【初心者向け】挫折しないAWSの学び方・進め方ガイド
はじめに
こんにちは!
今回は、これからAWSの学習を始めようとしている方に向けて、初心者におすすめの学習コンテンツや効率的な進め方を紹介します。
この記事では、自分の経験をふまえて、「挫折せず効率的に理解を深められる学習方法」を分かりやすくお伝えします。
これからAWSを学ぶ方の参考になればと思います。
対象読者
- これからAWSの学習を始めたいと考えている方
- AWSを学ぶにあたって、どのように勉強を進めればよいか悩んでいる方
記事を読むメリット
- AWSを効率よく学ぶための具体的な手順や学習ルートが分かる
- 回り道を避けて、挫折しにくい学習方法を知ることができる
いきなり結論
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まずはAWS公式の学習プラットフォーム「Skill Builder」のセルフペースラボ(月額29ドル)を活用して、ハンズオン形式で学習します。
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ハンズオンで手を動かした後はBlack Beltの資料を読み込んで、各サービスの仕組みや使いどころを体系的に学ぶのがおすすめです。
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分からない事はChatGPTなどのAIに質問し、学んだ事もAIに説明してアウトプットする事で理解が定着します。
セルフペースラボとは?
AWSが提供する、自習形式で学べるハンズオン環境です。
マネジメントコンソールを実際に操作しながら、公式の手順書に沿ってAWSサービスを体験的に学習できます。
提供されているラボ教材は約200種類あり、初級から上級まで幅広く用意されています。
各教材の所要時間は1~2時間程度です。
サービスの変更に伴って、コースの内容も適宜アップデートされています。
たまにメンテナンス中で触れないコースもあります。
メリット
まずはセルフペースラボを触ってみて、私が感じたメリットを挙げてみたいと思います。
1. 安心安全な学習環境
セルフペースラボで提供されるのは、AWS公式の完全なサンドボックス環境です。
この環境内で行った操作は、たとえ手順書から外れていても追加の課金は発生しません。(手順書から外れた操作はできないように制限されています。)
そのため誤って高額なリソースを立ち上げたり、削除し忘れて課金されたりといった心配はありません。
一方で、自分のAWSアカウントを使って学習する場合は、
- リソースの削除漏れによる想定外の課金
- セキュリティ設定の不備によるアカウント侵害
- 誤って認証情報を外部公開してしまうことによる乗っ取り被害
といったリスクが伴います。AWSに不慣れな最初の時期ほど、このような事故が起こりやすいため注意が必要です。
その点サンドボックス環境であれば失敗を気にせず安心して手を動かすことができるため、学習に集中しやすくなります。
2. 手間がかからない
セルフペースラボでは、学習用の環境構築や削除をAWS側が自動で行ってくれるため、手間がほとんどかかりません。
利用開始時には必要なリソースがすぐにプロビジョニングされ、学習が終われば依存関係を気にせず、ワンクリックで安全に削除できます。
一方、自分のAWSアカウントでハンズオンを行う場合は、以下のような作業が発生します:
- IAMやMFAなどの初期セキュリティ設定
- VPCやEC2などの学習環境の構築作業
- 学習後には、リソース間の依存関係を考慮しながら一つずつ削除
- 削除漏れによる課金を防ぐため、残っているリソースやコストのチェック
このように、自分で環境を構築する場合は「始める前」と「終わった後」の両方に手間がかかりがちです。
セルフペースラボなら学習の開始・終了がスムーズに行えるため、初学者にとって大きなメリットとなります。
3. 機能ごと、ちょうどよい粒度で学習できる
AWSの各サービスには非常に多くの機能が含まれており、学習のハードルになることがあります。
例えば VPC(Virtual Private Cloud)には、次のような多彩な機能が備わっています:
- サブネット、インターネットゲートウェイ、NATゲートウェイ、ルートテーブルなどの基本ネットワーク構成
- セキュリティグループやネットワークACLなどのアクセス制御
- VPCフローログによるトラフィックの可視化
- ゲートウェイ型・インターフェース型のVPCエンドポイント
- VPCピアリングによるVPC間の1対1接続
- トランジットゲートウェイによる複数VPCの統合接続
