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音響学-騒音: Stevensのべき乗則とラウドネスの計算

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🔊 Stevensのべき乗則とラウドネスの計算

音の大きさの知覚(ラウドネス)に関する研究の中で、Stevensのべき乗則は特に重要です。
本記事では、この法則を基にしたラウドネスの計算方法や応用について解説します。


📌 1. Stevensのべき乗則とは?

Stevensのべき乗則は、音の物理的な強さ(音圧レベル)音の知覚的な大きさ(ラウドネス) の関係を表します。

L = k \cdot I^m
  • L: ラウドネス(主観的な音の大きさ)
  • I: 音の物理的な強さ(音圧レベル)
  • k : 定数
  • m: 指数(音の場合は 0.3

🎯 1.1 ラウドネスと音圧レベルの関係

ラウドネスは、次の対数関数として表されます。

\log_{10} L = \log_{10} k + 0.3 \log_{10} I

また、音圧レベル(SPL)は、音の強さと以下の関係式で結びつきます。

SPL = 10 \log_{10} \frac{I}{10^{-12}}

この式を変形すると、以下の関係式が導かれます。

\log_{10} L = \log_{10} k + 0.03 \times SPL + 3.6

つまり、音圧レベルが10dB上昇すると、ラウドネスは約2倍 になります。

\log_{10} 2L = \log_{10} L + 0.3

📊 2. StevensのMark VI(B法)によるラウドネス計算

Stevensのラウドネス測定法(B法)では、周波数帯ごとにラウドネスを計算する 手法を採用しています。
この方法では、マスキングの影響を考慮して音の強さを算出 することが特徴です。

📈 2.1 ラウドネスの計算方法

ラウドネスの計算には、1/3オクターブバンドの分析結果を使用し、次の式で求めます。

S_i = S_{\text{max}} + F \left( \sum S_i - S_{\text{max}} \right)
L_N = 10 \log_{10} S + 40 = 33.2 \log_{10} S + 40

📌 3. まとめ

Stevensのべき乗則により、音圧レベルが10dB上がるとラウドネスは約2倍になる。
Mark VI(B法)では、1/3オクターブバンドごとにラウドネスを計算し、総合的な音の大きさを評価する。
等ラウドネスインデックス曲線を利用することで、異なる周波数成分を統合してラウドネスを求めることができる。


🎓 学習ガイド

📖 学ぶべきポイント

  1. Stevensのべき乗則の基本式
    • 音の強さ ( I ) とラウドネス ( L ) の関係
  2. 音圧レベル(SPL)とラウドネスの関係
    • 10dB増加でラウドネスが約2倍 になる
  3. Mark VI(B法)によるラウドネスの計算方法
    • 1/3オクターブバンド分析
    • 等ラウドネスインデックス曲線の活用

🏆 実践的な応用

  • ラウドネスの変化を体験する
    → 異なる音圧レベルで音を聴き、知覚的な違いを確認する
  • ラウドネス計算プログラムを作成する
    → SPL を入力すると、ラウドネスが計算されるシミュレーションを作成する

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