UoPeopleでコンピュータサイエンスの短期大学士の学位を取得した
2025年12月に米国のオンライン大学であるUniversity of the People(UoPeople)でコンピュータサイエンスの短期大学士の学位(Associate of Science in Computer Science)を取得しました(正確には、このエントリー時点で卒業要件をすべて満たしたので、卒業申請をしました)。
UoPeopleがどのような大学なのか等は他の方がすでにたくさん紹介されていると思いますので、その部分は最初の方で簡単に触れるのに留め、このエントリーでは私が実際にUoPeopleで学んだ経験を通じて感じたことを中心に紹介します
卒業時の取得単位数と成績

Associate Degreeの卒業要件は60単位なのですが、72単位取得しています。これは当初はBachelor Degree(学士号)のプログラムで入学し、途中でAssociate Degreeにプログラム変更をしているからです(Program Advisorに確認したところ、Bachelor→Associateの変更は45単位取得時点までに申請が必要とのこと)。Associate Degreeの卒業に必要な科目の単位を全部取らない限り卒業は出来ませんので、72単位時点で全単位を取得して卒業となりました。当初はBachelor Degreeを目指して入学したのですが、方針変更に至った理由は後述します。
Culmulative GPA(CGPA)は全科目の平均GPAです。ただし、単位移行(Transfer Credit)をした科目はCGPAの計算対象にはなりません(私は単位移行は積極的に活用しました)。UoPeopleの成績評価では、各科目で93点以上(実際には小数点以下四捨五入なので92.5点以上)のスコアを取ると、成績がAまたはA+になり、GPAは4.00になります。そのため、UoPeopleで受講した科目はすべてAあるいはA+の成績だったことを示しています。ただし、UoPeopleは最初の3科目を取得するまでは、学生はDegree Seeking Studentという立場となり、本科生となった時に最初の3科目分は単位移行扱いになります。そのため、私は一番最初にUoPeopleで受講したEnglish Composition 1という科目は89点(B+)という成績だったものの、CGPAの計算対象外でした。後述しますが、CGPAは気にしない方が大学生活自体は楽しめると思います。
私が取得した科目一覧
General Education
| Course Name | Credit |
|---|---|
| Professional Communication (COM2001) | 3 |
| English Composition 2 (ENGL1102) | 3 |
| College Algebra (MATH1201) | 3 |
| Introduction to Statistics (MATH1280) | 3 |
| Online Educational Strategies (UNIV1001) | 3 |
| Art History (AHIST1401) | 3 |
| Applied Economics: Theory and Practice (ECON1580) | 3 |
| Introduction to Information Technology (SOPH-0023) | 3 |
| Western Civilization II (OOSL-0040) | 3 |
| Introduction to Ethics (SOPH-0020) | 3 |
Major Required
| Course Name | Credit |
|---|---|
| Programming Fundamentals (CS1101) | 3 |
| Programming 1 (CS1102) | 3 |
| Programming 2 (CS1103) | 3 |
| Digital Electronics & Computer Architecture (CS1105) | 3 |
| Introduction to Computer Science (CS1111) | 3 |
| Databases 1 (CS2203) | 3 |
| Communication and Networking (CS2204) | 3 |
| Web Programming 1 (CS2205) | 3 |
| Operating Systems 1 (CS2301) | 3 |
| Software Engineering 1 (CS2401) | 3 |
Other Completed Courses
