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Azure Fundamentals(AZ-900)試験対策テキストを出版しました

2021/12/23に公開約4,700字

2021年12月23日にSBクリエイティブ社から『Microsoft認定資格試験テキスト AZ-900:Microsoft Azure Fundamentals』を出版しました。Azure Fundamentals(AZ-900)試験対策テキストです。共著者の一人として、私は1~3章および12章を主に執筆させていただきました。

1章と2章の冒頭部分の電子版試読と見出しは出版社のサイト上で確認できます。

https://www.sbcr.jp/product/4815610869/


Azure Fundamentalsとは

Azure Fundamentalsは、マイクロソフトのクラウドサービスであるMicrosoft Azure(以下、Azure)に関する認定資格のうち、入門レベルに位置付けられる資格です。AWSだとCloud Practitioner(CLF)に相当する資格と言われています。クラウドをこれから学んでいこうとするIT技術者の方はもちろん、クラウド関連の用語について基礎的な知識を身につけたいという営業の方や管理職の方、学生の皆さんにも資格取得を目指していただくことをお勧めします。

通常、IT系資格試験というのは試験を受けるのに受験料がかかります。しかし、Azure Fundamentals認定資格取得のために合格が必要となるAZ-900試験は、マイクロソフト主催の無料トレーニングイベントを受講することで、無料受験バウチャーが入手できます。それほど難しくない方法で、受験料の負担なしで試験に挑戦できるのがAzure Fundamentalsのうれしいところです。

AZ-900試験の出題範囲は、クラウドの特徴とメリットの部分から始まりますので、Azureに限らない「クラウドとは何か」という初歩の部分から学び始めることができます。その後の章の内容はAzureに特化した内容になります。しかし、Azure以外の主要なパブリッククラウドでも、個々の用語こそ多少異なるものの、この本で学べる共同責任モデル、リソース、可用性ゾーン(AZ)、RBAC(ロールベースアクセス管理)、仮想マシンの管理など多くの部分は共通する思想で設計されています。Azure Fundamentalsで学んだ内容は、他のパブリッククラウドを学ぶ際にも役立つと思います。すでに他のパブリッククラウドに慣れている方がAzure Fundamentalsの内容を学ぶと、今まで扱っていたパブリッククラウドに対する理解がさらに深まる効果も期待できると思います。

この本の強み

すでに他の出版社から素晴らしいAzure Fundamentals対策テキストが出版されています。そちらと比べてこの本を選ぶべきか迷われる方もいると思います。

執筆者の一人として、この本の考える強みは以下のとおりです。

1. 執筆者が現役のITエンジニアである

この本は実務でクラウドサービスの提案・設計等に携わっている現役のITエンジニアが執筆しています。試験合格に向けての最短距離となるように内容は十分に吟味して構成していますが、実際に業務を行う中で、誤解されていることが多い内容や質問を受ける機会の多い内容の説明も、試験対策という観点で蛇足にならない範囲に限定してですが解説やコラムに含めるようにしています。そのため、内容に現役ITエンジニアならではの目線が入っている点は楽しんでいただけると思います。

2. 収録している問題数が多い

本番試験を想定した模擬試験はもちろん、各章末の知識チェック問題も含めると、類書に比べても多くの問題数を収録しました。資格試験は、本番試験の問題に正答できることが最も重要です。そのため、できるだけ本番試験で問われそうな内容を、本番試験に近い形式で練習する機会をこの本の中で提供できるようにしています。

IT資格試験の受験者は、対策テキストだけでは足りず、Udemyなどで模擬問題集を別に購入して準備される方が多いです。この本は模擬問題集を別途購入していただかなくても、この本に収録されている問題を徹底的にやり込めば十分と言える程度の問題数を収録しています。そのため、読者の方には是非この本の問題を繰り返しやっていただきたいです。

3. 出版時点の最新の試験に対応している

2021年12月23日の出版時点の最新のAzure Fundamentals試験に対応した対策テキストであり、2021年10月25日の出題範囲改定や、試験時間の変更などを考慮した内容になっていることも強みです。

Azureの認定資格は、旧試験が廃止され新試験に置き換わること、あるいは試験番号は同じままで出題範囲が改定されることが頻繁に発生しています。この本も、校了直前まで試験内容更新に対応した修正を行いました。

