フィードバックが「お疲れさま」しか言えなかった2年目の自分へ
はじめに
前回の記事で、2年目の終わりに「このままじゃダメだ」と感じた話を書きました。
今回はその続きです。
2年目でチームを任されました。
1on1もやりました。MTGも回しました。
でも振り返ると、自分が部下に言えていた言葉は「お疲れさま」「いい感じですね」くらいでした。
フィードバックらしいフィードバックが、何もできていなかった。
「部下の1年後を考えなさい」
上司からこう言われました。
「部下が1年後にどういう状態になっていて欲しいか、考えなさい」
正直、困りました。
自分はまだ2年目です。
目の前の仕事をこなすだけで精一杯でした。
自分のキャリアすら描けていないのに、人の成長を考えるなんて無理だと思いました。
「2年目の自分に、そんなこと求められても……」
そう感じていました。
そしてこの「部下にどうなって欲しいか」がわからないことこそが、フィードバックできない原因でした。
相手にどうなって欲しいかがなければ、何を伝えればいいかもわからない。
だから「お疲れさま」しか出てこなかったのです。
まず見えたのは、自分の「なりたい姿」
転機は、上司との会話の中にありました。
あるとき、上司が自分に何を期待しているのかを直接聞く機会がありました。
返ってきたのはこんな言葉でした。
「テックリードとしてチームの開発力を引き上げられる存在になって欲しい」
「そして人をマネジメントし、チームで成果を出せるようになって欲しい」
正直、今の自分とはかけ離れていました。
技術で周りを引っ張る力も、チームを動かす力も、まだ全然足りていない。
そう痛感しました。
でもこの言葉がきっかけで、「自分はどうなりたいのか」を初めて本気で考えるようになりました。
また、仕事の幅が広がる中で「これができない」「ここが足りない」と感じる場面も増えていきました。
できていないことが見えるようになった。
裏を返せば、自分がどうなりたいかが少しずつ明確になってきたということです。
上司の言葉と、日々の仕事で感じるギャップ。
その両方があって、漠然としていた将来像がようやく輪郭を持ち始めました。
なりたい姿が見えたら、足りないものが見えた
なりたい姿が見えてくると、今の自分とのギャップが一気に見えてきました。
技術面では、設計力やインフラの知識が足りない。
マネジメント面では、フィードバックの仕方やチームの動かし方がわかっていない。
「じゃあこの分野を勉強しよう」
「この取り組みをチームで試してみよう」
ギャップが見えたことで、やるべきことが自然と出てきました。
そしてこの感覚は、自分だけでなくチームにも向くようになりました。
「お疲れさま」の先が見えた瞬間
「チームとして成果を出したい」と本気で考えるようになると、自然とこういう思いが出てきました。
- もっと任せられるタスクの幅を広げたい
- この技術領域について相談できるようになって欲しい
- 自分でアイデアを出して提案できるようになって欲しい
これが「部下にどうなって欲しいか」の答えでした。
以前は何も浮かびませんでした。
でも自分の目指す方向が見えて、チームとしてどうありたいかが見えてくると、一人ひとりに伝えたいことが溢れてきました。
そこからフィードバックが変わりました。
「ここが良かった」「ここを伸ばして欲しい」と具体的に伝えられるようになりました。
MTGもただの進捗確認ではなく、成長に向けた対話ができるようになりました。
相手も自分に何を求められているかがわかり、コミュニケーションの深さが変わりました。
「もうチームは持ちたくない」と思っていた
正直に書くと、最初はただただ大変でした。
自分の仕事だけでも手一杯なのに、部下の面倒も見なければいけない。
フィードバックもできない。チームとしての成果も見えない。
来年はチームを持つのはやめよう、とすら思っていました。
でも今は、チームを作ることが楽しいと感じています。
一人ひとりに伝えたいことがあって、成長が見えて、チームとして前に進んでいる感覚がある。
あの頃の自分には想像もできなかった感情です。
おわりに
フィードバックができなかったのは、スキルの問題ではありませんでした。
自分自身の「なりたい姿」がなかったから です。
自分がどうなりたいかが見えてくると、チームにどうなって欲しいかも見えてくる。
伝えたいことが見えると、フィードバックの言葉が生まれる。
言葉が届くと、チームとの関わり方が変わる。
そしてこの変化のきっかけをくれたのは、間違いなく上司でした。
「部下の1年後を考えなさい」という言葉も、自分への期待を伝えてくれたことも。
あのとき向き合ってくれなかったら、今の自分はなかったと思います。
もし今、部下へのフィードバックに悩んでいる方がいたら。
まずは自分がどんなエンジニアになりたいかを考えてみるのをオススメします。
伝えたい言葉は、そこから生まれるものだと思います。
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