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「知らない」で損をさせない。住民一人ひとりに寄り添う「補助金ナビ」

に公開

https://youtu.be/7MAl318EA8M

はじめに

自治体の補助金や給付金。本来、生活を支えるための制度であるはずが、実際には「自分が対象かわからない」「探し出すのが大変」「申請方法が複雑」といった理由で、多くの人が活用しきれていない現状があります。

今回は、この「制度と住民の距離」を埋めるべく、自律的な判断とアクション提案を行うパーソナル・エージェント**「補助金ナビ」**を開発しました。

プロダクト概要:補助金ナビ

「補助金ナビ」は、ユーザーの属性(居住地、家族構成、年収など)を入力するだけで、数ある制度の中から最適なものを自動でピックアップし、**「あなたが対象になる可能性」「具体的な申請ステップ」**を提示するアプリケーションです。

単なる検索エンジンではなく、複雑な募集要項を読み解き、個別の状況に照らし合わせて「次にとるべき行動」まで導く、あなたのための**「デジタル窓口」**です。


解決したい課題

  1. 情報のブラックボックス化: 自治体ごとに散らばったPDFやWebサイトから、自分に合う情報を探すコストが高すぎる。
  2. 条件解釈の難しさ: 「所得制限」「扶養の定義」など、専門的な条件が自分に当てはまるかの判断が困難。
  3. 最初の一歩が不明: 対象だとわかっても、「どこで」「何を」すればいいのかが直感的にわからない。

システムアーキテクチャ

Google Cloudのマネージドサービスをフル活用し、高速かつ安定した推論基盤を構築しました。

全体構成図

  • Frontend: React (Vite / TypeScript)
  • Backend: Python (FastAPI)
  • Infrastructure:
    • Cloud Run: コンテナベースの高速なアプリケーション実行環境。
    • Cloud SQL: 補助金マスタデータおよびユーザー属性のセキュアな管理。
    • Vertex AI: プロダクトの心臓部。最新の Gemini 2.5 Flash を採用。

Agentic AIとしての3つのポイント

「単なるRAG(情報検索)で終わらせない」ために、以下のエージェント的機能を実装しました。

1. 自律的な「適格性推論」

RAGで取得した補助金情報をただ要約するのではなく、エージェントがユーザーの属性情報と照らし合わせ、「なぜ対象と言えるのか」「どの条件が未達なのか」をステップバイステップで論理的に検証します。これは、情報を「探す」段階から「判断する」段階への自律的なステップアップです。

2. ゴールへの「パス・プランニング」

現時点で条件を満たしていない場合でも、単に「対象外」と突き放すのではなく、「〇〇という書類を取得すれば要件を満たす可能性があります」といった、目標達成(受給)に向けた次の一手を自ら考えて提案します。

3. ハイブリッド・ジャッジメント

ルールベースによる厳密な判定ロジックをベースにしつつ、解釈の余地がある曖昧な要件については、Vertex AIが自律的にコンテキストを読み取って補完・生成します。システムの硬さと、AIの柔軟性を組み合わせたエージェント設計です。


こだわったポイント

1. 透明性重視のUX

  • すべての判断に根拠を紐付け、結論だけを返さない

2. 不確実性を前提とした設計

  • 「対象外の可能性」を明記し、次の行動を提案

3. LLMの安全な活用

  • スキーマ検証で崩れた出力を排除
  • ルールベースの判定を常時保持

4. 探索性の高いUI構成

  • 一覧で俯瞰 → 詳細で掘り下げる導線

5. MVPの拡張性

  • ローカルJSONで即デモ可能
  • Firestore/GCS/Vertex AIに段階移行できる構成

開発中に苦労したこと

1. LLM出力の揺らぎ

  • 問題: JSONが崩れる/フィールド欠落が起こりやすい
  • 解決: スキーマ検証で不正出力を破棄し、ルールベースへフォールバック

2. 根拠と理由の紐付け

  • 問題: 「なぜその結論か」が曖昧になりやすい
  • 解決: evidence_ref を理由/期限/TODOに紐付け、UIで根拠を常時表示

3. グレーゾーンの扱い

  • 問題: 条件未達でも「何が足りないか」が分からない
  • 解決: gray_zone_guidance を追加し、次に取る行動を提示

今後の展望

  • マイナンバー連携: 公的個人認証との連携により、入力をゼロにし、100%確実な判定を実現。
  • 自治体向けダッシュボード: 住民のニーズを可視化し、自治体がより効果的な施策を打つためのフィードバックループの構築。

おわりに

「補助金ナビ」は、テクノロジーの力で誰もが支援を平等に受けられる社会を目指しています。Google Cloudの強力なAI基盤を活用することで、複雑な社会制度を「誰もが使いこなせる道具」へと変えていきたいと考えています。

リポジトリ

https://github.com/Tarry008/Hojokin-navi

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