Google Antigravity(第1回): WSL勢が気になる「VS Code置き換え可否」と、まずはインストール
🚀 はじめに
この記事は Google Antigravity(以下 Antigravity)を「これから触る」方向けの導入記事です。
今回は 「インストール → 初回セットアップ → WSLに接続して最低限の動作確認」 までを、初学者向けにまとめました。
特に、筆者のように WSL上から code . でVS Codeを起動して使っている人 にとっては、
- Antigravityでも 同じ体験(WSLリモート開発) ができるのか?
- いつもの開発に必要な 拡張機能(Python / Git / Snowflake など) が入るのか?
- もし拡張が厳しいなら、CLI中心運用(=IDEは薄く) で逃げられるのか?
が「乗り換え可否」の分岐点になりがちです。
✅ この記事でわかること
- Antigravity と VS Code の違い(置き換え可否の判断ポイント)
-
WSLユーザーの最重要ポイント
- AntigravityからWSLに接続できる?
- WSL側から
code .相当で起動できる?(=ターミナル起点の起動)
- インストール手順(Windows / macOS / Linux)
- 初回セットアップで迷いがちな「インポート」と「安全設定」
- 拡張機能の入れ方(検索 / VSIX)と、詰まったときの逃げ道
- 必須ツール(Python / Git / Snowflakeなど)の 最短スモークテスト手順(10分)
🪐 Antigravityとは?(超ざっくり)
Antigravityは、従来の「補完+チャット」型より “エージェントに仕事を任せる” ことを前提にしたIDE(エディタ)です。
- エディタ部分は Code - OSS(VS Codeのオープンソースコア) をベースにしているため、操作感や設定の雰囲気が近い
- エージェントの実行・管理を行う Manager(Agent Manager) を備える
- ブラウザ操作まで含めてエージェントが作業できる(Chrome連携が関わる機能がある)

図1: Editor + Manager + Browser の3点セットで「エージェントに任せる」前提。
🆚 VS Codeと何が違う?置き換えられる?
結論から言うと、
- 基本の編集体験(ショートカット、UI、設定)はかなり近い
- 一方で Remote開発(WSL/SSH/Dev Containers)と拡張機能エコシステム が、置き換え可否の分岐点
になりやすいです。

図2: “拡張とRemote”が多いほどVS Code優位。“エージェントとブラウザ”重視ほどAntigravityが刺さる。
置き換え判断のざっくり結論
- 完全移行:拡張少なめ + Remote要件が軽い + エージェント活用が主目的
- 併用:拡張が多い / Remoteが必須 / 会社のポリシーが厳しい → まずは併用が現実的
- まずは様子見:Dev Containersや特殊な拡張が命綱なら、検証してから

図3: “拡張依存”と“Remote要件”で、移行のしやすさが決まる。
⭐【最重要】WSL勢の疑問:Antigravityで同じことできる?
筆者の前提(よくあるVS CodeのWSL運用):
- Windows上のVS Codeを使う
- WSL(Ubuntuなど)側で
code .を叩く - WindowsのVS Codeが起動し、WSLにリモート接続してそのフォルダを開く
→ 開発ツール(python / git / node等)は WSL側 を使う
Antigravityの場合:まず押さえるべき「2つの起動パターン」
Antigravityでも考え方はほぼ同じで、起動パターンが2つあります。
パターンA(おすすめ):Antigravity → WSLに接続して開く
- GUI側から WSLに接続してフォルダを開く ルート
- まずはこれが成立すれば「いつものWSL開発」がほぼ成立します
- 初学者は ここを“正ルート” にするとハマりにくいです
パターンB(慣れてから):WSL → code . 相当で起動する
- WSLのターミナルから
code .的に起動できると満足度が上がります - ただし現時点では、WSLから
antigravityを叩くとWindows側が起動したり、カレントディレクトリが渡せないケースがあります
→ まずはパターンAで成立させ、Bは後からでOKで

図4: 「アプリ側からWSLへ接続」が安定ルート。code .相当は環境差が出やすい。
🧰 事前準備(ここを揃えると詰まりにくい)
Antigravity本体以外にも、環境によって必要な道具があります。
WSL勢が迷いやすいポイントを、先に潰します。