このように1つのサービスに多くの概念や機能が詰まっているため、学びたい機能にたどり着くまでに時間や手間がかかることもあります。
たとえば「VPCピアリングだけ試してみたい」と思っても、まず2つのVPCを構築し、それぞれに必要な設定を入れて…と、準備だけで時間を取られたり、課金リスクが気になって断念するケースもあります。
その点、セルフペースラボでは特定の機能にフォーカスしたコースが用意されているため、自分が今まさに学びたい内容をちょうどよい粒度で無駄なく学習できます。
デメリット
次に、セルフペースラボを触ってみて私が感じたデメリットを挙げてみたいと思います。
1. 自由にシステムを組むのには不向き
セルフペースラボは特定のサービスや機能に絞ってピンポイントで学習できるのが大きな強みです。
一方で複数のサービスを組み合わせて、自分なりにシステム全体を構築するような学習には向いていません。
というのも、セルフペースラボでは手順書に沿った操作以外は制限されているため、自由に構成を変えたり独自の設計でシステムを組むことができないからです。
そのため、より実践的に複数のAWSサービスを組み合わせてシステムを構築してみたい場合は自分のAWSアカウントで環境を作る必要があります。
その他のハンズオン教材について
次に、セルフペースラボ以外の代表的なハンズオン教材について、実際に触れてみた感想をまとめます。
AWS 初心者向けハンズオン
「AWS Hands-on for Beginners」として親しまれているAWS公式のチュートリアルコンテンツです。
動画形式で学習が進められるスタイルで、AWSアカウントを作成し初期設定を済ませたうえで、動画に沿って実際にAWS上にシステムを構築していくという内容になっています。
動画の最後にはリソースの削除手順も紹介されているため、指示通りに進めれば過剰な課金の心配も少なく安心して取り組めます。
この教材のメリット
- 複数のサービスを組み合わせて構築する体験ができ、システムの全体像をつかみやすい
- 環境や構成を自分で自由にカスタマイズできるため、応用的な学習にもつながる
注意すべき点(デメリット)
- 内容が古くなっている場合がある
例:Cloud9 や CodeCommit など現在は新規受付を停止しているサービスが含まれていることがあるため、自力で代替サービスを使う工夫が必要になります - セルフペースラボに比べて手間がかかる
アカウント作成や環境構築が必要であり、カスタマイズやトラブル対応も自力で行う必要があります
流れとしては、まずはセルフペースラボで主要サービスの使い方を学習し、安全な環境で基礎を固める。
その後にこのハンズオン教材に取り組めば、より実践的な構成力や応用力を身につけられると感じました。
ただし、教材の更新頻度やある程度の自己解決力が求められる点には注意が必要です。
Udemyなどのハンズオン教材
こちらも「AWS 初心者向けハンズオン」とメリット・デメリットはほぼ同じかなと思います。
ただしUdemyの教材は価格帯が幅広く、数千円~数万円のものまで存在します。
そのため購入した教材が自分に合わなかったり、途中で詰まって挫折してしまった場合、金銭的・モチベーション的なダメージが大きくなりがちです。
そのため最初は月額制で始められるセルフペースラボで基礎を固めてから、必要に応じてUdemyの教材に挑戦するという流れの方が個人的には安心だと感じました。
BlackBeltとは?
AWS Black Belt オンラインセミナー資料一覧(公式)
AWS Black Beltは、AWS Japanが提供している公式の技術解説コンテンツです。
各サービスの仕組みや活用方法について体系的にまとめられたスライド資料が数多く公開されており、AWSを理解するための学習リソースとなっています。
セルフペースラボなどで実際に手を動かしてサービスの操作感をつかんだ後に、このBlack Belt資料を使って概念や背景知識を補完すると理解がより深まります。
生成AIの活用
ChatGPTなどの生成AIを活用することで、AWS学習の効率を大きく高めることができます。
生成AIの回答は必ずしも正しい保証はありませんが、分からない事のヒントを得たり、構築時の細かいオプションの意味や使いどころを調べたりするには非常に便利です。
また、自分の言葉で学んだ内容をAIにアウトプットしそれを添削・フィードバックしてもらうことで理解の定着にもつながります。
学習の補助ツールとしては非常に優秀なので、もし予算に余裕がある場合は生成AIサービスを活用することをおすすめします。
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