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n8nを用いて社内業務のドラスティックな業務改善を狙おう! ~導入編~

に公開

Ubie ソフトウェアエンジニアの syu_cream です。最近は社内生成AI活用周辺においてなんでもやるマンをやっています。
今回の記事では、最近 Ubie で活用し始めている AI ワークフロー n8n について紹介していきます。

はじめに

みなさんの企業では社内でどれくらい生成AI活用が進んでいますか?進行具合は組織ごとそれぞれかと思いますが、世の中の汎用生成AIサービスがエンタープライズ向けにも拡充されてきた今、ある程度の活用をするハードルは低いものになってきたのではと思います。

Ubie では数年前から内製の社内生成 AI プラットフォーム「Dev Genius」を運用しており、国内では早い時期にこのトレンドに乗り社内での活用浸透も相対的に進んでいる方なのではと自負しております。

https://zenn.dev/ubie_dev/articles/ee95c03794f47f

他方、単一の AI エージェントのチャット・セッションでできることは限られます。ある程度の活用を進めてコンテキストエンジニアリングにも踏み込み社内情報を活用できたとしても「実世界の業務を人間から剥がす」などの本当に辿り着きたい価値に辿り着くにはさらなる障壁があるでしょう。例えば...

  • 超複雑なことはできない。途中で諦める。やれるアクションにも限りがある
  • コンテキストウインドウが狭い。忘却したり停止する
  • 動作がボラい。型がある業務では決定的に動く処理も欲しい

これらの原因ゆえ、複雑な業務の AI DX をしたいとなったときに諦めてしまうシーンもあるかと思います。他方我々は社内業務においても「非常に大胆に」 AI 活用をしていくビジョンを掲げています。一例として、「コーポレート業務の90%を生成AIに代替する」という目標を打ち出しています。

https://note.com/legal_nerine7303/n/n62c9081233f8

この目標と現実的な手段のギャップに対して、 Ubie では次の一手として、 AI フレンドリーなワークフローシステムを導入することを検討し、その結果 n8n の Business Plan の導入を決定しました。

なぜワークフローか。なぜ n8n か

汎用AIエージェントのネクストステップとしてのAIワークフロー

汎用AIエージェントの実務上の課題に対してなぜワークフローか。それは、「良い次のステップ」だからです。
Ubie においては「Dev Genius」によって社員のほとんどが生成 AI を日常利用するようになりました。これを活用するにあたり、 MCP など小難しいセットアップはプラットフォーム側で吸収されて、社員はプロンプトとちょっとした設定をするだけで社内システムと接続された AI エージェントが手に入るようになっています。これは手軽であり爆発的に利用が進みはしたのですが、前述のような限界もあります。
この「プロンプト」と「MCPによるアクション」の組み合わせを進化させたものの一つに順当にワークフローはあると考えました。プロンプトで駆動する AI と、その上流・下流に必ず実行されるアクションを配置するという構造は次のステップとして受け入れ可能なものだと考えます。

ワークフローの導入において既存ツールを極端に食い合わせたりせず、徐々に手札を増やし好きなように組み合わせるのが良いと考えました。それぞれのツールのポジションを大まかに考え、「どのツールを使うべきかわからない」疑問に思想レベルで回答できるようにしています。

技術選定と n8n の採用

AIフレンドリーなワークフローは既に複数種類があり、代表的なものだと

  • Zapier
  • Dify
  • n8n
  • ...

があると思われます。これらの選択肢に対して、以下のような観点をより充足するものを選りすぐるべく調査と選定を行いました。

  • グラフ的な構造に沿ったワークフローの開発と実行ができること
  • 分岐・合流( fan in/out )ができること
  • 分岐、ループなどの制御フロー ( if, while, ... )が実現できること
  • 自動定期実行ができること
  • AI による処理が実行できること
  • ワークフロー上でMCPを活用できること
  • ワークフロー上で外部通信する時に、お好みの認証方式が使用できること
  • ワークフローシステムへの操作を API 越しに行えること
  • 構成がシンプルであり運用負荷が高すぎないこと
  • 処理ノードを追加する拡張性があること
  • Slack から実行できること
  • Google Cloud のプロダクトとの接続が容易なこと
  • ワークフローシステムへの操作を MCP 越しに行えること
  • ワークフローシステムに蓄積されたデータを ETL 的に取り出して処理できること
  • サブエージェント・サブワークフローの実行ができること
  • ビルトインRAGがあること
  • ワークフロー上で外部 WebAPI をコールできること
  • ワークフローシステムに対して Google 認証でログインできること
  • ワークフローのインポート・エクスポートができること

結果として、以下が特に優れているとして n8n の導入に踏み切りました。

  • ワークフローシステムとして機能が充実している
  • グローバルで活用事例が多く、世の中の知見が多い
  • OSS になっていてコードベースの理解もしようと思えばできるし、拡張性もある
  • AIワークフローを構築するに当たって十分な機能がある(トリガー、 AI エージェントノード)

導入して約一ヶ月後の現在地、成果の予兆

Ubie では n8n を 10 月末に導入して、そこから一ヶ月と少々が経過しています。まだまだ基盤の整備がひと段落ついたところであり、ここから社内浸透を狙っていきたいところですが、速報値として

  • 約 8% の社員が早速ワークフロー開発に参加している
  • 約 15% の社員がワークフローの活用をし始めて「とりあえず触れてみた」状態になっている

という結果が得られています。短期間のうちに手応えは感じ始められる成果が出ているとはいえそうですが、 キャズム理論 でいうところのキャズムを超えてはいないことから、浸透の本当の課題が見えてくるのはここからと言えそうです。今後の浸透に関しては、以下の記事を執筆している tamosan とタッグを組んで、社内勉強会開催やサンプル提供などの活動を通してイネーブリングを進めていく次第です。

https://note.com/tamosan_01/n/nfab36ff0f5f3

現時点でも汎用的に作られたワークフローを複数人で活用するシーンが生じています。例えば、最近の仕事内容から AI にフィードバックをもらったり...

社内問い合わせのうち対応が滞っている・長期にわたっているものをリマインドしたり...

Google カレンダーの予定データをもとにミーティングのスケジュール調整をさせてみたり...

はたまた、 Nano Banana Pro に画像生成させてみたりなどのシーンが登場してきています!

ワークフローシステムのような初心者にはやや難しさがある仕組みも、「社内でみんなでアセットを再利用する」「知見を共有しあえる」「ちょっと面白いネタでワイワイ盛り上がれる」仕掛けを施すことによって、一定レベルまでの浸透は狙えるかと考えています。

https://zenn.dev/ubie_dev/articles/6fd1dd202c0e07

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