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AI時代にシステムエンジニアとして楽しみを見出すには

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🎄 WiseVine Advent Calendar 2025 – Day24 🎄

この記事は、WiseVine Advent Calendar 2025の記事です。

はじめに

WiseVine
株式会社WiseVine で PdM みたいなことと EM みたいなことをしている i88seven です。
とはいえ、社会人になってから10年間のキャリアをシステムエンジニアとして過ごしたこともあり、開発の仕事も好きです。

AIの波

システムエンジニアとして働いている方々にとっては、AIの波は人生を揺るがす出来事になっていることと思います。
自分も開発が好きなシステムエンジニアとしてAIコーディングについては想いを巡らせることがあります。
色々な有名人が論じているトピックかと思いますが、自分なりの想いを「AI時代にシステムエンジニアとして楽しみを見出すには」を踏まえつつ考察していきます。

想定読者

  • これから自分の仕事はなくなっていくだろうと悲観視しているシステムエンジニア
  • ある程度の技術力はありつつ、システムエンジニア以外の仕事をされている方々
  • 全てのAIコーディングをされているシステムエンジニア

本題

AIの波のせいで、開発がおもんない

自分がどれだけ開発が好きか

自分は昔から頭の体操などのクイズ本が好きで、本棚にはたくさんのクイズ本と少しの漫画があるような少年でした。
頭の体操
また、小学2年生から高校生までそろばんをやっていたこともあり、計算やロジックには強いタイプでした。
そんな少年が社会人になって開発を始めたこともあり、 ロジック周りを考えるのは非常に楽しかった です。

どのぐらいロジックを考えるのが好きかというと、「麻雀の役判定のロジックを実装したい!」という動機だけで 1vs1の麻雀アプリを個人開発したぐらいです。
(↓アプリのロゴ。ロゴとかデザインは妻に作ってもらった)
タイマン麻雀
特に役判定ロジックを書いている時はめっちゃ楽しくて、全ての役のロジックを書き終わった時には、楽しいゲームを全クリしたみたいな悲しい気持ちになりました。

このロジックを考える楽しみを奪っていくのがAIコーディングです。
AIマインスイーパの話題に似た話ですが、開発でも楽しく考えるパートをAIに奪われていると感じています。

色々な分野でAIが楽しみを奪っている?

システムエンジニアはまだマシという話をします。
特に顕著におもんなくなっているのが音楽・絵・小説などの芸術領域ではないでしょうか?
自分も作曲をするのですが、AI作曲が出てきたことにより、自分で作った曲も「AI作曲なんじゃないの?」と言われる不安感があります。
質についても、DJ松永ですら「ちょっと良いなと思っちゃった」と言うぐらい(参考)ですし、作曲の知識をつけたり細かいことにこだわったりすることに対するリターンが相対的に減っていると感じます。

一方、ボードゲーム界隈では楽しみ方が復活しているらしい

囲碁とかチェスなどのボードゲームもおもんなくなったと言われていましたが、最近では 人間vs人間 に限定した楽しみを生むようなムーブメントも起きているようです。参考

AIがどれだけ発達しても、人間同士が真剣勝負を繰り広げることにこそ、競技としての魅力が宿るということである。人間同士だからこそ、対局者は心理を揺さぶられ、観戦者はその棋風や人間性を味わうことができる。勝敗以上に、そこににじみ出る“人間らしさ”こそが、将棋やチェスを楽しむ醍醐味となっているのだ。

100m走でバイク使ったら面白くないよね。というのと同じで、AIを使わないボードゲームとして楽しみが復活しているんですね。

では、システムエンジニアリングには「人間らしさを楽しむ醍醐味」はあるのでしょうか?自分は、ほぼNoだと思います。
競プロなどには残るのでしょうが、ビジネス上のプロダクト開発において人間よりAIの方が優れているのであれば、AIを使う判断をするでしょう。

特別な時間の終わり

「エンジニアに許された特別な時間の終わり」というバズったスライドがありましたが、エンジニアだけではなく 「知的活動に許された特別な時間の終わり」 になっているのではないかと思います。
システムエンジニアリングや音楽や絵だけではなく、あらゆる知的活動に許されていた特別な時間(=技術力が専売特許だった時間)が終わっていくのでしょう。

アイデア出しなども知的活動の一部で、特別な時間が終わりつつあると思います。
先日「正解のないクイズ」というテレビ東京の番組の中で「今の時代に合った新しい形の恋愛リアリティーショーを考えてください。」というお題があったのですが、「参加者の半分が嘘つきという嘘をつく」という回答を Gemini が出していました。
結局これがベストアンサーになったのですが、企画というアイデア勝負の場ですら、AIは人間に追いついている現状なのだと思います。

それっておもんないの?

少なくとも自分は、技術力による自己肯定感にも楽しさを見出していたのですが、 AIが技術力をコモディティ化したことで、その自己肯定感が失われている と感じます。
人によって楽しさは様々ですが、このような感覚の人は多いのではないでしょうか?