| Course Name | Credit |
|---|---|
| Web Programming 2 (CS3305) | 3 |
| Databases 2 (CS3306) | 3 |
| English Composition 1 (ENGL0101) | 3 |
| Calculus (MATH1211) | 3 |
University of the People(UoPeople)とは
University of the People(略称UoPeople)は、2009年創立の米国のオンライン大学です。授業は英語で行われます(アラビア語で行われるプログラムもあるようです)。学費は不要で、その代わりに各科目ごとに成績評価費用を支払って必要単位を取得していきます。AssociateとBachelorの場合、1科目(通常3単位)の成績評価費用は160米ドルです。他に入学費で60米ドルかかります。UoPeopleの公式サイトでは、Associate Degree取得に約3,260米ドルのコストがかかると試算されています。1米ドルを150円とした場合、だいたい50万円ほどです。また、Bachelor Degreeではその倍とのことです。日本の大学の通信課程と比較すると同じくらいのコストがかかりそうですが、米国の大学に留学することに比べるとかなり割安である点は間違いないと思います。
授業は毎週、読書教材(すべて無料)と課題(ディスカッションフォーラムへのレポート投稿やプログラミング課題等)が割り当てられ、通常は2回の中間テスト(Graded Quiz)と期末試験(Final Exam)の総合的なスコアで成績が決まります。教材は基本的に書籍やウェブページ等で、提出物はWord等のレポート形式ですので、ReadingとWritingの能力が求められる一方で、ListeningとSpeakingの能力は必須ではありません。リアルタイムでの授業参加はなく、毎週課題を自分のペースでやる能力が基本的には求められています。一方、毎週結構な量の読書教材と課題が課せられ、それらの結果が成績評価に反映されるので、1週間の中ではスケジュールの柔軟性がある程度ある一方、一つのセメスター(2ヶ月強)の間は毎週毎週、常に結構な量の負荷(週10時間以内だと軽めな方だと感じる程度)が継続的にかかり続けることに特徴があります。
私がUoPeopleに入学した理由
私がUoPeopleに入学したのは2021年1月です。入学申請をしたのは2020年12月でした。当時はコロナ禍で行動制限がかかっていた時期でした。何か新しいことをするのにも自分が移動して参加することは推奨されない状況下で、オンラインを活用した新しい生活スタイルや学習スタイルへの自分自身のシフトという意味で、完全オンライン、完全英語でコンピュータサイエンスを安価に学べるUoPeopleのあり方は非常に魅力的に感じました。
また、私はITエンジニアとして十分に経験があり、すでに大学の学部(学士・国際関係学)と大学院(専門職過程・経営管理学)の学位は取得していたものの、コンピュータサイエンスを腰を下ろしてじっくり勉強する機会はありませんでした。そのため、普段仕事で扱っているシステムエンジニアリングとは別に、コンピュータサイエンスの基礎をじっくり学びたいという関心は以前からありました(必要性というよりは純粋に関心でした)。加えて、日本で仕事をしながら海外の大学で英語で学べるオンライン大学というのは、チャレンジとしては面白いですし、合わなければすぐに辞められる点も気軽に始められた理由です。
Degree Seeking Studentから本科生に
English Composition 1(1科目目)
UoPeopleは英語の大学ですので、入学時に英語力を証明するスコアを提出するか、English Composition 1という科目で単位を得るかが必要です。私はTOEICのスコア(935点)しかもっていなかったのですが、それはUoPeopleの認めている英語テストではない(英検、TOEFL、IELTS等は認められている)ので、代わりにEnglish Composition 1を受講しました。内容的にはAPA方式の参考文献と引用のやり方や、5パラグラフエッセイをステップバイステップで完成させる授業で学びは多かったです。ただ、今はどうかは知りませんが、当時の最終試験は授業の内容とは関係ない外部英語試験をプロクター監視のもとで受けるという方式でした。授業内容とのリンクがまったく無い試験であること、その試験自体が特にListening部分が相当難しく(上述したようにUoPeopleの授業にListening能力は必須ではありません)、TOEICで800点を超えているレベルの人でも最終試験の成績だけで単位を落としそうなこと、English Composition 1は次に受けるOnline Educational Strategiesと主要な内容が重なること、などから私はこの科目を取ることは基本的におすすめしません。私は受けたことはないですが、私の後にUoPeopleに入学された方はDuolingo English Testを代わりに受けられていたようです。なお、後に受講したEnglish Composition 2の方は科目としての完成度が高く、そちらはおすすめです。
