英文法(88):時制と“時のない文”をマスターしよう
時制と“時のない文”をマスターしよう:ネイティブ感覚で英語力を磨く
英語では「現在形・過去形・未来形」など時制が大切ですが、時制に縛られない“時のない文”も存在します。本記事では、命令文や提案などの「時を超えた表現」と、現在形の豊かな使い方について、例文・発音・リダクションを交えてわかりやすく解説します。
A. 命令文:時制のない指示表現
命令文は動詞の原形を使い、今や未来に向けた「指示」や「お願い」を表します。
1. 命令文の基本
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Kiss me!
/kɪs miː/(キスして!) -
Be quiet!
/biː ˈkwaɪət/(静かに!)
👉 命令文はまだ起きていない行動への指示。だから「時制」がなく、動詞の原形が使われます。
B. that節の中の動詞の原形(願望・提案・要求)
"It is important that ~" や "I propose that ~" のような構文では、実現していない内容を語るため、that節内の動詞は原形になります。
1. 例文と文法のポイント
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I propose that the money be spent on library books.
/aɪ prəˈpoʊz ðət ðə ˈmʌni bi spɛnt ɑn ˈlaɪbrɛri bʊks/(そのお金は図書館の本購入に使われるよう提案します) -
It is important that you give 100% to your job.
/ɪt ɪz ɪmˈpɔːrtənt ðət juː ɡɪv wʌn ˈhʌndrəd pərˈsɛnt tə jʊər dʒɑːb/(仕事に100%を尽くすことが重要だよ)
👉 「まだ実現していないこと」「こうあるべきという願望・提案」を述べるとき、動詞は原形になります。
- ✅ be(原形)を使うことで仮定の気持ちが込められる
- ✅ should be としてもOK(意味合いが少し強調される)
C. 現在形の多彩な使い方
現在形は「今のこと」だけではなく、広く普遍的なこと・習慣・感情・事実など、ネイティブの感覚に根差した使い方が豊富です。
1. 広く成り立つ状況・事実
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I’m a student.
/aɪm ə ˈstuːdənt/(私は学生です) -
Humans are social animals.
/ˈhjuːmənz ɑːr ˈsoʊʃəl ˈænɪməlz/(人間は社会的動物です)
👉 状態や性質が変わらない・一般的な事実を表すのに使われる。
2. 習慣・日常の行動
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My dad catches the commuter train into the city.
/maɪ dæd ˈkætʃəz ðə kəˈmjuːtər treɪn ˈɪntuː ðə ˈsɪti/(父は街へ行くのに通勤電車を使っているよ) -
I practice karate really hard.
/aɪ ˈpræktɪs kəˈrɑːti ˈrɪəli hɑːrd/(僕は空手をすごく一生懸命やってる)
👉 「普段いつもやってること=習慣」は現在形で表します。
3. 現在形 vs 現在進行形
- What are you doing?(今何してるの?)
- What do you do?(何の仕事してるの?)
👉 進行形は「今まさに」の動作、現在形は「職業や習慣」など広い意味を持つ。
おわりに
英語の時制は奥深く、そして“時がない文”もまた英語の豊かな表現力を支える重要な存在です。命令文・提案・現在形の使い分けを意識していくと、文法力が感覚的に身につきます。まずは例文を真似て、口になじませてみましょう!
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