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「不便」は体験しないと見えてこない。PdMはもっと「怠惰」でいいんじゃない?という話

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  • 「今のプロダクト、結構いい感じじゃない?」と思っているPdM
  • ユーザーの「言葉にできない不満」を見つけたい新規事業担当者

こんにちは!TOKIUM でプロダクトマネジャーをしている加藤です。

いきなりですが、みなさんは十分に「怠惰」でしょうか? 私は最近、ある映画館での体験を通じて「PdMはできる限り怠惰で、面倒くさがりであるべきなのでは?」と痛感させられる出来事がありました。
今日は、「人は新しい体験をしない限り、今の不便さには気づけない」という話と、その感度を高めるために私たちが明日からできることについて書いてみます。

映画館の体験を一変させた「2つの衝撃」

私には映画館に行く際、絶対に譲れないこだわりがあります。それは、カフェラテとチュロスを片手に鑑賞すること。 以前はこれを実現するためだけに、映画開始の40分前には到着していました。買うものは決まっているのに長蛇の列に並び、ただスマホを眺めるだけのは正直虚無の時間で、「しんどいな」と思いつつも、それが当たり前でした。

「セルフオーダー端末」による最初の感動

それが最近、よく行く映画館に「セルフオーダー端末」が導入され、体験が一変しました。 6台ほどの端末機のおかげで列が分散され、並ぶ時間はほぼゼロ。上映15分前に着けばカフェラテとチュロスを携えて鑑賞できるようになりました。


セルフオーダー端末機

「急に映画が見たくなっても時間に急かされずにふらっと見に行ける! なんて素晴らしいんだ!」これでもう十分、最高!と私はこの映画館の進化に非常に満足していました。あの「ピックアップスタンド」に出会うまでは。

「IoT活用ピックアップスタンド」によるさらなる衝撃

先日、とあるTOHOシネマズを訪れたときのことです。いつものようにセルフオーダー端末で注文し、大型ディスプレイ上で自分の注文番号が「お呼び出し中」になったので受け取り場所に向かうと、そこにはスタッフさんがいませんでした。

代わりに、受け取り場所にはディスプレイが付属していて、そこに私の注文番号が表示されていました。


ピックアップスタンドに表示された注文番号

見た瞬間に「あっこの場所にあるお盆が私の注文したやつね」と認識できました。一瞬の迷いもなく、自分のお盆を受け取ることができたのです。注文からピックアップまでの一連の体験があまりにもスムーズで、感動のあまり思わず撮影した写真が上の画像です。

後から調べたところ、これは一部のTOHOシネマズでトライアル導入されているIoTを活用したピックアップスタンドのようでした。このセルフオーダーでは、以下の手順で商品を受け取ることができます。

  1. セルフオーダー端末で注文し、自分のディスプレイに注文番号が表示されるのを待つ
  2. 受け取り口に行く
  3. 自分の注文番号が表示されている真下のトレーをピックアップする

参考:都築電気、国内映画館で初となる「ピックアップスタンドを用いたモバイル・セルフオーダーサービス」をTOHOシネマズに試験導入

体験して初めて「言語化」された不満

上記の「IoT付きピックアップスタンド」での注文を経験した瞬間、急に「これまでの『受け取り場所に行って自分のトレーが探す作業』って、めちゃくちゃ面倒くさかったんだんだな……」と気づきました。

これまでのセルフオーダー

  1. セルフオーダー端末で注文し、自分のディスプレイに注文番号が表示されるのを待つ
  2. 受け取り口に行く
  3. レシートの注文内容を見ながら、自分の注文らしきトレーにあたりをつける
  4. トレーにある注文番号レシートと、手元のレシートの注文番号があっていることを確認する

ピックアップスタンドを体験するまで、私は3~4のプロセスを「面倒」だと思っていませんでした。「そういうものだ」と思い込んでいたからです。ただ、これらのプロセスが省略されたピックアップスタンドを経験したことにより、急に「面倒な工程」だと認識するようになりました。

不満を見つけるために「もっと怠惰」になろう

この体験から思った学びとしては、 「不便さは、より良い体験と比較された瞬間にしか発生しない」 ということです。だからこそ、何か新しい体験を生み出そうとする人は、できるだけ「怠惰」であることが大事だなと思いました。「これで十分便利になった」と満足した瞬間、私たちはユーザーの潜在的な不満を見逃してしまうからです。

不便に気づくために、明日からできる2つのこと

では、どうすれば私たちはこの「隠れた不便」に気づけるのでしょうか? 私なりに考えた、明日からできるコツを2つ紹介します。

  1. 新しい体験を気軽に試しに行く
    都心には、新しいサービスが試験運用されている場所がたくさんあります。
    駅構内の新しい決済システム。コンビニの無人レジ。美容院の予約システム・・・。「ミーハーかな?」と躊躇せず、気軽に試してみましょう。 自分の担当プロダクトとは違う領域にも、新しい体験のヒントが隠れているはず!

  2. 自分の「めんどくさい」に敏感になる
    自分がどこで止まったか、迷ったか。日々の生活で感じる「ほんの少しの面倒」を無視せず、敏感に拾い上げてみることが大事なのだと思います。

「あ、今の画面遷移、一瞬どこ見たらいいか迷ったな」
「このボタンの文言、押したらどうなるか一瞬想像つかなかったな」
そんな、自分自身の小さな「めんどくさい」という感情に蓋をせず、素直になってみることが、顧客にとって劇的に楽な体験を生み出すヒントになるはずです・・!

実際に試してみた

上記で紹介したコツを使って、私自身も担当プロダクト(TOKIUM AI請求照合プロダクト)をプチ改善してみています。

例えば、照合ステータスの検索条件です。請求書と発注書の照合を実行した後、一致/不一致の要因を確認するために照合結果のステータスでよく絞り込むのですが、検索条件の真ん中あたりに置かれていて「マウスを動かすのが面倒だな」と感じていました。一番上に移動してみた結果、カーソルを動かす距離が減り、操作感が改善されました。(営業のデモがしやすくなった、というお声も!)

ここまで読んでくださってありがとうございました。この記事が、新しい体験を生み出すヒントになれば幸いです。

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