AIエージェントフレームワーク Solana Agent Kit v2 解説(3): モバイル対応とプロンプトパフォーマンス向上
はじめに
こんにちは!今回は4月18日に公開されたSolana Agent Kit v2に関してv1からの変更点を中心に私自身のキャッチアップも兼ねて調査したので解説していきます。
今回はモバイル(React Native)対応とプロンプトパフォーマンス向上についてです。
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Solana Agent KitがReact Nativeにも対応し、モバイルでもAIエージェントを動かせるようになったようです。Seeker(Solana Mobile)の開発者も含めモバイルアプリに容易に組み込めるとツイートされていました。
Solana Agent Kit v2のリポジトリにサンプルコードがあるのでどう使われているかみていこうと思います。
Webの場合と同じく、SolanaAgentKitをインスタンス化してウォレットの各操作(トランザクション送信、署名など)の関数を定義、createVercelAITools
メソッドを通してツールセット作成の流れは変わらないようです。
サンプルコードのREADMEに沿って動作確認を試みてみたのですが、README通りにはいかず、私自身モバイルアプリの経験が少ないこともあり、記事執筆時点では動かすことができていません、、
README内にDemo動画があり、うまく動作確認できればソーシャルログインでウォレットを作成してトークンのスワップなどができるようです。
モバイルアプリの考慮事項
公式ドキュメントにモバイルアプリ特有の考慮事項が5つ列挙されていました。
公式ドキュメント
- Polyfill: PC環境では標準対応しているNode.jsモジュールでもモバイル環境では標準対応していないものがあるようです。
- パフォーマンス: モバイルデバイスはリソースがPCほどないため、PCでの動作と同じように処理ができない可能性があります。AIとの膨大なチャット履歴や大量のツール定義を送るとネットワーク転送が重くなるといったこともあるかもしれません。
- オフラインハンドリング: 地下などで通信が途切れた時にトランザクションが失敗したりなど突然オフラインになった際の処理も検討が入りそうです。これはPCでも同様の事が言えるかもしれないですが、モバイルの方が特に突然の通信断に遭遇することが多そうです。
- Deep Link: 外部ウォレットを利用した場合ですが、例えばPhantomのモバイルウォレットを利用して署名することがあった時に、一度署名のために外部ウォレット遷移後に再び自分たちのアプリに戻って処理が続けられるようにDeep Linkの設定が必要になりそうです。
- 安全なストレージ: センシティブな情報は安全なストレージを利用しましょう。(PCでも同様ですが、、)
プロンプトパフォーマンス向上
現在存在するSolana Agent Kitの多くのツールに対するAIエージェントの動作に関して、LangChainによる評価とベンチマークの仕組みを強化してプロンプトを向上させたことで、エージェントがツールを呼び出す精度や回答精度が向上したようです。
現在のリポジトリ内だとどのように評価されているのかが見つけられなかったのですが、過去のリリースを遡るとたしかにv2がリリースされた時に評価ツールのlangsmithが導入されたりといった履歴がありました。
まとめ
Seeker(Solana Mobile)が 2025年8月4日から発送開始となることが決まり、このタイミングでモバイルでも Solana Agent Kit が利用可能になったことで、今後はさまざまなユースケースでの活用が期待できそうです。
また、サンプルコードを操作しているとまだまだ成功率に差があるようなツールもあるのでさらにパフォーマンスが向上すると嬉しいですね、、!
モバイルでのSolana Agent Kitの使い方やエージェントのパフォーマンスについては引き続き追っていきたいと思います。
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