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Tableau Conference 2026発表の「Auto Knowledge Graph」について現時点で分かっていることをまとめた

に公開

先日オフライン・オンライン併設で開催された『Tableau Conference 2026』。幾つもの気になるトピックがイベントを通じて発表されていました。代表的なものについては私個人としても視聴レポートブログを投稿しています。

そんな中、社内でもひときわ話題になっていたものがありました。その中の1つが「Auto Knowledge Graph」というものです。

https://x.com/tableau/status/2054625278496825680

当エントリではこの「Auto Knowledge Graph」について焦点を当て、現時点で漁れる情報について整理してみたいと思います。

キーノートセッション該当部分のレポート

まずはじめに「Auto Knowledge Graph」なるもの、ワードが登場してきたのはTableau Conference 2026のキーノートでした。動画でいうと25:57辺りから始まるパートです。

https://www.youtube.com/live/yh4rmD9OXyY?si=YHKk-hk3lJkZnBdN&t=1557

まずはイベント内でどういう流れ、どういった内容でAuto Knowledge Graphが登場してきたのか、登壇者であるSalesforce Chief Data Officer、Michael Andrew氏の発表パートをレポートする形で見てみましょう。(※ちょっと長くなったので畳んであります)

Michael Andrew氏によるAuto Knowledge Graph等を紹介するセッション

Salesforce Chief Data OfficerのMichael Andrewです。皆さん、こんにちは。本日、我々がTableauで取り組んでいることを皆さんに共有できることを、とても楽しみにしています。

私は20年もの間、Tableauを使ってきました。
さかのぼること2007年...そう、私もちょっと歳を取りましたね...。
「うわ、自分のデータが目で見える!」と気づいたのです。
私も皆さんの多くと同じように、データアナリストとしてキャリアをスタートしました。データを見て、チャートを作り、ビジネスを前進させるためのインサイトを見つけ出していたのです。

そしてその後、私はTableauの上にビジネスを築きました。

私自身がTableauの顧客でした。Tableau Serverに対価を支払い、Nike、Google、Verizonといった世界トップクラスのブランドにアナリティクスを提供していました。Tableau Serverは必ず確保するようにしましたし、自分のビジネス内のすべてのアナリストが、分析に必要なもの - つまりTableau - を確実に持てるようにしたのです。

そして2019年にSalesforceに入社したとき、奇妙なことに気がつきました。
彼らはTableauを使っていなかったんです。
「えっ、どういうこと?」と思いました。「みんな、しっかりしてくれよ」と。

信じられないかもしれませんが、私のデータサイエンスチームがTableauを使えるようにするために、40通近いメール、数々のミーティング、そしてCIOへのエスカレーションまで要しました。
その努力は実を結びました。Tableauを手に入れたのです、その通り。そしてそれを使って、本物のインサイトを得る取り組みを始めました。

そしてその年の少し後、Salesforceは賢明にも「あの会社を買収すべきかもしれない」と動いたわけです。私にどれだけ影響力があったかは分かりませんが、少しくらいは自分の手柄として主張させてもらいましょうかね(笑)


そして本当に誇りに思って申し上げたいのは、それから7年以上経った今、Salesforce Chief Data Officerとして、我々のビジネスをTableau上で運用しているということです。

毎日、何万人もの従業員がTableauにログインしています。

ダッシュボードを閲覧し、意思決定を行っています。プロダクト、セールス、HR、オペレーションなど、あらゆる部門で、全員がです。

本当はすべての社内データをお見せしたいところですが、それは少々無責任ですし、上場企業のChief Data Officerとして我々が掲げるTrust(信頼)というバリューにもそぐいません。

そこで本日は、素晴らしい架空の企業「Bolt Bikes」を通じてこのストーリーをお見せします。Bolt Bikesは皆に最高のe-bike(電動自転車)を販売する会社で、未来のTableauの姿をお見せするのにうってつけです。

これを実演してくれるのは、素晴らしいデモドライバーのJohn Denbyです。盛大な拍手をお願いします。

さて、行きましょう。

いま我々はBolt Bikesを見ています。売上はかなり好調です。
こちらが私のe-コマース売上で、大きな勢いで伸びています。
しかしこれは一面の物語にすぎません。e-コマースだけではなく、全体の姿を知りたいのです。