Online Educational Strategies(2科目目)
英語力をスコアで証明した人にとっては、Online Educational Strategiesが一番最初に受講する科目になります。そのため、English Composition 1と重なる部分も多いですが、ディスカッションフォーラム課題での対応方法を学ぶ課題があったり、ノートの取り方(コーネル式ノート術)などオンライン大学で学ぶための基礎を固めるためのコースです。スペルミスがあると減点対象になりうるのでレポート投稿前にスペルチェッカーをかけるとか、APA方式の引用スタイルに沿っていないと適切ではないので、APA Formatting and Style Guideで毎回確認するようになったとか、ここで学んだ内容がその後のUoPeopleの学習における習慣になったので、非常に有意義なコースだと思いました。
Programming Fundamentals(3科目目)
Degree Seeking Studentとしての3科目はProgramming Fundamentalsを選びました。Learning Pathways(後述)が適用されて以降の事情は異なると思いますが、当時は学生が受講前提条件を満たしている科目は自由に選ぶことができたので、コンピュータサイエンス系の全科目の前提に成っているProgramming Fundamentalsを選びました。
内容的にはPythonによるプログラミング入門コースです。変数、関数、条件分岐、ループ、リストやタプル等を一通りやるコースです。Pythonか他のプログラミング言語の入門書を一冊やりきったことがある人はA以上を十分に狙えると思います。こちらの単位を取得したことで、最初の3科目を完了したことで、Degree Seeking Studentから本科生となりました。本科生になると@my.uopeople.eduのメールアドレスが使えるようになります。
本科生になると学割が活用できる
本科生になると、大学生として証明できるようになりますので、学割が使えるところではお得にサービスを利用できるようになります。米国の大学なので、日本国内では対応していないものもあると思います。私が使っているものとしては、YouTube Premiumの学割プランやSpotifyのPremium Student Planがありますし、2024年6月頃に大学生向けで15ヶ月間Gemini AI Proが無料で使えるオファーも利用できました。国際学生証を作り、映画館で大学生料金で映画を観たこともあります。まとめてくれている人もいますのでご興味があれば調べてみてください。学割目的だけなら放送大学が一番お得そうな気がしますが、使えるものは使った方が良いと思います。
UoPeopleでの学びの初期の悩み:Peer Assessment
Degree Seeking Studentの時の科目は入門的な内容が多く、授業の負荷はそれほど高くないので、仕事と学業の両立という点ではあまり悩みは感じませんでした。ただ、UoPeopleの理念として当時はPeer Assessmentが重視されており、学生同士が課題の相互評価を行うことで、他の学生の意見を知り、批評する側の立場から同じ課題を見つめ直すことで客観的な視点を得ることに価値を置いていました。
この理念は尊いと思いますが、実態としてはPeer Assessmentは弊害の方が多いと個人的には感じました。基礎知識の確立が不十分な初学者にとって学びになるのは質の高いレポートであり、そこから正しい知識を獲得し、優れたレポート構成のスタイルを学び、将来同じように書けるようになることだと思います。つまりお手本の反復的な学習こそが重要だと思います。一方、Peer Assessmentでまわってくる他の学生のレポートは根拠が不明確な独創的な内容や、初歩的なスペルや文法のミスを含む投稿しただけのものもあります。特にUoPeopleの最初の方に受ける科目は、お試し感覚で受けただけで、経験値も十分でない学生同士の質の低いレポートになることが多々あります(なお、大学生活後半に受ける科目では、質の高くない学生が脱落した後になるため、質が上がっていきます)。よくある失敗例のパターン認識にはなっても、お手本の学習にはならないため、学習効率が悪く、むしろ弊害が多いのではないかと感じました。
