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下流システム障害による上流システムの無駄な対応をなくす方法
下流システム障害による上流システムの無駄な対応をなくす方法
問題:下流システム障害時に上流システムのメンバーが動員される
現在、下流システムが障害を起こすと、上流システムも影響を受け、上流システム側で以下の対応を余儀なくされています:
- 下流システムの復旧を監視
- 障害状況を社内および顧客にアナウンス
- 障害監視やアナウンス対応のために人員を動員
この対応は、下流システムの障害であるため、上流システムとしては特に何もできることがないにもかかわらず、上流システム側で対応が必要となり、無駄にリソースを消耗しています。
この無駄をなくすために、以下の解決策を提案します。
解決策:自動化と責任の分離
1. エラーハンドリングの自動化
上流システムは、下流システム障害時に以下を自動化するべきです:
-
自動通知:障害検知時に、事前に定義されたメッセージを社内および顧客に自動送信
- 「現在、下流システムに障害が発生しています。最新情報は[ステータスページURL]をご確認ください。」
- ステータスページの自動更新:障害状況を自動で更新し、関係者にリアルタイムで通知
- 監視ダッシュボードへのリンク提供:下流システムの監視ダッシュボードを明確に示し、進捗を可視化
2. 通知の委任
上流システムは、下流システムの障害に関する責任を下流側に委ねるべきです:
- 顧客通知は下流システムが行うことを基本とする
- 上流システムは「下流システムの障害状況はこちらをご確認ください」というリンクを案内
- 上流システムの通知はあくまで補助的に
3. 回復処理の自動化
- 上流システムは下流システムが復旧した場合に自動的に再接続・再同期を行う
- APIコールが失敗した場合はリトライを自動化し、正常化されたら通知
4. 人員対応の最小化
- 上流システムに障害が発生していない場合、人員を動員しない
- 障害対応はシステムによる自動化に任せる
- 人員対応は、顧客からの直接の問い合わせが発生した場合のみ
5. SLAと責任分離の明確化
- 下流システムのSLA(Service Level Agreement)を明確にし、障害対応は下流側が責任を負う
- 顧客には「上流システムは下流システムの状況を監視し、更新をお知らせします」というスタンスを明示
このアプローチのメリット
- 人員の節約:上流側での人員確保・動員が不要に
- 自動対応で迅速かつ正確:顧客への通知が即時行われ、信頼性が向上
- 責任分担の明確化:下流システムの障害対応は下流側が担当し、混乱が減少
- 顧客満足度の向上:障害時の対応が迅速かつ透明
まとめ
下流システムの障害が上流システムに波及し、無駄な人員動員や対応を強いられている場合、自動化と責任の分離によって効率化を図ることができます。
- 障害時の自動通知とステータスページの自動更新
- 通知の委任と責任分離
- 回復処理の自動化
- 人員対応の最小化
これにより、無駄を省き、より効率的で効果的な障害対応を実現できます。
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