図5: WSL勢は “WSL2 + Git + ターミナル” まで揃えると迷いにくい。
共通であると安心
-
Googleアカウント
- プレビューや組織ポリシーの関係で、まずは 個人アカウント(個人Gmail) で検証すると切り分けが楽です(会社アカウントは制限に当たりやすい)
-
Chrome(推奨)
- Browser連携(エージェントがブラウザ操作する機能)を使う場合に必要になりがちです
- 会社PCのポリシーでChrome拡張がブロックされることもあるので、先に確認できると安心です
Windows + WSLで開発する場合(必須に近い)
- WSL2(Ubuntuなど)
-
WSL側の Git / Python
- AntigravityがWSLに接続した場合、基本的に WSL側の
git/pythonを使います
- AntigravityがWSLに接続した場合、基本的に WSL側の
WSLが動いているか確認(PowerShell):
wsl -l -v
📦 インストール(Windows / macOS / Linux)
インストールは基本的に 公式のダウンロードページ から行います。
※偽サイト・類似ドメインが出やすいので、検索経由の場合はURLをよく確認してください。

図6: “インストール→初回起動→インポート→WSL接続→拡張導入”までが1セット。
Windows
- インストーラをダウンロード
- そのまま実行してインストール
- 起動(スタートメニュー or 検索)
macOS
- dmgをダウンロード
- アプリケーションにドラッグしてインストール
- 初回はセキュリティ許可が出ることがあるので許可
Linux
- パッケージ(deb/rpm等)をダウンロード
- ディストリに合わせてインストール
🧭 初回起動(迷いやすい2点だけ押さえる)
初回はウィザードで色々聞かれます。
初学者が迷うのはだいたい 「設定のインポート」と「安全設定」 です。

図7: 最初に決めるのは「移行(インポート)」と「安全(権限)」。
1) VS Codeから設定をインポートする?
可能なら、最初にやると楽です。
- キーバインド
- テーマ
- 一部設定
- 拡張機能(環境によっては「入る/入らない」があるので、後で検証)
ただし、ここで 「全部完璧に」 を狙うと沼りやすいです。
まずは 起動してWSLに繋がる状態 を作り、拡張は後で追加するのが安全です。
2) Terminal / Review の安全設定はどうする?
ここが「事故を防ぐ」キモです。

図8: 最初は “確認多め” が正解。慣れてから自動化を上げる。
初学者向けのおすすめ:
-
Terminal実行は控えめ(Manual寄り)
- エージェントが勝手にコマンドを叩かないようにする
-
Review(レビュー)は強め(確認ステップ多め)
- 生成・変更された内容を見てから適用する
自動化は 段階的に 上げるのが正解です。最初から強くしないのがおすすめです。

図9: 自動化は“段階的に”上げる。最初から強くしない。
Antigravity を開くと VS Codeに近いUI で起動します。

Antigravity の起動直後
🔌 ここからが本題:WSLに接続してみる(最短手順)
「VS CodeのRemote-WSLの代わり」ができるか、まず確認します。
手順(安定ルート):Antigravity → WSL
- Antigravityを起動
- コマンドパレットを開く(例:
Ctrl+Shift+P) -
WSL/Remote/Connectあたりで検索し、
Remote WSL: Connect to WSL(名称が近いコマンド) を実行 - WSLのディストリ(Ubuntuなど)を選択
- WSL上のフォルダを開く(例:
~/work/myrepo)

Antigravity からWSLへ接続する画面(例)
接続できたかの確認(WSLターミナルで実行)
AntigravityのターミナルがWSL側になっているか、これで確認できます。
uname -a
which git
which python3

Antigravity がWSLに接続できた状態(例)
🧩 拡張機能のインストール戦略(ここがVS Codeとの差になりやすい)
AntigravityはVS Code系の拡張モデルに近いですが、拡張の入手元がポイントです。
- まずは 検索で入るものから試す(手軽)
- 無い場合は VSIXで手動インストール
- それでも厳しい場合は、拡張に依存しない運用(CLI中心) を検討する

図10: 「検索→VSIX→CLIで逃げる」の順が安全。
Remote(WSL)時の注意:拡張は「WSL側」に入る場合がある
VS Codeと同様に、WSLに接続した状態では
- 拡張が「ローカル(Windows)」に入るだけでは不十分
- WSL側(リモート側)にインストールが必要
というケースがあります。
拡張の詳細画面に “Install in WSL” のような表示が出たら、そちらを選ぶのが基本です。
🧪 必須ツールの互換性チェック(10分で当たりを付ける)
ここでは「置き換え可否」を判断するための 最小セットを載せます。
目的は “WSL環境で開ける → 最小実行できる” を10分で確認する ことです。
互換性チェック表(まずここだけ見ればOK)
| 目的 | だいたい必要なもの | 見通し | WSL利用時のポイント |
|---|---|---|---|
| Python開発 | Python拡張 + LSP(Pylance等) | 多くの場合OK | Python本体はWSL側に入れる |
| Git運用 | 内蔵Git機能 + git コマンド |
ほぼOK |
git はWSL側に必須 |
| Snowflake | Snowflake拡張 or CLI(snowsql等) | 拡張は環境差あり | 認証(SSO/外部ブラウザ)確認 |
| Claude Code | CLI(+ 任意で拡張) | “CLIで動く”が最優先 | WSL側でCLI実行する運用が自然 |
| Qwen | CLI/拡張(Node/npmが絡むことが多い) | “CLIで動く”が最優先 | WSL側のNode/npmが必要になりがち |
✅ 実機での確認(10分スモークテスト)

