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【Laravel 10→12】段階的アップグレードガイド

に公開

はじめに

EOL となってしまった Laravel プロジェクトの更新作業を実施することがありました。
本記事は、Laravel 10 から 12 へと段階的にアップグレードを実施した時の手順を解説します。

対象者

  • Laravel 10 以前のプロジェクトを保守しているエンジニア
  • Laravel 11 や 12 へアップグレードする予定がある方
  • ライブラリの依存関係地獄に陥った経験がある方

ステップ1 前提環境の整備

Laravelの更新を行う前に、パッケージ管理ツールであるComposerと、PHPのバージョンを整える必要があります。

Composerのバージョン固定と更新

Laravel 12への移行において、Composerのバージョンは安定性の観点から重要です。今回は互換性を重視し、2系の最新版を利用しました。

# バージョンを確認します
composer --version

# メジャーバージョンを2系に固定して更新します
composer self-update --2

依存関係のリセット

アップグレード時のトラブルの多くは、古い依存関係の残留が原因です。一度 composer.lockvendor ディレクトリを削除し、更地に戻すことで解決することがあります。

rm composer.lock
rm -rf vendor

ステップ2 Laravel 11 への更新

まずは Laravel 11 へ移行します。フレームワーク本体だけでなく、SanctumやBreezeなどの公式パッケージも、Laravel 11と互換性のあるバージョンへ明示的に指定します。

以下のコマンドを実行し、パッケージをインストールします。

composer require \
  laravel/framework:^11.0 \
  laravel/sanctum:^4.0 \
  laravel/breeze:^2.0 \
  nunomaduro/termwind:^2.0 \
  nunomaduro/collision:^8.0 \
  --update-with-all-dependencies

テストツールの更新

Pestを利用している場合、開発用依存関係も更新が必要です。

composer require \
  pestphp/pest:^3.0 \
  pestphp/pest-plugin-laravel:^3.0 \
  --dev \
  --update-with-all-dependencies

PHP 8.3 への引き上げ

Laravel 11 は PHP 8.2以上を要求します。このタイミングで composer.json および Docker環境(Dockerfile)のPHPバージョンを 8.3 へ変更し、コンテナを再ビルドしてください。

ステップ3 Laravel 11 移行時のエラー修正

インストール後、いくつかの破壊的変更によりエラーが発生する場合があります。実際に遭遇したエラーとその修正方法を共有します。

Sanctum v4 の仕様変更対応

エラー内容
Call to undefined method Laravel\Sanctum\Sanctum::ignoreMigrations()

原因と対策
Laravel 11 (Sanctum v4) では、マイグレーションを無効化するためのメソッド ignoreMigrations が削除されました。代わりに設定ファイルを使用する必要があります。

app/Providers/AppServiceProvider.php から以下の記述を削除します。

// 削除対象
// Sanctum::ignoreMigrations();

続いて、config/sanctum.php に以下の設定を追加します。

'migrations' => false,

PSR-4 オートロードの厳格化

エラー内容
クラスが見つからない、またはオートロードが機能しない。

原因と対策
新しいバージョンでは、PSR-4準拠(ファイル名とクラス名の一致)がより厳格にチェックされる場合があります。
今回のケースでは、ファイル名のスペルミスが原因でエラーとなりました。これを正しいクラス名対応させたファイル名に修正することで解決しました。

修正後は必ずキャッシュをクリアし、変更を反映させます。

php artisan config:clear
composer dump-autoload

ステップ4 Laravel 12 への更新

Laravel 11 環境での動作が安定したら、いよいよ Laravel 12 へ移行します。手順はフェーズ1と同様ですが、依存解決をよりクリーンに行うため、再度依存ファイルをリセットすることを推奨します。

# 依存関係のロックを解除
rm composer.lock
rm -rf vendor

# 再インストール(Laravel 12指定)
composer require \
  laravel/framework:^12.0 \
  laravel/sanctum:^4.0 \
  laravel/breeze:^2.0 \
  nunomaduro/termwind:^2.0 \
  nunomaduro/collision:^8.0 \
  --update-with-all-dependencies

更新完了後、以下のコマンドで環境を最適化します。

# キャッシュクリアと最適化
php artisan optimize:clear
php artisan package:discover
php artisan migrate

ステップ5 動作確認とセキュリティ監査

アプリケーションが正常に動作していることを確認します。

脆弱性スキャン

Composerには脆弱性データベースと照合する機能があります。移行作業の仕上げとして実行します。

composer audit

期待される結果
No security vulnerability advisories found

動作確認チェックリスト

最終確認として、以下のような項目を確認し、問題がなければ移行は完了です。

  • ブラウザでトップページが表示されること
  • ログイン・ログアウト機能が正常に動作すること
  • php artisan serve でエラーが出力されないこと

おわりに

定期的にやってくる大規模なメジャーバージョンアップは、大変な印象を持っている方も多いと思います。私自身も依存関係地獄にハマってしまい、なかなか思ったようにライブラリやフレームワークの更新が進まないことが多々ありました…。もし同じような状況の方がいればぜひ本記事を参考にしていただきたいです。本記事がプロジェクトのアップグレードの一助となれば幸いです。


株式会社ONE WEDGE

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ONE WEDGEはServerlessシステム開発を中核技術としてWeb系システム開発、AWS/GCPを利用した業務システム・サービス開発、PWAを用いたモバイル開発、Alexaスキル開発など、元気と技術力を武器にお客様に真摯に向き合う価値創造企業です。
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