音響学入門:電気音響変換器の色々
電気音響変換器の種類と原理を徹底解説
音響学における電気音響変換器は、電気信号を音響信号に変換する重要な役割を担っています。本記事では、電気音響変換器の種類とその基本原理を解説し、各変換方式における動作メカニズムを詳しく説明します。
電気音響変換器の種類
電気音響変換器は、入力される電気信号を振動に変換し、その振動を介して音響エネルギーを放射するデバイスです。主に以下のような種類があります:
- 電磁的変換(ダイナミック型など)
- 静電的変換(エレクトロスタティック型)
- 特殊な音響放射方式(コロナ放電型など)
これらの変換方式には、それぞれ独自の動作原理があります。
1. 電磁的変換の原理
振動系に働く力
電気的変換方式では、電気信号によって振動系(ダイアフラムやコイルなど)に力を加え、振動を発生させます。この力は、電磁誘導や圧電効果によって生成されます。
電磁誘導の場合
ダイナミック型スピーカーを例に取ると、コイルに流れ込む電流
-
: 振動系に加わる力 [N]F -
: 磁束密度 [T]B -
: コイルに流れる電流 [A]I -
: コイルの有効長 [m]L
この力によってコイルが動き、接続されたダイアフラム(振動板)が空気を振動させて音波を生成します。また、電流に比例した力であることがわかります。
起電力と速度の関係
振動系が速度
2. 静電的変換の原理
振動系に働く力
静電的変換方式(エレクトロスタティック型)では、ダイアフラムに静電力を加えることで振動を発生させます。この静電力は、電圧
-
: 振動系に加わる静電力 [N]F -
: 電荷量 [C]Q -
: 電極間の静電容量 [F]C
ここで、ダイアフラムの変位により静電容量
電圧と振動の関係
電圧
これにより、入力電圧に応じた正確な振動が得られます。
3. 音響信号の放射方法
電気信号を音響信号に変換するには、以下の2つの方法があります。
3.1 振動板による音波放射
一般的なスピーカーでは、振動板が空気を振動させ、音波を放射します。この方法は効率的で、幅広い周波数範囲に対応可能です。
3.2 コロナ放電による音波放射
コロナ放電を利用する特殊な方式では、電極間で発生する放電が直接空気を振動させます。この方法は振動板を必要とせず、電圧制御による音波の生成が特徴です。
まとめ
電気音響変換器は、電気信号を音響信号に変換するために多様な方式を用いています。
振動が音になる。あたりまえのことですが何だか不思議な間隔が駆け巡ります。
Discussion