図11: “WSL接続→拡張→最小実行” の順で確認。
0) WSLの準備(WSL側で実行)
git --version
python3 --version
# Node系が必要な人だけ(Qwen等で必要になることがあります)
node --version
npm --version
入っていなければ(Ubuntu例):
sudo apt update
sudo apt install -y git python3 python3-venv
# Nodeは必要なら別途
1) Antigravityを起動 → WSLに接続
-
Remote-WSL: Connect to WSL(または類似コマンド)を実行 - WSLのホーム配下に
~/work/を作って開く
2) Gitが動くか(WSL側のリポジトリで確認)
cd ~/work
git clone <your_repo_url>
cd <repo>
AntigravityのSource Controlで差分が見えるか確認します。
3) Pythonが動くか(WSL側のPythonで実行)
hello.py を作り:
print("hello antigravity on wsl")
ターミナル(WSL)で:
python3 hello.py
(余裕があれば)venv作成も確認:
python3 -m venv .venv
source .venv/bin/activate
python hello.py
4) Snowflake(拡張 or CLI)を確認
- Snowflake拡張が検索で出るか(出なければVSIX/別手段へ)
- 認証が外部ブラウザを使う場合、WSL接続時に詰まらないか
5) Claude Code / Qwen(まずは“導入できるか”だけ)
- 拡張が検索で見つかるか
- もし拡張が厳しければ、WSL側でCLIとして使えるか(
--versionが通るか)を確認
🧯 初学者がつまずきやすいポイント(FAQ)

図12: つまずきは “アカウント/WSL/拡張/権限” に集中しがち。
Q. WSLに接続できない
- WSL2が有効になっているか
- WSLディストリが起動できるか(
wsl -l -vなどで確認) - 会社PCの場合、仮想化やWSLがポリシーで制限されていないか
Q. code . みたいにWSLから起動したいが、うまくいかない
- まずは アプリ側→WSL接続 を“正”として成立させる(安定)
- WSLターミナル起点は、環境依存のトラブルが出やすい → 後から最適化でOK
Q. 拡張が検索で出てこない
- 拡張の配布先(マーケット)に存在しない可能性があります
→ VSIXで手動インストールを検討(提供元の配布がある場合) - それでも難しい場合は、CLIで代替できるか検討(特にSnowflake/LLM系)
Q. 拡張は入ったが、WSL側で動かない
- WSL接続時は、拡張が リモート(WSL)側に入る必要があることがあります
→ “Install in WSL” のような選択肢がないか確認
Q. エージェントが勝手にコマンドを実行しそうで怖い
- Terminal execution policy を弱めに
- Review policy を強めに
- “作業フォルダを限定” + “Gitで保護” してから慣れる
Q. Browser連携がWSL接続時にうまく動かない
WSL側からBrowser連携Browser連携を使う場合、WSLのネットワーク設定によっては詰まることがあります(例:WSL内の 127.0.0.1 がWindows側Chromeに届かない)。
回避として WSLの mirrored networking mode を使う案が紹介されています。

図13: Antigravity→Chrome操作→Artifactsに記録、という流れ(概念図)。
📝 まとめ
- Antigravityは「エージェントに任せる」前提のIDEで、VS Codeに近い操作感を持つ
- 置き換え可否は WSL/Remote と拡張機能 で決まりやすい
- WSL勢はまず Antigravity → WSL接続 ができるか確認するのが最短
- 拡張は 検索→VSIX→CLIで逃げる の順が安全
- 本記事のチェックリストで、10分で“使える/使えない”の当たりを付けられる
🔗 参考リンク
- Tutorial: Getting Started with Google Antigravity(公式チュートリアル)
https://developers.google.com/codelabs/antigravity-getting-started - Working with Google Antigravity in WSL(WSLでの動作例・注意点)
https://medium.com/google-cloud/working-with-google-antigravity-in-wsl-944c96c949f3 - Fixing Antigravity launcher from WSL command line(WSL起点で詰まる場合の議論)
https://discuss.ai.google.dev/t/fixing-antigravity-launcher-from-wsl-command-line/164219 - Antigravity関連記事(概要)
https://www.theverge.com/2025/11/19/24300076/google-antigravity-ai-ide-agent-manager-browser
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