ラズパイリモート環境「Mender」は役に立つが1年後に消える
はじめに
IoTにおける悩みの一つに「現場にあるデバイスをどうデバッグするか」があります。
その解決策の一つが Mender です。
Freeプランがあり、商用利用もOK。
ブラウザを使ってRaspberry PiへSSH接続も可能です。
過去には日本からラスベガスにあるRaspberry Piへログインしたこともありました。
「これは便利だ!」と思ったのも束の間。
その代償が、1年後に訪れるとは…。
Menderとは
Mender は、組み込みLinux向けのOTA(Over-The-Air)アップデート管理プラットフォームです。
詳しくは、以下のCODEGEAR様のZenn記事が非常に丁寧にまとまっているので、ぜひご覧ください。
Menderには多くの機能がありますが、筆者が最も重宝しているのが Remote Terminal 機能です。
Freeプランでも10デバイスまで利用可能(クレジットカード登録不要)ですぐに使い始められます。
使ってみた感想
展示会場に設置する機器のデバッグに活用できる点が非常に便利です。
また、インストールも簡単で、ブラウザに表示されるコマンドをRaspberry Pi上で実行するだけ。
手軽かつ強力なツールだと感じました。
冒頭でも触れましたが、日本からラスベガスのCES会場に設置したRaspberry Piへ接続したことがあります。
以下の記事で紹介しているライトロボット「LIGHTONY」はラズパイで制御されており、他のロボットと連携動作していました。
その際のデバッグにもMenderが非常に役立ちました。
そしてその日はきました。
さまざまな機器に導入していたある日、遠隔地にあるデバイスの動作確認会を行うことになりました。
現地チームと、私を含むリモートチームに分かれて確認作業を進めることになりました。
デモの1週間前にはMenderを通じて事前接続のテストを行い、問題なく通信できていたため、「これで当日も安心だ」と思っていたのですが...。
無慈悲なアカウント削除
動作確認会が始まり、Menderにログインしようとすると、アカウントが削除された旨のメッセージが表示され、ログインできませんでした。
調べてみたところ、Freeプランでは、登録から1年経過すると、警告なしでアカウントが削除される仕様でした。
同様の事象に遭った例も報告されています。
ちなみに、その後は別のアカウントを作成し、MenderインストールコマンドをGoogle Docsで現地チームに共有、Raspberry Pi上で実行してもらい、何とか対応できました。

インストールコマンドの様子。
JWTが含まれているため、口頭での指示は不可能です。
おわりに
Menderは、本当に便利なツールです。
特にRemote Terminal機能は現場でのトラブル対応に役立ちます。
ただし、Freeプランの「1年ルール」 には注意が必要です。
商用利用や長期運用を考えている場合は、有償プランの検討も視野に入れておくと安心です。
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