また、Peer Assessmentのフィードバック結果についても、Grading Criteriaに基づき明確に良い悪いを指摘してくれるフィードバックは良いのですが、根拠不明なGradeが返ってくるのはいかがなものかと思いました。例えば、「君のレポート課題は素晴らしいね!でも、もっと良くなる余地があるよ!以上」(10点中6点)みたいなものも結構あります。10点に至らない減点対象の要素を挙げ、ここをこのようにすればGradeは良くなる、という改善の余地を示してこそのフィードバックだと私は思います。私はそのようにしているのですが、Peer Assessmentで真面目に評価を行うモチベーションが学生にはほとんど無いのは事実で、それをやる成熟性もまだ確立できていない学生も多いので、Peer AssessmentはUoPeopleの学生にやらせるのは早すぎる、という印象でした。なお、他の学生のGradeに不満があれば、Course InstructorにGrade Appealをして採点の修正依頼をしてもらうことは可能です。ただ、余計なコミュニケーションをCourse Instructorとしないといけないわけで、時間と精神に余裕がない時にGrade Appealの対象となりうるフィードバックをもらうと結構気持ちが萎えます。
なお、UoPeopleの成績評価は相対評価ではないため、Peer Assessmentで他の学生のレポート等の課題に厳しいGradeをつける必要性はありません。厳しいGradeを付けた学生に対して、Gradeのバランスを合わせているのか報復なのか厳しいGradeを次に付け返す学生もいるようですし、そもそも日本人は本当に良いレポートに対して満点を取っておくために、普段のGradeを抑えめにする傾向があるので、明確なミスがない限りは常に10点くらいの気持ちが良いのではないかと個人的には思っています。私はフィードバックコメントは改善点は指摘しつつも、他に加点要素が無いかはできるだけ探して、合せ技でGradeは低くなりすぎないことを意識していました。
定期的に学生にアンケートが取られるのですが、私は毎回Peer Assessmentというシステムの問題点をフリーテキストコメントで書くようにしていました(それと並ぶ問題点は学生のPlagiarism(盗作)の横行だと思っていましたが、本エントリーでは割愛)。最近受講している科目はCourse Instructorのみが採点するものばかりなので、シラバスを見る限りはPeer Assessmentが完全に無くなったわけではないようですが、もしかしたらPeer Assessmentの比重は下がったのかもしれません。
本科生からAssociate Degreeへの変更、そして卒業へ
授業の負荷と仕事との両立の難しさ
Degree Seeking Studentの頃の授業は入門的な内容で、仕事との両立はそれほど難しくなかった点は上述しました。しかし、Programming 2あたりから、一つ一つの授業の歯ごたえがかなり上がってきます。読書教材のページ数が毎週30〜50ページぐらいに増えたり、プログラミング課題も試行錯誤が必要な内容が毎週課せられるようになります。自分の手元にある日本語の書籍等に助けられることも多々ありました。例えば、Programming 2はJavaプログラミングのコースですが、『プログラミングの宝箱 アルゴリズムとデータ構造 第2版』はプログラミング課題の際に非常に参考になりました。
上述しましたが、UoPeopleの負荷の大変さは、1セメスター(2ヶ月強)の期間中に毎週継続的に結構な量の課題を課せられることです。私は仕事の繁忙が結構ある方で、2-3週間非常に忙しい時期があると思ったら、次の2-3週間はそれほどでもないこともあります。そして、非常に仕事が忙しいタイミングにUoPeopleの科目を取ることは難しいと私は感じていたため、セメスターの開始タイミングと今後の仕事の繁忙予測を考慮して、授業を取るセメスターと取らないセメスター(休学)を都度考えていました。なお、UoPeopleは連続して最長5セメスターまでなら休学可能です(これとは別に総在学期間の卒業要件あり)。この辺りが2021年1月に入学して、2025年12月までAssociate Degree Programの卒業に時間がかかった理由の一つです(2-3年で卒業はしたかったところ)。
一般的な大学だと、中間テストと期末テストの時期に負荷が集中する一方、それ以外はそれほど課題が課せられないと思いますが、UoPeopleはすべての授業で毎週課題が課せられます。そのため、仕事の業務量の変動が少ない人は適性がより高く、繁忙に左右されがちな人はバランスの取り方により苦労しやすいと思います。なお、インフルエンザや新型コロナウイルスに罹患したとかでも突発的に一週間の予定が崩壊してしまうため、特に小さいお子様がいらっしゃるご家庭は、体調管理面でご苦労されがちなようです。