これまでは、こうしたデータを結合したい場合—たとえば一方のデータベースのデータと別のデータベースのデータを"データブレンディング"する必要がありました。

そこで、今回我々が発表するのが 「Composable Data Sources(コンポーザブル・データソース)」 です。これによって、異なるデータ、異なるパブリッシュ済みデータソースを取り、ひとつにまとめることができます。

実際にJOINを行い、それをマテリアライズ(具体化)するのです。
ええ、分かりますよ、興奮しますよね。私も興奮しています。さあ、見てください。

いまjoinしているのが、もちろん、なぜかこの会社は2つのデータベースを持っていまして。
エンタープライズではそんなことは絶対に起こりませんよね?(笑)
データが別々の場所に分散していることなんて、ありませんよね?
そこで、ウェブのデータとリテール(店舗)のデータを、ひとつのビューで、すべて探索可能な形に統合しています。


これはなかなかクールでしょう。
皆さん、これがComposable Data Sourceです。
私のチームは本当に興奮しています。

ではこれで何ができるのでしょう?
これで、こんな風に超素晴らしいTableauダッシュボードを作れます。美しいですよね。

世界全体が見渡せます。
これを眺めて、売上を確認し、いろいろなことが起きているのが見えます。

でも、疑問が湧いてくるかもしれません—「どうなっている?San Diegoではこれらの自転車はどう売れているのだろう?」など。

これを今日やるとなると、フィルタを作るかもしれませんし、タブを作るかもしれません。

我々は、Tableau Cloud、そしてTableau Server上で、皆さんに
「エージェンティック・アナリティクス(Agentic Analytics)」 をご提供します。
これでエージェントに「San Diegoで先月出荷されたのは何?」といった質問を投げかけることができます。

さて、結果は?考え中…考え中…もうすぐ…計算中…ドン!

San Diegoがe-bikeで最も人気だと分かります。そのあたりのトレイルをかっ飛ばしているわけですね。

そしてこれらはすべて、95%以上の精度で根拠付け(グラウンディング)されています。
というのも、皆さんはどうか分かりませんが、Salesforceの中ではいわゆる"バイブコーディング"で作られたダッシュボードが現れていまして、基本的に完全に間違っているのです。


見た目は美しい、しかし内容は完全に不正確。
ですから、私は精度を非常に重視しています。ご覧の通り、
これらすべてが元データを根拠としています。

ではどうやってその答えにたどり着いているのでしょう?
どのようにしてこのエージェンティック・アナリティクスを実現しているのでしょうか?

その舞台裏で、皆さんにご提供しているのが
「Analytical Knowledge Graph(分析ナレッジグラフ)」 です。

これはあなたのすべてのデータに接続します。
データの意味(セマンティクス)やマッピングを理解します。

ご安心ください、これを自分で構築する必要はありません。
我々が自動で構築します。
もちろん、編集することもできます。

チューニングも可能です。
自己学習し続けますし、調整もできます。
インテリジェンス(知性)を育てることができるのです。

そして、このナレッジグラフによるグラウンディングこそが文脈を与え、結果を信頼できるものにしているのです。

これがエージェンティック・アナリティクスです。素晴らしいですよね。
皆さんがこれを使うのが、本当に楽しみです。


それでは、Tableau Nextに切り替えて、セマンティックモデル(Semantic Model)についてお話ししましょう。

セマンティックモデルは素晴らしいものですが、構築するのに少々手間がかかることがあります。
セマンティックモデル作成を高速化する新しいツールをご提供します。

名付けて「AI to build your AI(あなたのAIを構築するためのAI)」です。フィールドを提案してくれます。

コンフリクトの有無もチェックします。
ちょっとしたEinsteinマジック的なウィザードも用意されています。

さあ、やってみましょう。モデルを最適化します。

これらすべての目的は、皆さんがより早く自分の知見をデータの記述やモデリングに反映できるようにし、最終的に信頼できるアナリティクスを実現することです。

ではなぜこれをやりたいのか?
エージェンティック・アナリティクスをワークフローの中に組み込めるようにするためです。

では切り替えましょう。今、Slackに来ました。
こちらがBolt Bikesの素晴らしいCEO、Jenniferです。
彼女はいくつか知りたいことがあります。
「実際、何が起きているのか?」「トップの自転車モデルはどうなっているのか?」

