スプリントでは「分からないこと」から始めよ - リスクファーストのタスク管理
スプリントでは「分からないこと」から始めよ - リスクファーストのタスク管理
スプリント計画を立てる際、あなたはどのような順序でタスクに取り組みますか?
「確実にできることから始めて、最後に難しいことをやろう」
多くの人がこう考えがちですが、実はこれはスプリントという時間が限られた期間においては危険な判断かもしれません。
「分からないこと」を先にやるべき理由
わかっていることからやるのか、それとも分かっていないことからやるのか。
スプリントという期間を切ってコミットメントしていくのであれば、リスクの高い分かっていないことから取り組むのを推奨したい。
なぜなら、分かっていないことに先に取り組み、結局「分かりませんね」となるのであれば、それは出来ないということなので、コミットメントしたことを取り下げることになるからです。
早期のダメージがもたらすメリット
ダメージは早いうちに負ってしまいたい。それであればリカバリーは早く済む。
この考え方には以下のようなメリットがあります:
1. 早期の方向転換が可能
スプリント序盤で「これは無理だ」と分かれば、まだ時間に余裕があります。代替案を検討したり、スコープを調整したりする時間的な余裕があります。
2. チーム全体への影響を最小化
スプリント終盤で大きな問題が発覚すると、他のタスクにも影響が及び、チーム全体の計画が狂います。早期に問題を発見できれば、影響範囲を限定できます。
3. ステークホルダーとの調整時間確保
コミットメントの変更が必要になった場合、早めに分かればステークホルダーへの説明と調整に十分な時間を確保できます。
実践のポイント
リスクの見極め
- 技術的な不確実性があるタスク
- 外部依存が多いタスク
- 過去に似た経験がないタスク
- 要件が曖昧なタスク
これらを最初に特定し、優先的に取り組みます。
バッファ時間の確保
不確実なタスクには十分なバッファ時間を見積もりに含めておくことも重要です。
まとめ
「確実なものから」という安全志向は、長期的なプロジェクトでは有効かもしれません。しかし、短期間でコミットメントを求められるスプリントにおいては、むしろリスクとなる可能性があります。
「分からないこと」から始める勇気を持つことで、より確実にスプリントゴールを達成できるのではないでしょうか。
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