プログラマとオンライン会議
僕は会議では基本的に口を出したくなる。
我慢との戦いだ。言うべきことと言わざるべきことのバランスを考え続ける。言うべきタイミングと言わざるべきタイミングのバランスを考え続ける。なかなか難しい。
人間同士の会話には高度な知性が要求されるという。
グループでの会話ともなればなおさらだ。仕事の会議であればなおさらのなおさらだ。
相手の意図に想像をめぐらす。沈黙の意味にも想像をめぐらす。
AさんからBさんへの質問の後に長い沈黙がある。僕は口を挟んで何かの思いつきで会話を埋めてしまいたくなる。だけど我慢する。そうするとBさんからいずれ答えが出てくる。会話を遮らなくて良かったと思う。
皆よく沈黙を我慢しているなと思う。
日本人は会議では発言が苦手らしい。だからだろうか。発言しないことに慣れているのかもしれない。もしくは僕がただせっかちなだけで他の人の方が遥かに会議能力の知性が高いのかもしれない。どうやら後者のような気もする。
発言できるのは同時に1人までだ。
他5人のメンバーがいれば5人はその間沈黙することになる。どうしたって沈黙の量のほうが多い。会議とは発言の場ではなくむしろ沈黙の場だ。
時間は限られている。
会議に無限の時間は使えない。思うことを思う存分に話す時間はいつだって足りない。リアルタイムの試合だ。人同士の感情にも配慮する必要がある。滅多なことは言えない。話の流れを遮らないように音声ではなくチャットに書き込んでみたが返信がない。どうやらチャットは誰も見ていないようだ。
会議の最中に人は何を考えながら参加しているのだろうか。
僕のようにあれこれと思考がめぐり続けているのだろうか。それとも意外にもあっけらかんとしたものなのだろうか。会議中の人の心というものが知りたい。オンライン会議だと会話も間合いが分かりづらい。ビデオをオフにしているメンバーもいる。発言する人もいれば発言しない人もいる。
こんな事を考え続けていると発言の機会を逃す恐れがある。
他の人の話が一段落したところでようやく自分の意見をまとめて話してみる。今だという瞬間に自分の発言を挟み込む。ほんの数秒を逃せばもう二度とチャンスはやってこない場合もある。自分が言おうと思っていたことを他の人が言って褒められた場合には悔しい。変な言葉をこぼして滑った場合はいたたまれない。いつだって人間の感情というものが関わってくる。
オンライン会議は難しい。
2022年8月23日
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公開日時
2022-08-23
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