Slack上でそのまま彼女が質問を投げかけると、考えて、先ほどと同じく信頼できるナレッジグラフ、信頼できるデータを使って情報を引き出し、答えを返してくれます。

ほら、出てきました。
電動自転車(e-bike)は絶好調です。

マウンテンバイクもまずまずといったところでしょうか、でも見てください。
レコメンデーションまで付いています。

これがユニークな点は、皆さんのチームが交わしている会話とインサイトを、インテリジェンスと結びつけて持ち込んでくれるということです。
ですが、欲しいのは答えひとつだけではないですよね。
そのインテリジェンスをアクションに変え、レコメンデーションに変え、意思決定につなげたいはずです。

そしてこれを生成できます。
その場で、自動的にレポートが作られます。

繰り返しますが、信頼できるデータに根ざし、主要なインサイトと戦略的なレコメンデーションを、ワークフローの中で提示してくれるのです。
これらすべてです。

再度まとめると、データを選び、接続すると、ナレッジグラフがそれを構築し、出来上がりです。


ではスライドに戻って、振り返ってみましょう。

いくつかの機能をご紹介しました。

  • まず「Composable Data Sources」。これにより、あらゆるデータを橋渡しして、扱える1つのデータモデルにまとめることができます。
  • 次に、Tableau Cloud / Tableau Server、そしてDesktopにもやってくる「Conversational Analytics(対話型アナリティクス)」をお見せしました。
  • さらに、データを理解し、マッピングし、構築する「Auto Analytics Knowledge Graph」もご紹介しました。
  • そしてこれらすべてをSlackに持ち込む方法もお見せしました。

Auto Knowledge Graphに関する情報収集、推察など

ここからは上記情報を踏まえつつ、公式で辿れる情報や発表に際しての参加者の反応等をまとめ、もう少し全体像を把握していこうと思います。

Auto Knowledge Graphは、2026年07月GA予定のTableauの新中核基盤

Auto Knowledge Graphは、データスタック全体のメタデータを「unify」して1つのグラフ層として表現し、ユーザーエンゲージメントで継続再学習する自己進化型エンジンです。

Salesforceプレスリリースによると、3,300万(33M)件のセマンティックモデルを grounding 基盤として活用し、Tableau Cloud/Server/Desktop/Nextを横断するAgentic Analytics Platform 6本柱のKnowledge Engineピラーに属する。


この位置だそうです

プレスリリース内のナレッジエンジン(Knowledge Engine)に関する言及も参考になるかと思うので日本語訳文を置いておきます。

ナレッジエンジン:10年にわたる人間の知能を信頼できるAIへと変える TableauのAIはゼロから構築されるのではなく、DataFamが10年以上にわたって構築してきた3,300万個のセマンティックモデルを基盤としています。この信頼できる統合されたナレッジベースは、Tableauが提供するすべてのエージェント、すべてのインサイト、すべての回答の基盤となっています。オープンで拡張可能なセマンティックモデル(Snowflakeおよびdbt Labsと共同で主導するOpen Semantic Interchangeなど)により、この実績のあるナレッジはデータ全体に拡張されます。
・ユースケース:財務アナリストがTableau Agentに四半期収益の減少について説明を求めます。一般的なトレンドラインを表示する代わりに、Agentは社内のデータチームが構築した検証済みのビジネスロジックを活用し、CFOが実際に信頼できる回答を提供します。

Auto Knowledge Graphの技術的母体は 2025年08月15日にSalesforceが買収完了したWaiiというサービス

買収に関する記事(プレスリリース)は以下。

そもそもWaiiって何?という話ではありますが、Waiiは「エンタープライズ向けText-to-SQL API」のスタートアップです。

自然言語の質問を本番運用可能な複雑なSQLクエリに変換するAPIを提供していた会社で、その中核技術が "agentic knowledge graph"(知識グラフ) でした。「LLM の単純な text-to-SQL ではなく、エンタープライズで実用に耐える精度・セキュリティ・スケール」を売りにしていました。

Auto Knowledge Graphを取り巻く構成について - 何がどうやって動くのか?(推察)

(ここも現時点では収集出来る情報から類推、推察した情報となります)色々調べてみると「Auto Knowledge Graphはそれ単独では機能しない」「MCP前提である」といった旨の情報に辿り着きます。