外部eLearningサイト(Sophia、StraighterLine等)の積極活用
UoPeopleの授業は1セメスター(2ヶ月強)の継続的な課題量がネックだったのですが、任意の1ヶ月とかなら重点的に勉強する時間を捻出することは可能でした。また、私は短期集中の方が得意です。そこで、UoPeopleの休学期間中も外部のeLearningサイトでACE(American Council on Education)認定科目を受講し、取得した科目をUoPeopleに単位移転(Credit Transfer)して、UoPeopleの同等科目を受講済みにすることを積極的に行うようになりました。
これをやり始めた当初は、Sophia、Straigherline等の外部eLearningサイトからの単位移行は有料だったのですが、途中からパートナーシップが正式に確立し、一定単位数であれば無料でUoPeopleに単位移行ができるようになりました。
Sophiaは月額課金で何科目でも単位が取れ、StraigherLineは月額課金+科目ごとの登録料で単位が取れるeLearningサイトです。いずれも毎週継続的に課題が出るタイプの科目提供形態ではなく、進めるだけ進めば1日で1科目を終わらせることも可能です(科目ごとに課題量に差あり。提出した課題のアセスメント結果の待ち時間がある場合もあり)。課金体系と普段UoPeopleで課題をやっている学生さんのインプットとアウトプットの速度を考えると、外部eLearningサイトで単位を取った方がより短期間かつ低コストで卒業できると思います。特にUoPeopleの場合、プロクター監視が必須な科目について、知人等にプロクターを頼まない場合、ProctorUの追加コストがかかります。プロクター必須科目との単位互換科目があれば、外部eLearningサイトで受講するとコストメリットがさらに生まれると思います。
Cumulative GPA 4.00の呪い
私はITエンジニアとしてそれ相応に長く働いているので、コンピュータサイエンスを大学で学んだことはなくても、IT関係の科目であれば他の学生に比べれば完成度の高いレポートを出したり、ディスカッションフォーラムの投稿で多少は意味のあるコメントは可能だと思っています。そして、折角大学の授業を受けるのだから、出来るだけ良い評価を得ようと最初から思っていました。以前の社会人大学院生活では、仕事を優先して大学院の授業の方は不徹底な部分もあり、それはその時の選択で全く悔やんでいないのですが、今回は大学を出来るだけ手を抜きたくないなという気持ちもありました。
結果としてAあるいはA+という良いGradeでUoPeople生活を開始したわけですが、逆にCumulative GPA(CGPA)が4.00というのはFlawless(傷一つ無い)過ぎて、その状態が維持されるほど自分の中でそこに傷を付けたくないという気持ちも生まれてきました。私にとってはUoPeopleの学位は将来の進学にはつながるものではなく、修士号を持ち、プロフェッショナルとして仕事もしているので、今後CGPAを活用する機会はまったく想定していません。そのため、CGPAを維持する必要性はありません。そして、結果としてA-以下だと納得できる出来の科目があれば仕方ないとも思っていました。
ただ、UoPeopleのGradeは92.5点以上でないと4.00は付かないので、毎回の課題で9点という高い評価を取っても、その科目のGradeはAには届きません。そして、採点基準を決めるのはGrade Appealの対応含めてCourse Instructorなので、Course Instructorの個人差でかなり採点のブレが生まれます。同じ科目を初期でWithdrawして、次以降のセメスターで取り直すこともありましたが、そこは非常に個人差が大きいと感じました。そして、自信があった課題に9点以下が付き、フィードバックコメントに納得がいかなかった際などにCourse Instructorとチャットメッセージでその妥当性について議論することもありました。ただ、それで共通理解に至ることは稀で、最終的なGradeはAなのに、個々の課題の採点結果については納得いかないことも多かったです。
このように、全科目A以上を確実に取るにはCourse Instructor個々人の違いという不確定要素が多い一方で、「折角なら良い成績を取りたい」から始まったものが「ここまで来たらCGPAは4.00で終えたい」に意味が変わり、不合理な状態であると自己認識はしつつも、窮屈だなという気持ちが日々強くなってきました。GPAという制度は不得意な科目への挑戦を阻害する等の問題が指摘されていますが、私にとってはCGPAが4.00を長く維持してきたことは、逆に呪いみたいになっていたのは否定できません。
