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ボードゲームの公理

ピン留めされたアイテム
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これはなに?

「ボードゲーム」を仮想空間上で構成するにあたって、本当に必要な要素の最小かつ簡約された形式を求めるためのメモです。現実のコンポーネントでは暗黙かつ自然に満たされている条件なので、通常あまり意識はしません。

既存の仮想空間上のボードゲーム空間は、基底現実の物理的なエミュレーションを通じて「ボードゲーム」である条件を達成するアプローチが主流です。しかし基底現実の物理エミュレーションというアプローチは、基底現実でのボードゲームプレイの劣化版であることを免れることが困難です。そのため、より仮想空間でのボードゲームに適しつつボードゲームであり続ける形を模索するため、ボードゲームの最小かつ十分な条件を探しています。

ここには何が公理として扱われないか

例1. ルールがオープンであること

制作者がルーリングをプレイヤーに任せている「ボードゲーム」もあるし、また既存のコンポーネントでプレイヤーが自由にルールを改変しているものもまた「ボードゲーム」と一般には認知されるでしょう。「そのようなものはゲームではない!」という主張をする人は一定数存在しますし、筆者自身も制作者がまともにルールを作っていないゲームは好みではありません。それでも依然としてこれらはボードゲームであると認知されることは多く、仮に切り捨てるとしても熟慮が必要です。

例2. ボードゲームはプレイヤー同士が対戦するものである

一人用ボードゲームが存在するので自明に却下されます。

総じて、ルーリングやプレイヤーに関わる事項が公理として追加されるには極めて高いハードルがあると考えています。方向性に関しては以下の具体例も見て察してください。

定義済みとして扱う概念(一般に使われる用法そのものであることを保証する)

  • 非決定(的)
  • 集合, 有限, 可算無限など集合論および離散数学用語
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1. オブジェクトは、観測される時にはその状態が一意に定まる

デジタルゲームのような隠れた状態はもちろん、転がっている間のサイコロや回っているルーレットはゲームにおける「状態」から除外するということ

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3. カードは、表面および裏面のみに情報量を持つ

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[要審議]ゲームは有限あるいはたかだか可算無限の状態を持つ

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かなり強い要請である気はしつつ、例えばジェンガを「ボードゲーム」に含めるかと言われると、含まない方が主流という認識ではいます

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6. シャッフルは、オブジェクトの集合を非決定的に整列する

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7. プレイヤーがゲームの状態を変更した時、その時のみゲームの状態は変化する

便宜上、恒等射相当の操作もプレイヤーによるゲームの状態変更に含める

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8. トークンは、2つ以上の状態を持つ

表裏のないチップなどでも、バンク↔プレイヤー間やトラックを移動するならその分状態を持つ

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9. ルールは、状態の変化の規則を記述する

裏ルール:ルールは「記述する」だけなので、ルールによらない状態の変化を含意する

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10. プレイヤーは、ゲームの構成要素の中で、唯一ゲームにおけるオブジェクトではない

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11. カードは、任意のプレイヤーに対して片面だけが観測できる状態を持てる

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12. オブジェクトは、ボードを除いて、任意のプレイヤーに対して観測されない状態を持てる

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13. 異なる2つ以上のオブジェクトは、観測上同一の状態を持てる