骨盤矯正ってどこを測ってるの
まず、解剖学での骨盤とは【医歯薬出版株式会社 解剖学 第一版第9刷発行】によると
・骨盤は寛骨・仙骨・尾骨からなる
・寛骨は恥骨結合・仙骨と連結(仙腸関節)する
・骨盤は分界線(岬角弓状線→恥骨櫛→骨結合の上縁を結ぶ稜線)を境に、上方の大骨盤と下方の小骨盤(狭義の骨盤)とに分けられる
・大骨盤には腹腔内臓、小骨盤には骨盤内臓
・小骨盤の内腔は骨盤腔、その入り口が骨盤口(分界線が骨盤上口の縁をなす)、出口が骨盤下口
・女性は妊娠出産に適合するために性差
・骨盤腔の大きさの計測(骨盤計測)に用いられる諸径のうち最も重要なのは真結合線
・真結合線(産科結合線):岬角の中央と恥骨結合後面中央の間の最短距離
・日本人女性の真結合線の平均値は約11〜12cm(9.5cm未満の場合を狭骨盤と言い、正常成熟児の分娩に機械的障害を起こす)
・真結合線の直接測定は生体では不可能であるので実際は次の部位を計測し間接的に真結合線を求める
・対角結合線:仙骨岬角と恥骨結合下縁中央を結ぶ線
・棘間径:左右の上前腸骨棘を結ぶ線
・第5腰椎棘突起と恥骨結合上縁を結ぶ線
真結合線=対角結合線-1cm=棘間径-11cm=外結合線-8cm
まとめると
・解剖学上、骨盤計測で重要なのは真結合線
・実測は不可能なので左右の上前腸骨棘を結ぶ線-11cm
では巷の骨盤矯正はどこを測定しているのか。
骨盤矯正をしている職場で働いていたときは坐骨をグイグイ押して下部腰椎をボキボキ鳴らして終了。
チェーン店へ受けに行ったときは、立って手を組んでください→体重をかけて耐えられますかテストで耐えられたら骨盤歪みなくなりましたという判断。
2店舗でしか受けていないがいずれも計測はしていない。
骨盤の外径や厚みの測定するために「マルチン骨盤計」という計測器がある。骨盤のどこを計測するのかは明記されていないが骨目標としてわかりやすい上前腸骨棘が妥当か。
骨盤矯正モニターとしてビフォーアフターを上前腸骨棘のレベル(高さ)で周径測定させてもらおう。
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