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"世界変わる"——非エンジニアでもできる、 Claude Code による n8n ワークフロー開発

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こんにちは。 Ubiesyucream です。最近は組織開発とか生成AI社内活用とかやってます。

「業務を一番よく知っている人が、自分で自動化できる。」 この状態を、AI の力でどう実現するか。本記事では、 Ubie が Claude Code と n8n を用いたワークフロー開発効率化・民主化による業務効率化の実例を紹介します。


「一番無理な仕事かも」

社内の業務自動化ツール n8n について、あるメンバーがこうコメントしました。

n8n は、さまざまなサービスを「つなぐ」ことで業務を自動化する AI ワークフローシステムです。しかしそのワークフローを正しく組み上げるのは一定の習熟が必要な程度に困難です。エンジニアでも骨が折れる作業だし、非エンジニアにとっては文字通り「無理な仕事」で、人を選ぶ作業になります。

それが今、 自然言語で業務フローを説明するだけで、ワークフローがシュッと自動生成 できるようになりました!「え、すご、やば。これテンション上がるわ。これはちょっとね、世界変わる。」社内勉強会でデモを見たメンバーからそういった第一声を頂きました。

Ubie では事業が拡大・複雑化するにつれ、社内の業務自動化ニーズは爆発的に増えていきました。採用プロセスの通知、ナレッジの集約、データ分析レポートの自動生成...あらゆるチームが「この作業を自動化したい」って思ってるわけです。でも、自動化の実装はエンジニアに依存していました。これはエンジニアリソースのボトルネックと属人化リスクという二つの問題を生んでいました。

必要だったのは、業務を一番よく知っている人が、自分で自動化できる仕組みでした。 n8n ワークフローの開発の敷居を下げることで、社内で営業事務や採用オペレーション、バックオフィス業務の一部の自動化が加速し始めています。

段階的な浸透

私たちは一足飛びに「AI で全自動化」を目指したわけじゃありません。約1年をかけて、段階的に組織のケイパビリティを拡張してきました。

n8n 導入前: 軽微な自動化を試行錯誤

n8n を導入する前は、細々と部分的にできそうな自動化をできそうな人々が個別に行なっていました。また Ubie では数年前から社内生成 AI プラットフォーム「Dev Genius」を開発しており、その上の軽量な AI エージェントでできることなら自動化できていました。

https://zenn.dev/ubie_dev/articles/6fd1dd202c0e07

n8n 導入後: 自動化基盤の構築(2025年 Q4)

既存の手札では自動化の限界を感じ、 n8n を導入することを決定しました。グローバルで一定の利用実績があり、機能的に必要なものを充足していそうで、OSSの拡張性により自社の業務に合わせたカスタマイズが可能でもあります。20万人超のコミュニティがあり、エコシステムが成熟していることも大きな理由でした。この辺りの詳細は以下の記事をご覧いただければと思います。

https://zenn.dev/ubie_dev/articles/ccd18a2f911706

導入後には非エンジニアも含めた社内浸透を図りました。ここでは有志のメンバーが、さまざまな形で貢献してくれました。ある BizDev メンバーは60分でサクッと自動化の基本を体験できる「n8n はじめて講座」を企画してくれたし、別のメンバーはゲーミフィケーションを取り入れた学習ゲーム「n8n つなげる魔法」を作ってくれました。先行ユーザー向けの利用ガイドや、Slack 連携のノウハウ集なんかも自然発生的に生まれていきました。

でも正直に言うと、この段階では壁もありました。概念は理解できても、実際にワークフローを「組む」作業そのものは依然としてハードルが高いのです。

vibe coding 対応後: 飛躍的な開発民主化(2026年 Q1〜現在)

転機は、AI コーディングツール(Claude Code、Devin)を n8n ワークフローの生成に活用し始めたことでした。

「喋らせてそこに出てきたのをこれにしたいっていうので秒でできそう。」勉強会で自然言語からのワークフロー生成を体験したビジネス職のメンバーの言葉です。

自然言語で業務フローを説明する。AI がそれを n8n のワークフロー定義に変換する。人間はその結果を確認し、必要に応じて修正を指示する。「ワークフローを開発する」のではなく、「自動化したい事を願い、 AI にプロンプトとして落とし込む」というまるで異なる体験が構築されました。

「願う」の裏側にあるプラットフォームの設計・実装

ここで一つ正直に言わなきゃならないことがあります。AI に「n8n ワークフローを作って」と頼むだけでは、正しいワークフローは生成されません。 ... いや、当たり前ではありますが!

n8n には独自の「方言」があります。ループ処理の出力順序が直感に反していたり、変数の参照に特殊な記法が必要だったり、AI が高確率で間違えるポイントがいくつも存在します。素の AI に頼むと、一見それらしいワークフローが出てきますが、実際に動かすとエラーだらけ。高い完成度を目指すのは正直に言って無理筋です。もちろん AI に 100% のものを開発してもらうのも無理がありますが、とはいえ一定のクオリティが担保できないと幻滅されて使われなくなるかも知れません。

この課題を加味して、「AIが良い感じにワークフロー開発を代行してくれる」体験を作るため、我々は 「Claude Code を初めとした AI エージェント」 と「n8n のワークフロー開発を支援する GitHub リポジトリ」を組み合わせて開発プラットフォームを構築しました。