出題範囲が変更された場合、それまでの対策テキストの意味がまったく無くなるわけではありません。しかし、変更された部分に関する情報収集と変更部分への対策が追加で必要になります。この本は出版時点現在では最新ですので変更部分への追加対応が必要ない、あるいは今後変更があったとしても追加対策しないといけない部分が相対的に少ない点が強みです。


これからクラウド、そしてAzureを学び始める方には、Azure Fundamentals資格に是非挑戦してもらいたいです。そして、資格にチャレンジする方にこの本をお手にとっていただけるとうれしいです。

https://www.amazon.co.jp/dp/B09KMVM4YQ/&tag=wwwsbcrjp-6-22


Microsoft認定資格サンドボックス(2022年1月19日追記)

上記の書籍の出版後に使えるようになったので収録できませんでしたが、Microsoft認定資格サンドボックスというものがリリースされました。

https://aka.ms/examdemo

Microsoft認定資格はパソコンの画面を操作して受験します。このサンドボックスを使うと試験画面の操作感を実際に試せます。Microsoft認定資格は試験画面の操作感も慣れないと気になる点の一つで、初めての方は多少戸惑うこともあると思います。このサンドボックスは、現状では画面表示が英語のみという課題はありますが、操作感を実際に試して練習できます。なお、Azure Fundamentals試験の場合は、このサンドボックスで問われる一部のパターンの問題形式は登場しないと思います。ほぼ全パターンの問題形式が登場するのはAssociateレベル以上の試験になると思います。


AZ-900出題範囲改定(2022年1月22日追記)

上述したようにAZ-900試験は出題範囲が頻繁に改定されます。2022年1月25日から出題範囲が一部改定予定であることが発表されています。

https://query.prod.cms.rt.microsoft.com/cms/api/am/binary/RE3VwUY

この変更差分を見る限り、2022年1月25日の出題範囲改定にともなう変更箇所はサービス名の表記を2箇所更新したのみに留まります。2021年10月25日更新版の教材で試験の準備をしている場合は、特に考慮は必要なさそうです。

評価されるスキル 2021年10月25日更新版 2022年1月25日更新版
2. コアAzureサービスに関する説明 Azure SQL Managed Instance Azure SQL Managed Instance
4. 一般的なセキュリティおよびネットワークセキュリティに関する説明 Azure Key Vault Azure Key Valut

AZ-900フリーサンプル問題(2022年1月29日追記)

いくつかのMicrosoft認定資格試験について、マイクロソフトからフリーサンプル問題が公開されています。問題文と解答は英語で記述されています。AZ-900試験の場合は20問公開されていますので、試験の準備に是非活用してください。

https://query.prod.cms.rt.microsoft.com/cms/api/am/binary/RWSRk3

AZ-900出題範囲改定(2022年4月8日追記)

AZ-900試験の出題範囲が、2022年5月5日から改定されます。この1年くらいは試験時間の変更などはありましたが、出題内容についてはサービス名の変更反映などマイナーなものに留まっていました。今回は章立てを大きく3つに再編し、出題される内容を並べ直したことに加えて、いくつか新しいサービスを出題範囲に追加してくるようです。

https://query.prod.cms.rt.microsoft.com/cms/api/am/binary/RE3VwUY

例えば、「クラウドの利点」についてはこれまで「高可用性」「スケーラビリティー」「弾力性」「機敏性」「ディザスターリカバリー」の5つで表現されていたのですが、「可用性とスケーラビリティー」「信頼性と予測性」「セキュリティとガバナンス」「管理性」の4セットで表現されるようです。

それ以外にも、ハイブリッドクラウド管理ソリューションのAzure Arc、ゼロトラストと多層防御の概念、ストレージのAzCopyとAzure Storage Explorer、データ転送用の物理媒体Azure Data Boxなど、ハイブリッドクラウドとセキュリティーを意識した問題が出題範囲に新たに登場します。MS Learnもそのうち新試験に対応した内容に更新されると思いますが、例えばゼロトラストと多層防御についてはSC-900試験のモジュールで先に概念を学んでおくなどの対策は取れると思います。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/learn/modules/describe-security-concepts-methodologies/

現行試験の出題範囲で準備されてきた方は、今回は特に大きな変更ですので、試験改定の実施日付を意識して受験することが重要です。

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