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Web3 関連概念まとめ その5 -NFT、ジェネラティブ NFT、Rug Pull-

2022/10/01に公開約4,400字

最近 Web3 に興味があるので、自身の勉強も兼ねて Web3 関連概念の解説記事を書きたいと思います。
Web3 に興味はあるけどまだ手を出せていないという人にとって 0 -> 1 の足がかりになるような、これさえ読めば Web3 を何となく理解できるような、そんな記事を目指しています。

第 5 弾は NFT、ジェネラティブ NFT、Rug Pull についてです。
他の記事についてもぜひご覧ください!

NFT

NFT (Non Fungible Token: 代替不可能なトークン) を一言で表すならば「ブロックチェーン技術を用いることでコピーや改ざんを不可能にした、デジタル資産の所有権の証明書」と言えます。

NFT でできるようになること

デジタルの世界においてデータをコピーすることは非常に簡単です。そのため NFT の出現以前には、あるデジタルアートについてそれが「オリジナル」であることを証明することは、作者含め誰にもできませんでした。
そのため、通常の (実体を持つ) アートが高値で取引されている一方で、デジタルアートに高い価値がつくことはなく、デジタルアートで生計を立てるなんてことは夢のまた夢だったのです。

しかし NFT が出現し、その状況は一変しました。
NFT はブロックチェーン上にデプロイされた、スマートコントラクトを用いて実装されたアプリケーションです。トークン一つ一つがユニーク (一意に定まる) であり、それをコピーしたり改ざんすることはできません。そのためデジタルアートを公開すると同時に NFT を発行し「この NFT を持つ人がデジタルアートの所有権を持つものとします」と宣言すれば、デジタルアートに「オリジナル」の概念を付与することができるのです。
デジタルアート自体はいくらでもコピーできますが、NFT (そのアートの所有権) をコピーすることはできず、そこに価値が生じるというわけです。

ここで注意が必要なのは、所有権といっても法律上の所有権・著作権・知的財産権などとは一切無関係である点です。つまり NFT が保証する「所有権」には実体も法的根拠もないのです。
そんなものに価値があるのかと思うかもしれませんが、実際に次のような取引が成立しており、NFT が相当な額で取引されていることが分かります。

NFT の優れた点

デジタル資産に「オリジナル」の概念をもたらした NFT ですが、他にも次のような点が優れています。

信頼性の高さ

NFT はブロックチェーンの技術を用いているため、コピーや改ざんが事実上不可能です。そのため、信頼性という点では紙の保証書よりも遙かに優れていると言えます。

手数料の安さ

NFT はスマートコントラクトで取引されるため、取引所に取られる手数料が非常に安いです。例えば代表的な NFT の取引所である OpenSea の手数料は 2.5% です。一般的なギャラリーの平均的な手数料が 30% 程度であることを考えると、NFT の手数料の安さが分かると思います。

プログラム可能性の高さ

NFT はスマートコントラクトを用いて実装されているため、事前にプログラムしておくことで、メインの取引に付随する様々な取引を行うことができます。その代表例がロイヤリティです。

ロイヤリティとは、NFT が 2 次流通するタイミングにもアーティストに収入が入る仕組みのことで、例えば 10 % のロイヤリティが設定された、ある絵の保有権を持つ NFT を 1ETH で販売する場合、次のような取引が実行されます。

  • 購入者のウォレット → 販売者のウォレットに 0.9ETH が移動
  • 購入者のウォレット → 絵の制作者のウォレットに 0.1ETH が移動
  • 販売者のウォレット → 購入者のウォレットに NFT が移動

この仕組みはアーティストにとって非常に嬉しいもので、NFT の販売から数十年後あるいは本人の死後に人気を博し、高値で取引されるようになった場合でも、アーティスト本人やその遺族が恩恵にあずかることができます。

NFT と暗号通貨の違い

NFTと暗号資産は、代替可能かどうかという点で異なります。
代替不可能な NFT に対して暗号通貨は FT (Fungible Token: 代替可能なトークン) であり、その識別情報に関係なく 1 ETH は 1 ETH、1 BTC は 1BTC の価値を持ちます。

一方 NFT は識別情報が大切です。あるデジタルアートの所有権の証明書として NFT を発行した時、その NFT が持つ識別情報こそが所有権の証明になっており、他の NFT と交換することはできません。

ジェネラティブ NFT

ジェネラティブ NFT とは、ソフトウェアを用いてデジタルアートを大量に生成し、それらの所有権を NFT として販売する手法のことです。
代表的なジェネラティブ NFT を紹介します。

CryptoPunks

Cryptopunks」は 2017 年に Larva Labs という企業によって作成されました。
世界初のジェネラティブ NFT と認識されており、NFT コレクターの中では CryptoPunks を所有していることがステータスになっています。そのため取引価格も高く、過去には約 27 億円で取引された事例も存在します。


(https://opensea.io/collection/cryptopunks より)

Bored Ape Yacht Club

Bored Ape Yacht Club」は 2021 年に Yuga Labs という企業によって作成されました。
巧みなマーケティング戦略で大成功を収め、近年最も人気な NFT と言えます。取引の平均価格は CryptoPunks を上回ります。


(https://opensea.io/collection/boredapeyachtclub より)

Rug Pull

NFT には今まで紹介したような正の側面がある一方で、負の側面もある点には注意が必要です。

その代表例が Rug Pull です。
Rug Pull とは、例えば「あるゲームで特殊なアイテムをゲットできる NFT を販売します。ゲーム開発は NFT の販売で得た資金を元に行っていきます」といった宣伝を大々的に行い資金を集めつつ、実際にはゲーム開発は行わず、集めた資金を持ち逃げするような手法のことです。集めたユーザーを出し抜く様子を「ラグを引っ張り上に乗っている人を転ばせる (pulling the rug out)」様子に例えて Rug Pull と呼ばれています。

ICO ブームの時にも同じ手法の詐欺が多発したことを以前紹介しましたが (ICO に関する記事で説明しています) 、それと同じ手法が NFT ブームの今、再流行しているのです。
意図的な Rug Pull なのか、努力した結果うまくいかず結果的に Rug Pull せざるを得なかったかの判断は難しいですが、NFT プロジェクトに投資をするときは、関係者がそうした行為を繰り返しているような人でないか、よく調査するのがよいと思います。

まとめ

以上、NFT、ジェネラティブ NFT、Rug Pull についてまとめてみました。
その他の概念についても順にまとめていく予定ですので、ぜひフォローお願いします!


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