このリポジトリには以下のような要素を内包しています。

  • n8n のワークフローの開発のクセや社内的なお作法を含んだプロンプト群
    • 高頻度に参照するものは CLAUDE.md, AGENTS.md に記載
    • より詳細なものは Agent Skills として格納
    • (ちなみに https://github.com/czlonkowski/n8n-skills が結構参考になります)
  • n8nのワークフロー操作を手元から実行するための CLI
    • https://github.com/ubie-oss/n8n-cli にて公開しました!
    • ワークフロー定義をローカルファイルとして配置し、import, apply, lint, test trigger など多様な操作を実現します
    • この n8n-cli を上手く実行する Agent Skills も配置します
  • GitHub Actions のワークフロー
    • import, apply の任意のタイミング実行や定期的な import の撃ち漏らしをカバー
    • as code 管理を堅牢にしたいワークフローに対して CI で lint, dry-run をサポート

この中で、特に「n8n-cli」は肝と言えるでしょう!特に Claude Code はそうだと思うのですが、ローカルでシンプルな CLI コマンドを実行させると上手く自走してくれることが多いです。ちなみに n8n-cli とそれを上手に扱うための skills は OSS として以下で公開しているので、ご活用ください!これらの「n8nワークフロー vibe coding 基盤」はあまり特別なことはしていません。やろうと思えば上記の記述を AI に解釈させることで容易に真似することができることかと思います。

https://github.com/ubie-oss/n8n-cli

ともかくこの整備によって AI エージェントが n8n のワークフロー開発を代行してくれる下地ができました!たとえば Claude Code に以下のようなふわっとしたやりたいことを伝えると...

初手から以下のようなワークフローが組み上がります! 手動では全く開発をしていない状態で「ある程度動きそうなもの」が手に入ります! 後は動作を確認しつつ Claude Code と壁打ちしながらブラッシュアップすると良いのです。

また Ubie では Claude Code 向けに作成した知識を Devin にも注入しています。 Devin は Slack 経由でも動くので、 Slack 上で n8n ワークフローのプロトタイプを開発する体験も提供できます!

投機的に開発内容物を本番反映することも可能にしています。提示された URL を辿ると途中成果を見ることが可能です(この場合も初手からよさそうなものが出来てそうですね!)


補足1: n8n には 公式の CLI 実装 があります。ただしこれはローカルで n8n サーバが起動していることを想定した作りだったり、 vibe coding 基盤に適用しにくく、自作するに至りました

補足2: n8n には公式で AI Workflow Builder という自然言語でワークフローを構築できる仕組みがあります。ただこれはセルフホスト環境では使えず、今回の基盤自作に至りました。 n8n 特化の仕組みというより Claude Code などより一般的な AI コーディングエージェントエコシステムの進化の恩恵も得られるので、これもまた妥当な選択肢の一つでしょう

「世界が変わる」瞬間; 自動化と業務可視化の二重の価値

2026年2月、社内で n8n vibe coding の勉強会を開催しました。

デモでは、旧システムのワークフローを自然言語で説明して、AI に n8n ワークフローとして再構築させました。複雑なワークフローが一発で生成される様子を見て、参加者から驚きの声が上がりました。

「え、すご、やば。これテンション上がるわ。これはちょっとね、世界変わる。n8n が出てきた時ぐらいに。」ビジネス職のメンバーがそう語ってくれました。

この反応が象徴的だったのは、n8n 自体の導入時にも同じ「世界が変わる」感覚を経験したメンバーが、AI による自動生成でさらにその上の衝撃を受けていたことです。自動化ツールの導入という第一の飛躍の上に、AI によるワークフロー生成という第二の飛躍が重なったわけですね。

別の参加者である開発者はこう分析していました。「自分の脳みそのやつをダンプしてまず認知負荷を下げられて嬉しいと。喋って可視化してる間に業務プロセスが明瞭化されるっていうことに一旦価値を得つつ、それを AI にぶち込むと一部自動化できているみたいな体験が得られるっていう、この二重のうまさを実現できると面白い。」これを鑑みるに、ワークフローの vibe coding の価値は、単に「AI がワークフローを作ってくれる」ことだけじゃないように思えます。自然言語で業務フローを説明する過程そのものが、業務プロセスの可視化と整理になっている。自動化という成果物に加えて、業務の棚卸しという副次的価値が生まれる。これは始める前には想定していなかった発見でした。

おわりに: 「全人類をエンジニアにする計画」

社内ではこの取り組みを半ば冗談、半ば本気で「全人類をエンジニアにする計画」と呼んでいます。

もちろん、非エンジニアが明日からフルスタックエンジニアになるわけじゃありません。私たちもまだ道半ばです。次に目指しているのは、AI が生成したワークフローの品質データを蓄積して、精度向上にフィードバックするサイクルを作ること。そして、この取り組みで得た知見を n8n コミュニティにも還元して、他の組織でも再現可能な形にしていくことです。

でも、確実に一つのことは言えます。業務を一番よく知っている人が、自分の手でその業務を自動化できる——この状態に、一歩ずつ近づいています。

Ubie では本件の追い風となる要素が他にもあります。近頃、 非エンジニアメンバーにも Claude Code が浸透し始め、社内で従来より幅広く vibe coding 基盤構築の恩恵が刈り取れる可能性 があるのです。こうしたモメンタムがある時だからこそ、シナジーあるテクノロジーで成果を最大化したいものです。

技術が組織を変えるんじゃないんです。技術を組織に「インストール」する設計が、組織を変えるんですよね。あなたの組織では、誰が業務を一番よく知っていますか?その人に、自動化の武器を渡す準備はできていますか?


Ubie では、この「武器の民主化」を一緒に推し進める仲間を募集しています。エンジニアだけでなく、業務改善に情熱を持つあらゆる職種の方を歓迎します。AI を活用して自分の仕事を変えたいと思う方、ぜひ話しましょう。インターンポジションも開いておりますので、何卒何卒!!

https://herp.careers/v1/ubiehr/_oeH0lYReImI

https://herp.careers/v1/ubiehr/9QxaWhCu--oj

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