主な言及箇所、引用文については以下の通り。

出典 引用箇所(原文/日本語訳)
Tableau公式ブログ:
Top Announcements from Tableau Conference 2026
"Because this protocol [MCP] is anchored in your governed knowledge engine, it also powers MCP Voice […] MCP ensures every interaction is validated, expert-level, and anchored in a single source of truth."
(このプロトコル[MCP]は、お客様の管理された知識エンジンに根ざしているため、MCP Voiceも支えています。[…] MCPは、すべてのインタラクションが検証済みで、専門家レベルであり、単一の情報源に基づいていることを保証します。)
Salesforce プレスリリース:
Tableau Unveils the Agentic Analytics Platform - Salesforce
"Tableau's open MCP server architecture delivers trusted, context-grounded insights directly into Slack, Salesforce, Microsoft Teams, Claude, ChatGPT, and any other surface where your teams work."
(TableauのオープンなMCPサーバーアーキテクチャは、信頼性の高いコンテキストに基づいたインサイトを、Slack、Salesforce、Microsoft Teams、Claude、ChatGPT、およびチームが作業するその他のあらゆるプラットフォームに直接提供します。)
Salesforce プレスリリース
Tableau Unveils the Agentic Analytics Platform - Salesforce
"This trusted, unified knowledge base is the foundation of every agent, every insight, and every answer Tableau delivers."
(この信頼できる統合された知識ベースは、Tableauが提供するすべてのエージェント、すべてのインサイト、すべての回答の基盤となります。)
外部記事:
Tableau Dismantles the BI Dashboard With Agentic Analytics - Futurum
"By adopting open standards like MCP, Tableau ensures the single source of truth remains grounded in its verified Knowledge Engine regardless of the user interface."
(TableauはMCPのようなオープンスタンダードを採用することで、ユーザーインターフェースに関係なく、検証済みのナレッジエンジンに唯一の信頼できる情報源が維持されることを保証します。)
外部記事:
Tableau Conference 2026 Recap: When the Analyst Becomes an Agent
"The Auto Knowledge Graph (GA in July) is the engine underneath conversational analytics. It builds automatically from your data, learns over time, and can be edited to reflect how your organization actually talks about itself."
(自動知識グラフ(7月に一般提供開始予定)は、会話型分析の基盤となるエンジンです。データから自動的に構築され、時間をかけて学習し、組織が実際にどのように自社について語っているかを反映するように編集できます。)

その他、依存関係を間接的に裏付けるような記事を以下に整理します。

<a id="graph"> </a>

上記情報を踏まえて「結局これどういうこと?どういう関係性?構成図に起こしてみて」とClaudeに依頼を掛けた結果が以下です。なるほどこれはわかりやすい。"そういう位置付け"のサービス・機能ということですね。

  • Auto Knowledge Graph=知識の構造化層:何を意味するか、どう関係するか
  • MCP = 実行レイヤー:それを標準プロトコルで認可・スコープ・監査を保ったまま外部AI にエクスポーズする、言わば「ユニバーサル翻訳機」のようなもの

Auto Knowledge Graph、いつ使えるようになるの?

上述にあるように今回のTC26で発表されたこの機能。一般利用可能(GA:General Availability)についてもセッション内で言及されていました。現時点では2026年07月に利用出来るようになる予定のようです。


再掲:キーノート末尾で示された機能リリース予定のスライド

上記のキーノート発表内容を踏まえ、Auto Knowledge Graph を含めた機能のリリース時期を以下の表に整理しました。

トピック 環境 ステータス
Conversational Analytics Tableau Cloud
Tableau Server
✅️2026年05月時点でGA
Slackbot Integration Tableau Next ✅️2026年05月時点でGA
Composable Data Sources Tableau Cloud
Tableau Server
Tableau Desktop
📅2026年06月GA予定
Auto Knowledge Graph Tableau Cloud
Tableau Server
Tableau Next
📅2026年07月GA予定

まとめ

ということで、Tableau Conference 2026で発表された「Auto Knowledge Graph」に関する現状把握、情報深堀りを試みた内容のまとめでした。現時点では情報的にはまだまだ乏しいと言わざるを得ない、漁れる情報を集めてみても類推、推測の域を出ない状況ではあります。Tableau社の発表の在り方、また力の入れようからしても色々と期待できそうな可能性を秘めている気もしますので、2026年07月のGA展開が始まり次第改めて色々と実践・深堀りをしていきたいと思います。


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