Learning Pathways、Associate Degree Programへの変更、卒業
UoPeopleは2014年から正規の大学ではあるのですが、私が入学した時点ではNational Accreditationという大学認定でした。それが2025年2月にRegional Accreditationの認定を取得しました。この2つの違いは以下のUoPeopleブログにまとめられていますが、今後UoPeopleの学位を持って他の大学や大学院に進学する際に影響がある(Regional Accreditationの方がより価値が高い)ということです。
進学を予定していない私にとっては、その違いはあまり関係ないのですが、そのRegional Accreditationの認定取得をUoPeopleが目指した段階から授業登録システムに組み込まれたのがLearning Pathwaysです。これは、学生が次のセメスターに受講する授業を大学側のシステムが決定し、強制するプログラムです。それ以前は、受講前提条件を満たしている科目は受講者数の空きがある限りはどれでも好きな順番に受講が出来たのですが、受講の自由度は無くなります。一方で、次にどの授業を取るかは迷う必要がなく、効率的に卒業が出来ます。
UoPeopleの場合は、オンライン大学で自由度が元々高いなかで、Regional Accreditationで求められる教育プログラムの徹底と、効率的な大学運営を元にLearning Pathwaysを始めたのだと思います。Regional Accreditation認定が必要ない人にとっては純粋に改悪で、私も立場的には望まざる制度変更でした。一方で、UoPeopleでの学位をステップに、他の米国大学などに進学する人にとってはRegional Accreditation認定は非常に重要な要素だと思います。結局は必須科目の単位は取らないといけないので、Learning Pathwaysは順番を強制しているだけなのですが、学位よりも任意のタイミングで特定科目から得られる学びをより重視している私にとっては嬉しくない変更でした。
以上のように、仕事との両立がUoPeopleの授業形態だと難しいこと、CGPA 4.00を維持してしまったが故の心理的な窮屈さ、UoPeople自体がRegional Accreditation認定を受けるために進化する中でそれ以前の柔軟性が失われたことから、Bachelor Degreeの取得までやり切る気持ちを持つことが難しいと感じるようになりました。そこで、Program Advisorにも相談し、Associate Degree Programに変更をし、残りの必須科目を全部取得して、2025年12月に卒業申請を行いました。
最後に
以上のような経過を辿り、2021年1月に入学したUoPeopleを、2025年12月にAssociate Degree in Computer Science(Associate of Science in Computer Science)として卒業しました。
仕事との両立の難しさや、私の適性とUoPeopleのプログラムとのギャップ、成績に対する気持ちの当初のボタンの掛け違い等で、Associate Degree Programの修了だけでも結構大変だったなと思います。Twitter等を見ていても、Bachelor Degree Programを好成績で修了している方は何人もいらっしゃるので、素晴らしいタイムマネジメントとモチベーション管理だなと尊敬します。
一方、このエントリーでは社会人学生生活の側面を中心に書いているので、受講した科目から得られた学びについてはほとんど言及していないものの、毎週のUoPeopleの膨大な課題の中で思いがけない学びに遭遇することも多く、学びの機会を得られた場としては非常に有意義でした。週末の夜に、時計と相談しながらひたすらに課題レポート作成に没頭していた時間を過ごせたのは貴重な経験でした。これは実際にやってみないと分からないところだと思いますので、「米国の大学で学んでみたい」「英語の大学で学んでみたい」「コンピュータサイエンスを一から勉強したい」という気持ちをお持ちの方は、是非UoPeople進学を検討してみてください。ちなみにZennなのでコンピュータサイエンスに関心がある方が多いと思いますが、経営管理学と健康科学の学部・大学院もあります。
どのセメスターからでも入学が出来ますので、実質一年中入学生を募集しています。Admissions Calenderのリンクを以下に張っておきますので、是非どのセメスターから入学するかを確認してください。
更新履歴
2026/04/12 タイトルを「米国のオンライン大学で」から「UoPeopleで」に変更
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