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読書メモ 「エンジニアの知的生産術」

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はじめに

職位が上がるにつれて、「エンジニア」としての技術的な業務が減ってきました。
それでも、自己学習で技術力を身につけていくため、本書を読みました。

内容のざっくり要約

本書は以下の章構成です。

1. 新しいことを学ぶには
①情報収集をして、②それらを抽象化して、③応用していくことで学びが身につくよ、という内容で、それぞれについて詳しく掘り下げています。

2. やる気を出すには
名前のとおりです。必要タスクを洗い出す、タスクが大きすぎたら分割する、などの具体的なテクニックが記載されています。

3. 記憶を鍛えるには
記憶の仕組みから、具体的な記憶法まで書いている章です。
時間を空けて何度も触れる、アウトプットする、など。

4. 効率的に読むには
そもそも「読む」目的とは?という点から始まって、早く大雑把に繰り返し読む方法と、じっくり読む方法のふたつが説明されています。

5. 考えをまとめるには
レポートやプレゼンの作成のための、具体的な手法(KJ法)が解説されています。

6. アイデアを思いつくには
アイデアを生み出すためのタスクは、①耕すフェーズ、②芽生えるフェーズ、③育てるフェーズ、の3つに分かれます。②芽生えるフェーズは管理できないので、①耕すフェーズと、③育てるフェーズの具体的な手法が記載されています。

7. 何を学ぶかを決めるには
とにかくいろんなものをかじってみる、今の立場から得ることのできる知識を得る、市場価値の高い人材になるための知識を得る、などの学び戦略が複数紹介されています。

感想

特に印象に残った章をピックアップします。

4章 効率的に読むには

本書では、特に学習における読書の目的を、「情報を得ること」、または「理解を組み立てること」としています。
自分の場合、「情報を得ること」はネットで済ませる場合が多いので、読書の目的はおおかた「理解を組み立てること」になります。
特に印象的だったのは、「理解を組み立てる目的の読書では、理解力がボトルネックになるため、速度向上に限界がある」という点でした。技術書を速読しても、見える文字量が増えるだけで、理解はできていないという状況に陥り、苦しくなってしまうそうです。
本は「たくさん読む」をひとつのKPIとして扱いたくなってしまいますが、「理解を組み立てる」の目的に立ち返り、アウトプットなどをしながら、効率よく理解したいです。

7章 何を学ぶか決めるには

特に印象に残った、学ぶ対象の決め方を2つピックアップします。
1. 好きなものを学ぶ
シンプルに、「何学んでも良い」という決め方が挙げられていました。
曰く、そこで学んだ「学び方」が他分野にも適用できるので、とりあえず学んでみるといいよ、とのこと。
2. 知識の掛け合わせによる差別化戦略
自分の持っている知識を複数掛け合わせることで、他者と差別化し、競争力のある人材になれるので、掛け合わせで役に立つ知識を身につけるといいよ、という学び方。
1.と2.から、自分の持っているスキルセットから、掛け合わせで役に立ちそうなスキルがあれば、興味のあるものから学んでいっていいのだな、と考えた。

まとめ

タイトル通り、学習にとどまらない「知的生産」の考え方や手法が数多く紹介されており、読んでいて面白かったです。
今後も学んでいきたい、知的生産をしていきたい、という方であればオススメできる一冊です。

https://gihyo.jp/book/2018/978-4-7741-9876-7

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