ロジックを考えることを純粋に楽しむような人でも、「自分よりも AI の方が優れたアウトプットを出す」と感じるのであれば、それが劣等感になって楽しさが失われるでしょう。

AI作曲周りでも同じような意見を見た

AI作曲に思う事

は?クリエイターに対するリスペクトが感じられないのに
生成した曲でクリエイター気取りとか?
はぁ?曲を作る事に関して勉強したり努力したりしてないのに
生成した曲で称賛を得るとか?
ふざくんな!!
こちとら一生懸命作った自信作でもそんなに沢山いいね貰った事無いってのにどないなっとんねん おぉん?
ムキーッ悔しい

めっちゃ分かる この気持ち

AI時代にシステムエンジニアとして楽しみを見出すには

AI時代での技術力の必要性

AIコーディングをしていると、確かに動きはするんだけど良くないなぁ というコードを出してくることがあります。
これに対して、「この観点漏れていませんか?」と指摘をすると修正してくれます。
この 「AIが見落とした観点を指摘できる」 というのがシステムエンジニアの技術力が活躍する場面になります。

技術力がコモディティ化したからこそ、たくさんある正解からどの軸を抜き出せばいいか選べない。これがAIと人間との差だと思います。
スキルも経験もドメイン知識もないと適切な観点は指摘できない ので、AIに対するレビュワーの存在として技術力のあるシステムエンジニアが必要になります。
技術力による自己肯定感を保つポイントはここだと思います。

エンジニアリングの楽しさってなんだった?

自分が思う「フロントエンジニアとしての楽しさ」を要素分解するとこうなります。

  • ロジックを考える のがパズルゲームを解くみたいで楽しい
  • 新しい技術を習得する と自分がレベルアップした感じがして楽しい
  • 自分の書いたコードが 実際に動作する のが楽しい
  • 作ったものを「すごーい」って 社内メンバーから褒めてもらう のが楽しい
  • 自分の作ったプロダクトで ユーザーが喜んでくれる のが楽しい
  • 自分の作ったプロダクトで 業界が変わっていく のが楽しい

前述の通り、前半3つの楽しみはAIの波により失われてきています。
そうなると、エンジニアとして楽しく仕事をしたいのであれば、 ユーザーや業界にもっと向き合い、その中に楽しみを見出す ことの必要性が相対的に上がってくるのだと思います。
この楽しみを見出すためには 好きなドメインで働くべき です。

興味のないドメインでエンジニアをすること

自分の話ですが、前職ではリテールテック業界のプロダクトを開発していました。
小売に興味はありませんでしたが、技術力をつけたかったのと、新しい開発チームが立ち上がるなどのタイミングの関係で入社を決めました。
6年間プロダクトチームの中心となって開発してきたことで、一通りの技術力はつきました。
ただ、小売のドメインは最後までほとんど好きになれませんでした。
技術力がつくとある程度のドメイン知識も必要になってきますが、その習得が苦痛になってきます。
そんな経験もあるので、 技術力がコモディティ化されたAI時代に、好きではないドメインで働くのはおすすめできません 。

好きなドメインの見つけ方

とはいえ、エンジニアと会話すると「好きなドメインなんて簡単に見つからない」という人は多いのだろうと感じます。
ここからはキャリアに近い話ですが、システムエンジニアとして楽しく過ごすには必要な話なので、「どうやったら好きなドメインが見つかるか」の私見を語ります。

自分の現職である WiseVine は自治体向けのシステム開発会社です。
元々自分は「教育か音楽」が好きなドメインであって、興味がある範囲ではなかったんですよね。
でも、教育のドメインが好きな理由の本質を考えると「将来の日本のために優秀な人を育てる必要がある」という課題感であり、それは行政の抱えている「現在の日本のために働いている優秀な人が、その優秀さを活かせていない」という課題感と本質的には同じだと気付きました。(当時面接した CTO にうまく説得されました)

このように「自分の好きなこと」の本質を考え、そこに合致していくポイントに対して納得する理由を探すことで、「このドメインのここが好きかも」を見つけることができると思います。

AI時代にシステムエンジニアとして楽しみを見出した先にあるもの

好きなドメインで働くと、どうなるか?

WiseVine に転職してからは「ユーザーにプロダクトを届ける」の楽しさを感じながら開発をしていました。
そうすると「ユーザーってこう考えてるんじゃないの?」とか、「ここ使いづらいんじゃないの?」といった疑問が湧いてくるようになりました。
開発なのに一丁前にそんな疑問を投げていたら、「じゃあ君が何を作るか考えてみなよ」となり、今では PdM の仕事を中心に働いています。

振り返ると、

好きなドメインで働く
↓
ユーザーにもっといいものを提供したくなる
↓
疑問や仮説が浮かび、 プロダクトに対して意志が芽生える
↓
プロダクトマネジメントを任せられる
↓
ユーザーにより大きい価値を届けられる

のように自分のキャリアは進んでいきました。
システムエンジニアの楽しみをユーザーや業界に見出したことで、キャリアアップにも繋がりました。

まとめ

  • AIの波でシステムエンジニアの技術力がコモディティ化した
  • しかし、AIが見落とした観点を指摘する場面で技術力は依然として必要
  • 技術力がコモディティ化したことにより、ロジックを考えたり技術を習得する楽しみは減った
  • そのため、相対的に「ユーザーや業界に向き合うこと」に楽しみを見出す必要性が高まる
  • そのためには好きなドメインで働くべき。もしくは、ドメインが好きな理由を見つけるべき
  • Let's enjoy system engineer life with AI !
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