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プロダクトエンジニアが自治体財政のドメイン用語をかんたんに説明してみた

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🎄 WiseVine Advent Calendar 2025 – Day 1! 🎄

WiseVineとしては初めてのアドベントカレンダーがスタートしました!

今回はエンジニアだけじゃなく、デザイナー、ビジネスサイド、バックオフィスなど、いろんな職種のメンバーが日替わりで記事を書いていきます!
技術の話から、日々の工夫、チームでの取り組み、最近ハマってることまで、幅広い内容が登場する予定なのでぜひお楽しみに。

記念すべき1日目は、自治体財政のドメイン用語の話をしていきます!
昨今、国会視聴するなどして、行政に関心を持つ方も増えてきているという話も聞きます。
そんな方々がより深い理解をもって内容を聞けるようになればいいなと思ってます。

コーヒー片手に、気軽に読んでいってもらえたら嬉しいです ☕️

会計年度独立の原則

各年度に支出すべき経費の財源は、その年度における収入によって調達すべきこと(引用元

つまり?

「その年の歳出(=支出)はその年の歳入(=収入)だけで賄いましょう」ということ。

なんで?

納税者に適切に還元するため。

納税者が将来ずっとその土地にいるわけではない。他県や海外などに引っ越すかもしれない。
「余ったから貯めて、将来使おう」ということになると、そのとき納税した人に適切にサービスが還元されないことになってしまう。

かんそう

企業と自治体の違いを象徴するものな気がする。
決算剰余金、繰越予算、債務負担行為など、例外はあるらしいけど、それでもとってもいい考えだなと思った。

予算単年度主義の原則

予算は年度ごとに作成し、翌年度以降の予算を拘束してはならないとする原則(引用元

つまり?

「予算は年度毎に決めるよ、未来の予算をまとめて決めるのはだめよ」ということ。

会計年度独立の原則は「今年の収入は今年の支出に充てよう」ということ。
一方、予算単年度主義の原則は「複数年分の予算をまとめて決めちゃだめよ」ということ。

なんで?

この原則があるので、毎年その時の議会で承認し、公表することになる。
つまり、最新の選挙で選ばれた議員が、最新の情報で予算を判断できる。

年度毎に区切られているのでわかりやすい。
チェックしやすく、議会、国民が監視もしやすい(負債、不正、浪費の抑止)。

へいがい

使い切り予算
余った予算の繰越が制限されているため、その年に使わなければ、「去年使い切らなかったんだから今年は予算減らすね」となりがち。
結果的に「減らされたくないから、無理にでも使う」というインセンティブが生まれてしまう弊害。

近視眼的な政策推進
単年度で見るために、短期の成果・即効性・年度内の実績ばかりを重視し、長期的な利益や社会の持続可能性が結果的に軽視されてしまう弊害。
中長期的な投資や構造改革が進みにくい要因の一つ。

かんそう

納税者から得たお金を大切に使うためのいい仕組みな気がした。
一方で、弊害の内容もとても悩ましい問題、あちらを立てればこっちが立たず。むずかしい。

受益者負担

公共サービスなどの事業によって利益を受ける人が、利益の度合いに応じて、その事業にかかる費用を負担すべきであるという原則。(引用元

つまり?

「県営プールは税金だけで運営するんじゃなくて、プール使用料をとって運営費用にしようね。だってプール使わない人が損でしょ。」ということ。

かんそう

言われてみれば「そりゃそうか」って感じなのですが、初めて聞いたときは「なるほど」となる考えだった。

一般財源と特定財源

一般財源

一般財源とは、使途が特定されず、どのような経費にも使用することができる財源をいう。(引用元

特定財源

一般財源に対する区分で、使途が特定されている財源(引用元

つまり?

一般財源
なんにでも使っていいよー。

特定財源
プール使用料をプール運営費以外に使っちゃだめー!

余談:道路特定財源制度

2025年11月12日(水)の国会で、国民民主党の榛葉幹事長が行った国会質問の一つに次のものがありました。

「自動車重量税って当時は道路特定財源でしたが、いつの間にか一般財源になっちゃましたね。なぜですか?」(引用元

これは、「財源が道路に関する歳出(=支出)を上回るようになってきたので、道路以外の歳出に充てられるように変更したこと(参考)」に対する言及です。
「歳出上回るようになった分、自動車の税を下げるんちゃうんかーい」っていうツッコミだったわけですね。

余談:宝くじ

弊社の社内イベントの景品が宝くじだったことがあります。

宝くじの収益金は、発売地域の都道府県及び指定都市の財源になります(参考)。
「公共事業に充てられる」という特定財源です(公共事業なのでとても範囲が広い特定財源)。
自治体と伴走しつつ、参加者も盛り上がる、弊社らしい景品だなと思いました。

さいごに

この記事では、自治体財政でよく出てくるいくつかのキーワードをざっくり紹介しました。

実務の世界では、今回触れられなかった例外や細かいルールがまだまだたくさんありますが、「なぜそうなっているのか?」という背景を知っておくと、ニュースや議会中継の聞こえ方が変わってくるのかなと思います。

明日以降も、いろんなメンバーの記事が続きます。引き続きお付き合いいただけると幸いです!

SpecialThanks

弊社に在籍する元財政課職員の皆さん。
ドメイン知識共有会(社内勉強会)、用語集の作成、チャットや会議での丁寧な説明のおかげでこの記事を作成できました。ありがとうございます。

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