衝撃騒音が発生する際の音響エネルギー J をレベル表示した値。

L_J = 10 \log_{10} \frac{J}{J_0}

ここで、J_0 = 1 pJ(基準音響エネルギー)。

L_{JA} = L_{AE} + 20 \log_{10} r

d. 基準の距離 10m における騒音レベル(L_{A,10m}

距離 r 離れた測定点での騒音レベルを基準の距離 10m に換算する。

L_{A,10m} = L_A + 20 \log_{10} \frac{10}{r}

3. まとめ

本記事では、騒音の評価指標として 等価騒音レベル (L_{Aeq,T})騒音暴露量 (E_{A,T}) などの定義を説明し、それらを用いた予測計算モデル ASJ CN-MODEL 2007 について紹介しました。

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